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あたしの心に火がついた

前回、追いかけ回された続きです。

『どこにいきやがった、、、!あのクソガキ!』


悪かったね。クソガキで。



さて問題です。あたしは今どこにいるでしょう?

答えは屋根の上でした。運がいいことにあいつらの体は走るのに適していなかった。


、、、つまり全員体がビックだったってこと。

このまま巻いても良かったんだけど、それだと基地を知られる可能性もあった。それなら全員倒して帰ったほうが安全だ。だから距離をおいたあとで屋根によじ登った。


あたしはポケットから銃を二つ取り出した。孤児院の襲撃事件があったときにもってきたやつだ。

基地に来た夜、べっどの下に隠しておいたのだ。

今日も何があるか分からないからもっておいた。

銃を構えて、あいつらの一人に向けた、、、

でも、あいつらは一つにまとまりはじめた。

これじゃあ撃てない。一人ならいいけどまとまってたら残りのやつらが一気にこっちにむかってくるだろう。


『いたか?』『いない。』


そんなことを話してた。


『おい、これはジョーカー直々の命令だぞ⁈見つからなかったら、、、』


ジョーカー?まさか、神崎さん?


『おっと、、、やべぇ、、』


あいつら全員が同じ方向をむいた。あたしもその方向に目をやった。

あの黒いコートを着た人がいつのまにかいた。

神崎さん、、、


『、、、この様子だと、イリーナはいないみたいだね。』


ビックな体型の五人が小さくなった。


怖いかぁ?


『まあいいや。自分で探すから。元々君らがあの子を捕まえられるなんて思ってなかったから。』


『えっ、、、』


『イリーナを君らに追いかけさせたのは、彼女を屋根に追い込むためだよ。』


げっ、、、‼

神崎さんは、ゆっくりあたしのいる建物に近づいた。しかもあたしがよじ登るのに使った棒があるまさにその場所。



場所を移動しなきゃ。

あたしは目線は前のまま、素早く後ろに下がった。

後ろを見た。

すぐ近くに別の建物があった。

あそこに乗り移ろう。

視線を前に戻した瞬間、あたしの思考が停止した。




『やあ。』


神崎さんは、あたしの目の前で立って微笑んだ。

どうやって、、、物音ひとつしなかったのに。

『元気?』


あたしは後ずさりした。


怖い。神崎さんに生まれて初めて恐怖を感じた。

神崎さんは、どんどん近づいてくる。

あたしはその度に後ろに下がる。

あたしの手が空をきった。


『あっ、、、‼』


バランスを崩した。



ぐわっ!とあたしは空中に放り投げられ、思いっきり体を地面にぶつけた。


『、、いっつぅっ、、、!』


『大丈夫?』


また神崎さんがいた。

大丈夫なんかじゃなかった。背中を思いっきり打った。


『、、、あんたのせいよ‼今まで屋根から落ちたことなかったのに‼』


『、、、そうなんだ。』


バタバタバタと音がした。

さっき追いかけて来たやつだった。


『ちょっといい?』


神崎さんは、コートのポケットの中から気色悪い緑色の液体を出した。

それを背中に服の上からつけられた。

スゥーとした。これって、、、タケシが鼻につけてたやつだ。


『君は今動けないから、そのうちに話をしちゃおう。』


神崎さんはあたしの顎をあげて言った。


『、、、あそこでの君の様子だと君は俺の正体を知っちゃったみたいだね。、、、君のスピーチ良かったよ。』


『バカにしてるでしょ?』


数日前に同じこと言われたら素直にお礼を言ってたと思う。


『まさか。本当に良かったと思ってるよ。』


あたしは神崎さんがあたしの顎から指を外してくれないかと思った。ずっと目線を合わせたままだと、ドキドキ上手に考えられない。


『俺が殺し屋だと知ってるってことは、俺がバケモノっていうことも?』


『、、、殺し屋?』


『知らないの?俺は殺し屋だよ。たくさん人を殺してる。』


『あたしの親だけじゃないの⁈』


声が響いた。


『、、、違うよ。今まで何人も殺してる。』


『あんたがヴァンパイアだから?』


『それもあるけど、趣味みたいになってるんだ。』




言葉を失った。趣味?人を殺すことが?


『、、、あたしの親を殺したのも、趣味?』


『ああ、そんな感じ。』


何かがあたしの中で壊れた。親は死んでると言われたときよりも何倍もあたしは暗闇に引きずりこまれたような気分になった。

でも、、、でも、、、

あたしは自分をまた光に連れ戻した。


『、、、ありがとう。』


神崎さんは動揺したみたいだった。顎から指を離した。


『ありがとう?何が?君の親を殺したことがか⁈』


神崎さんはなぜか怒ってた。神崎さんが怒ってるところ初めて見た。でも神崎さんの怒りなんてどうでもいい。


『もし、親が死ななかったらあたしはブラットやショーンには会えなかった。今、2人がいるありがたさに感謝してたところなの。』


神崎さんは唖然としていた、、、ような気がした。顔が無表情だったから。


『話は以上?』


あたしは聞いた。あたしの心にはマッチでつけたようにちいさい火が燃えはじめていた。怒りではない。何かは分からない。戦うときに感じるものだ。


『まだだよ。』


『でも、あたしは終わったよ。』


あたしは立ち上がった。背中はすこし痛むけど、これくらい。


『けが人は大切にしてね。』


『けが人は怪我が治るまで安静にしてるべきだよ。』


神崎さんは驚きと心配が入り混じったような顔をした。周りの奴らは身構えた。

あたしはニヤリと笑った。


『ご心配なく。あたしは強いのよ!』


あたしは右手に持ってる銃で、1番端のやつを撃った。


『うっ、、、』


奴らは一斉にあたしに襲って来た。あたしはそのあいだをぬって走り出した。


無音だった。誰がなにを言おうと聞こえない。

あたしは角を曲がり、待ち構えた。

奴らが曲がった瞬間、あたしは銃を撃った。一人にあたり、倒れたところに走って来たもう一人が巻き添えを食らった。

再びあたしは走り出した。左を曲がったときだった。


『穴に入れ‼』


声がした。穴?

探してもあたしさえ入れるかわからない穴しかなかった。まさかここ?


『急げ‼』


考えてる暇はない。あたしはそこに滑り込んだ。


『うぁぁぁっ!』


中はすべり台みたいだった。暗いためどこに行くか分からなかった。

急にドスンっと柔らかいものに当たった。


『、、、ん?』


びっくりした。小さな部屋みたいのがあった。明かりもあった。


『全く君はずいぶんとお転婆のようだな。デカイ男を2人も相手して。』


振り向くと、知らない男がいた。



また新しい人登場。

こんな感じでどんどん新しい人が出てきます。


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