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世界史A  作者: MICKEY
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第5話「ウィーン体制の動揺」

1820年代、ウィーン体制を動揺させる二つの出来事が起こる。


1820年代の「ラテンアメリカ」諸国のスペイン・ポルトガルからの独立。

また21~29年に起こった「ギリシア独立戦争」。


この二つの成果はヨーロッパの革命運動を刺激し、フランス七月革命へと繋がっていく。



ウィーン会議により、フランスにもブルボン朝が復活。「立憲君主政」の政治が行われた。

国王は「ルイ18世」、次いで「シャルル10世」。どちらもルイ16世の弟である。


彼らは「貴族政治」を復活させ、「制限選挙」を行った。亡命貴族(エミグレ)への補償金を支払うなど貴族を優遇した。

更に1818年には「五国同盟」に参加。国民の不満を逸らすため、1830年7月には「アルジェリア出兵」を行い、これが植民地化の始まりだった。


だが民衆の不満が消えることはなく、アルジェリア出兵と同月、「フランス七月革命」が起こる。

国王による議会の未招集などが原因だったのだ。

「パリ市民」は例のごとく武装蜂起。7月27~29日を光栄ある三日間とし、市街戦を繰り広げた。

ロマン主義の画家「ドラクロワ」は7月28日:「民衆を導く自由(の女神)」を描いた。


上層市民らは「自由主義改革」の必要性を主張。これにより国王シャルル10世はイギリスに亡命した。


その代わりに新国王として、自由主義者で知られるオルレアン家の「ルイ・フィリップ」が現れる。

そして「七月王政」が成立するのであった。(1830~48年)


七月王政の特色は、制限選挙による「立憲君主政」。結局、「銀行家」などの有産市民中心の金権政治に過ぎなかった。


-一方その頃~1830年~-


ベルギー「独立するあるよ。」


1830年、ウィーン会議でオランダ領にされていた「ベルギー」の独立宣言。

これは翌年1831年の「ロンドン会議」で承認され、立憲君主国となった。


またイタリアでは再び「カルボナリの乱」が発生。オーストリア軍により鎮圧される。


また1830年には「ポーランド」の独立運動も「ワルシャワ」にて始まり、ロシア軍による激しい弾圧が行われた。

この時、ポーランドの「ショパン」(ピアノの詩人)じゃ「革命」を作曲したという。


イギリスでは1830年に最初の鉄道が開通。フランス七月革命の影響で、「フランス」など他のヨーロッパ諸国にも産業革命が始まった。




1711~17年頃から、労働運動は始まった。この頃起きた「ラッダイト運動」。職を失った熟練工による機械破壊活動だ。

その後、イギリスで世界初の労働者による組織的な政治活動「チャーチスト運動」が起こり、1838年には「人民憲章」が発表された。

これは労働者による6か条の要求で、「普通選挙」などが求められた。

「署名活動」による議会への請願活動が中心となり、1848年に最高潮を迎えるが、以後は沈静化した。



この頃、ヨーロッパ諸国は「資本主義」が基本であった。資本主義の社会とは、「私有財産制」と「自由競争」の原理に基づいて利潤を追求する社会である。

「資本家階級」と、「賃金」を受け取って労働力を提供する「労働者階級」が存在する社会でもある。


では資本主義の弊害とは何か?

それは資本家階級の「無秩序」な自由競争である。これにより労働者は劣悪な条件を押し付けられた。

更に「分配の不公平」。資本家階級と労働者階級の間に貧富の差が増大したのだった。

スラムの発生、低賃金長時間労働、女性や児童の酷使など、社会・労働問題が発生した。


以上の理由から、資本主義への批判が生まれる。

「社会主義思想」の登場。社会主義とは、生産手段(工場・機械等)を「共有」にし、収益を「公平に分配」することによって「平等な社会」を実現しようという考え方だ。


人間の理性や善意によって平等な理想社会を実現できるとする考え方。

それをドイツ人「エンゲルス」はこう呼んだ。「空想的社会主義」、と。

この空想的社会主義の例は以下の通りである。


イギリス人「オーウェン」が「ニューラナーク工場」で労働環境改善を実施。「工場法」(1833年)制定などに尽力。


オーウェン「可哀想だ・・・。」


フランス人「サン・シモン」が財産の不平等や貧困は「社会悪」とし、資本家と労働者両方の利益と福祉を主張。


サン・シモン「片方だけじゃダメなんだ。みんなが利益を得てこそ理想社会だ。」


同じくフランス人「プルードン」は国家権力を否定する「無政府主義者」(アナーキスト)で、「無政府主義」(アナキズム)を主張した。


プルードン「国家権力などに惑わされるな!我々は平等な社会を作るんだ!」


これらが空想的社会主義の例である。


エンゲルス「目の前の人間を救いたいという欲求・・・そんな魂の・・・神側の声もある・・・だが、その声はあまりにもか細く小さいので、通常はごくあっさり・・・消し飛ぶっ!」


「科学的社会主義」。それがエンゲルスの親友、ドイツ人「マルクス」が著した「資本論」において科学的に分析された資本主義社会の在り様。

更に2人は1848年、共著で「共産党宣言」を発表。その中で2人は「すべての歴史は“階級闘争”の歴史である」「万国の労働者よ、団結せよ」と著している。



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