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冬晴れ

作者: 夏ノ花/Nobana
掲載日:2026/01/15

僕の街では10時、12時、17時と1日3回鐘の音が鳴る

それは晴れの日も、雨の日も、そして雪の日も


「住野くん、これレジの後ろに置いといてくれる」

広瀬先輩にそう言われて「はい、わかりました」とだけ言って、言われた通りに本のたくさん入ったダンボールを持ち上げた

この重いダンボールも運び慣れたものだ

僕は本屋さんで働いている

「ゴーンゴーン」

そして1日の最初の鐘の音と共にこの店の営業は始まる


僕はブックカバーをつける

「1000円お預かりします」

レジを動かす

「220円のお返しになります」

そしてお客さんにお釣りを手渡す

「ありがとうございました」

お客さんはお釣りとブックカバーに包まれた本を持って去っていく

と思いきや、そのお客さんはレジの前まで戻ってきた

そして少し会釈だけして、レジの前に置き忘れたのであろう傘を取りに来たのだった

今度こそ店の外へと出ていってしまった

僕は斜め後ろにある窓から外を覗き込む

雨が降っていた

「ゴーンゴーン」

12時の鐘の音が鳴り、昼休憩の時間である


僕は重たいダンボールの中から本棚へと本を移していた

明日から恋愛小説特集棚を設置するのだ

今日の締め作業時は他の作業があるとのことで、少し早めに展開を始めている

最近SNSで話題になっている目玉の本は面陳列して目立つよう置く

そしてダンボールの中が空になり、本棚の一角が恋愛小説で埋まる

「住野くんそろそろ上がりの時間だよね。POPは僕が付けておくね。ありがと」

レジに立っていた森田先輩がそう言ってくれた

「ゴーンゴーン」

ちょうどそのタイミングで僕の勤務時間の終了と共に1日の最後の鐘の音が鳴った


「お疲れ様です。」

控室で着替えて帰り支度をして、レジに立っている森田先輩にそう告げて店を出た

「あっ」

僕は傘を開こうとしたが、その手を止めた

昼間に降っていた雨はいつの間にか雪へと変わっていた

僕は傘をささずに帰路へと着く

「明日の朝は寒くなりそうだな。」


「さむっ」

朝家の窓を開けると、そこら中に雪が積もっていた

寒さに辟易とした

今日は遅番でこれから仕事がある

「ゴーンゴーン」

その時1日の最初の鐘の音が鳴った

「そうかぁ。みんなこんな寒いなかでもがんばってるんだな。僕もがんばろうか。」

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