3話 会敵
結構短めです。(1300字程度)
仲間、やめようかな……
リナの食料を集めながら俺はそう思った。
リナを仲間にしたのだが、リナは人間であり、当たり前だか食料が必要である。
まあ食料くらいすぐ見つかるでしょ!と思って、近くにあった森に入り、食料を探しているのだが……食べれるものがほとんどない。
あ、あそこの木の根元に生えてる、あの茶色くて傘が大きいキノコ。あれは食べれるのか?
《検索中……》
練習の成果が出て、下位の狼族が得た情報を受け取れる、『情報奉呈』とやらをそこそこ使いこなせるようになってきた。
お、結果が出た。
《検索結果:猛毒あり。過去に多くの狼族がこれを食べ、命を落とした。毒は毒抜きをしても決して抜けない。》
……土をどっさりかけて踏み潰しといた。
お、あそこにある木になっている実はどうだ?
《検索結果:寄生植物の一つ。甘い匂いで生物を引き寄せ、中にぎっしりと詰まっている種ごと食べさせる。数日間後、種が発芽し宿主の血肉を養分に育つ。》
……全部切り落としてキノコと同じように埋めて踏み潰しといた。
さっきからこの調子で、見つかった食べれるものはキノコ三個と木の実六つだけだ。
にしても、疲れたな……。爪を変形させてなんとか運んでいるが、そのせいで移動しずらい。どうにかなんないかな……。
《通常能力『空間収納』を獲得しました》
……いきなり話しかけられてちょっとビビった。
ええと、『空間収納』か。名前やさっき考えてたことから、おそらく何もない空間に物を収納できるのだろう。
ちょっと調べてみよう。
《検索結果:通常能力『空間収納』
権能:収納、解放
収納:別次元の空間に触れているものを収納する。
解放:収納したものを取り出す。》
よし、思った通りだな。
キノコを持って試しに『収納』と念じてみた。
すると、手に持っていたキノコがパッと消えた。これで収納したのか?
取り出してみるか。そして『解放』と念じる。すると何もなかった手にキノコが出現した。便利だな。食べれるものはどんとん『空間収納』に入れてこう。
お、あそこにある大きな赤い木の実、美味しそうだな。検索っと。
《検索結果:毒無し。かなりの美味で高級食材。》
毒はない、か。かなり大きいし、何より美味いらしい。これの種をとって増やしてみるのもいいかもな。
そう思いながら、木の実に手を伸ばす。
《狂暴性が高く、木の実に擬態することが多い。討伐する際は注意が必要。》
ふーん……ん?
聞き流しかけたが、狂暴性が高い?まさかと思うけどこれ生き物なのか!?
とっさに手を引っ込める。直後、鳴り響く歯を打ち鳴らす音。
木の実に擬態していた魔物――妖鳥が、その本性を剥き出しにして俺に噛みつこうとしたのだ。
ギリギリのところで手を引っ込めたお陰で、噛まれずにすんだ。
……こいつ増やすのは辞めとこうか。
こいつのことはほっといて逃げるのもいいが……やっぱり美味ってのが気になるなぁ……。
久しぶりに美味しいもの食べたいし……。
よし、倒すか!
こうして俺は軽い気持ちで妖鳥を倒すことを決意した。
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ステータス
名前:無し
種族:闇狼
種族固有能力:
『情報奉呈』
『身体変化』
通常能力:
『念話』
『空間収納』
今日は私の誕生日なので、このあと(21:00)にもう1話投稿予定です!
補足:妖鳥はヨダカみたいな見た目です。