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ドゥンケルハイト孤児院

『ドゥ、、、はあ?』


あたしは思わず言ってしまった。


『ドゥンケルハイト孤児院。君たちがいたところだよ。』


『そうなの?』


リンジーがあたしに小声で聞いた。


『いや、知らん。』


あそこにこんなに長い名前があるなんて知らなかったし。


ブラットは相変わらず無視を続けるようだった。ショーンは一応聞いてるみたいだった。


『まあ、君らはあそこの名前を知らないと思う。周辺の奴らにばれたらまずいからね。特にアージュドールの連中には。』


リンジーが歯ぎしりした。


『あそこは、、、俺たちの施設だ。』


『はぁっ⁈』


三人で声を合わせてしまった。


『あんたらの施設⁈』


あたしは声が大きくなってしまった。


『そう、さっきリンジーちゃんが俺たちの目的が分からないっていってたけど、、、』


こいつ、どんだけ耳がいいんだよ。あたしたちその話小さく集まって小声で離してたんだよ⁉


『そうだな、、、俺たちの目的達成の順序の一つとして孤児たちを集めた施設を作った。それがドゥンケルハイト孤児院。孤児たちを幼いころから特訓させて将来は"兵器"として戦わせるつもりだ。それのもっとも素晴らしい成功例が君たちだよ。ブラットくんとイリーナ。、、、ショーンくんはまだ幼いからね。2人の活躍は、俺たちの想像以上だった。だから2人にはもう少し成長したら俺たちの組織に入ってもらうつもりだった。』


『、、、"だった"?』


リンジーが言った。


『ああ、想定外のことが立て続けに起こった。まずはイリーナの居場所がばれてしまって連中が取り返そうとしたことだ。絶対にばれないと思ったのに。それで孤児院の奴らにアージュドールの奴らがイリーナって子を奪いにくるかもしれないから見張っとけって言ったんだ。そしたらあいつら"襲撃"がくると勘違いして子供たちを叩き起こし銃を持たせて戦わせたもんだから、ドゥンケルハイトがここだとばれてしまった。』


ふんっ。


『おまけに職員が強制的に施設から追い出して君をおとりにしようとしたってこともあとから分かったんだ。イリーナ。意味のないことをしたんだよ。俺は。君はあいつらに連れ去られてしまったしね。』


"俺は"って何?単独でやったってこと?


『話はほとんどわからなかったけどよぉ、、、』


ブラットは無視をやめたみたいだ。


『俺たちは物じゃねえ。他の奴らもだ。』


『、、、そうだね。』


神崎さんは冷静だ。


『良かった。"連れ去られて"。』


連れ去られての部分をわざと強調した。


神崎さんは顔をすこししかめた。


『終わり?帰らしてよ。』


あたしは吐き捨てるように言った。


『君たちをここに連れてきた目的は君たちじゃない。いわいる人質だよ。俺たちはアージュドールにあるものを要求してるんだ。』


『ああっ‼もう!』


あたしは叫んだ。帰れると思ったのに!

そう思ったときだった。


『最後の人質です。』


男が五人ほど入ってきた。


『最後って、私たちだけじゃないの?』


リンジーはささやいた。


『こいつを仕留めるには苦労しました。何しろ半人間なんでね、、、って誰だぁお前は?』


男たちは神崎さんを見てそう言った。


そうか。ジョーカーはキングしか知らないから。


『、、、。』


神崎さんは無言だ。


『侵入者か?まあいい、人質をおいてからだ。』


1人の男が男の子を乱暴に投げ捨てた。


あたしよりも年上みたいだった。血だらけでひどく怪我してる。


『ああ、、、!』


リンジーは悲しそうな声を上げた。


『さぁて、お前だが、、』


男が神崎さんの腕をつかんだときだった。


何が起こったかわからなかった。気がついたらさっき神崎さんの腕をつかんでた男が窓ガラスを突き破り吹っ飛んで行った。


『てめえ‼』


四人が一斉に神崎さんに襲いかかった。



どうやら、あとの四人も同じ末路をたどるみたいだ。

1人ずつ窓ガラスを破り吹っ飛ばされて行く。


でも1人があたしたちのところに来た。


『おい、リンジー逃げろ‼』


ブラットが叫んだ。男はリンジーのところへ寄って来た。


『なっ、何⁈』


リンジーは逃げようとしたけど遅かった。


『いやぁぁぁぁっ‼』


男はリンジーの首にナイフを突き立てた。


『おめえ待てぇっ‼』


神崎さんの動きが止まった。


『こいつがどうなってもいいのか⁈』


リンジーは涙が頬につたっていた。


『や、、めて、、、!』


『やめろ!リンジーは関係ねえ‼』


ブラットが縛られてなければ。あたしは銃を気絶してるときに奪われたみたいだ。


『、、、俺は』


神崎さんが何か言おうとした。ジョーカーだと言おうとしてるんだ。でもこれを言ったら多分こいつも殺される。


あたしはそいつのナイフをもってる腕をぐいと引っ張りリンジーの首からナイフを離した。


『なにするんだ‼』


その腕をねじ曲げた。


『くそっ!』


ナイフが地面に落ちた。あたしは足でナイフを滑らせた。


もうこっちのものだ。あたしはリンジーに当たらないように細心の注意を払いあいつの顔めがけて飛び蹴りした。


『ぐはっ‼』


リンジーはそのすきに逃げた。


でもあいつはあたしの足をつかみボキッとあたしの足を折った。


『あぁぁぁぁぁぁ‼』


屋根から落ちたときよりもひどい。


『ぎゃぁぁぁぁぁ‼』


あいつもなぜか叫んだ。


あいつがどさりと倒れると後ろにはショーンがいた。


『カンチョーしたんだ。役に立つだろ?』


ショーンはドヤ顔をしてた。


『イリーナ、大丈夫?』


リンジーは駆け寄った。首にすこし傷ができてる。


『ああもう‼今日のけがどっちもあんたのせいだからね‼』


あたしは叫んだ。神崎さん、、、いや、ジョーカーに向かって。


まさかのカンチョーが役に立つとは。

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