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再会

「…うわっ、人多すぎるだろ」


 目前に現れた『伝承クエスト『伝承の頁・龍滅の英雄』達成!』の表示を掻き消しつつ、図書館のカウンターまで戻ってきた俺は、凄まじい数のプレイヤーの圧に少しおののく。


 10…50…100…ちょっと数えんのは無理だわ、多すぎる。

 一瞬「誰か俺がいるの漏らしたか?」と考えたが、何やら酷く怯えた様子のプレイヤーが多い。

 どうやらどこかの街で事件が起きたようだ。


 大規模クエストかPKか…よくわからないが、どうやらこの図書館はセーフティエリアとなっているのはわかった。



「すげー…ジークさん動画以外で初めて見た…!」

「動画投稿始めた時点でBF(ブレイブ・フロート)のトッププレイヤーだったもんな…」

「それにAVOでも既にトップという…」

「天性の才能がすぎるな…」


 プレイヤーの呟きから察するに、俺が伝承クエストを受注したという事はプレイヤー達に伝わっているらしい。

 …脳内に「伝承クエスト受注者登場」→「ジークやん」→「見に行く」→「押し合い」→「どさくさに紛れたPK登場」という経路図が現れたが無視だ…!


 さて、いつもなら別にファンサとかしない訳じゃないんだが…流石にコレだと、一般プレイヤーの妨害になり得る。



「おーい!一般プレイヤーの進路妨害だ、せめて列を作れ!」


 俺が大声でそう伝えると、座席に座ったプレイヤーが一瞬ビクリと震え、他のプレイヤーはそそくさと列を作って並び始め…おい、押し合うな。

 さっき痛い目見たばっかりだろう、多分。



「あ、ジークくんいましたよ!」

「書込み正しかったみたいやねぇ」


 流石に突発握手会となると今来ていないプレイヤーも集まりそうだし、連続ハイタッチが安牌かなどと考えていると、入口から見知った二人の声が響いた。



「お、ディナにタケル!会うのは…9日ぶりか?」

「11日やなぁ、街着いたあとどこ行っとったん?」

「探索する暇も無く縛り付けられてたよ…」

「お気の毒になぁ」

「なんなら手伝ってくれるか?今5個ぐらいクエスト抱えてんだけど」

「いやどす」


 どこで買ったのか、口元を扇子で隠しながらフフと笑うタケル。

 チッ、丁度いいから化け物退治の手伝いしてもらおうと思ったのに…いや、二人で挑んだら人数増加で無駄に強くなりそうだしこれでいいかもしれん。



「二人とも他のプレイヤーと同じで?」

「はい、ジークくんが伝承クエストを受けたというのがネット掲示板上で拡散されていまして、今ならまだ間に合うとアサヒちゃんが」


 まぁ11日も集まって無かった訳だし、そろそろ今後の方針について話し合って共有する必要もあったしな。

 とはいえ…



「話し合いだけなら別に通話でよくないか?」

「いやジークくん、私達の着信拒否解除してないでしょう」

「……はっ!」


 忘れてたんですかと呆れ顔のディナに促されつつ、3人からの着信拒否を解除する。

 いやぁ、いつもいじらない設定だから忘れてたわ!



「すまんて」

「そもそも拒否までする必要無かったやろ」

「事実でしかないですね」

「謝ってんのに殴ってくるなよ」


「すげぇ…動画で見たとおりの流れだ…」

「生で見れたの最高すぎる」

「台本じゃないのかあれ…」


 いつものように話していると、辺りのプレイヤーがざわつき始めた。

 おそらくは、物珍しさに画面の録画をしている人もいるだろう…流石にこの状況でチーム内の話は出来ないな。


 まぁこれは有名税のようなものだから仕方ないと割り切る。



「アサヒは?」

「始まりの街で暴れてたPKの相手を…あ、来ましたね」

「ごめんね。少し遅れた」


 姫騎士的な格好の少女が、入口から優雅に歩いてくる。

 当然アサヒだ。


 メンバーが遂に全員揃った事で、プレイヤー達から小さく歓声が上がり、司書NPCがこちらを睨んできた…ごめんね?

 その様子を見たアサヒは、少しムッとした表情となって口を開く。



「…このままだと()()()が動きそうだ、場所を変えようか」

「…守護者は知らんが、話が早くて助かる」


 彼女の言葉を受け取り、俺達は足速に図書館を去る。

 一応、ハイタッチをしなが───って…



「おいアサヒ、俺はお前らと別の街から来たんだが?」

「うん?あぁ…そうだ、言ってなかったね。

この伝承図書館は各街に繋がっているから、入った記録が残ってる街ならどこにでも自由に移動出来るんだよ」

「……そうなの?」

「キミが通話切っちゃったから言えなかったね?」


 純粋無垢(に見せて怒りまみれ)な笑顔を俺に向けながら言う彼女。

 うん…そうだね…俺が悪いね…

 扉に到達した直後、眼前に現れた『どの街に移動しますか?』という画面に対して微妙に青筋を浮かべなつつ、俺はアサヒ達に続き、始まりの街へ移動した。

ブクマ・ポイント・いいね・感想等いただけると幸いです!モチベが上がります!


〜おまけ〜

ジーク「守護者ってなによ」

アサヒ「運営が作ったお遊びAI、図書館内で一定値以上騒ぐと起動してプレイヤーを蹂躙する魔法仕掛けの騎士」

ジーク「へぇ…!」

アサヒ「ちなみに装甲は破壊不能オブジェクトだから近接攻撃じゃまともにダメージ入らないし、遠距離攻撃は未知の防御魔法で防がれる。その上【対人類】の戦闘技能(スキル)でプレイヤーには無類の強さを誇るよ」

ジーク「コワー…」

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