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スチャラカ娘とちゃっかり転任先生(8)

 教室の生徒達が一斉に注目したその先には、髪の毛をツンツンに立たせた小柄な男子が片腕を上げて教室の中を見回していた。そして、美樹雄の姿を見つけ駆け寄って来るなり大声で言った。


「相沢!おめえだけ抜け駆けして自転車部に入り、栄光の座を奪い取ろうとしてもそうはいかねえぞ」  

「別にそんなつもりはないよ」

「フッ、どうだか。気弱なふりして()()()()キミのことだ。腹の中では『この学校の頂点はおろか全日本チャンピオンさては世界チャンピオンの栄光は俺のものだー』なーんて考えてるのだろう」

「それはひょっとしてあなたの事じゃないのですか」


 美樹雄は苦笑いしながら言った。奈美は二人のやり取りに目が点の状態であり、恵は黙ってうつむいたままだった。


「そんなことよりここに何しに来たのですか」

「おおそうだ。相沢、おめえと喋っている場合ではなかった。このクラスに()()()()()ていうのがいるだろう」

「だからここにいますよ」


 そう言って美樹雄はうつむいている恵の方に手をのべた。瞬はしばらく恵を見つめたまま沈黙していたが、いきなり三歩ほど飛び退くと驚きの奇声を上げた。


「イッー、ケイって、エッー、ミズキケイって、オッー、おんな⁉・・・・・・おっ、俺、てっきりケイっていうから男かと思ったのに、なんだよ、がっかり。相沢がすげえ奴がいるからと言ったから期待して来たのに・・・・・・あー、損した。女子だったのって、どわっー」


 奈美と美樹雄は唖然としていた。恵が持っていたノートをガタガタ騒ぐ瞬めがけて投げつけたのだ。今度は瞬が唖然とした。


「あんたねえ、いきなり教室に入ってくるなり大声出して、人の机の前に来てキイキイわめいて、そしてナニ?あたしが女だの男だの勝手なこと言って、私が女だったらどうだというのよ。だいいち、あんた誰?」


 もはや二人の間にはただならぬ雰囲気が漂っており、手のつけられない状態であった。


「よくぞ聞いてくれた」


 瞬は頭のノートを取ると恵に詰め寄った。


「俺はE組の光井瞬みついしゅん。山口県出身でこの四月に転校してきて・・・・・・」


「あーそう。自己紹介ご苦労様。E組なら隣です。悪いけど邪魔だから出て行ってよ」


 そう言いながら恵は喋っている途中の瞬を蹴り出してしまった。なんとか抵抗したが、今の恵の気迫にはさすがの瞬も負けてしまった。


 瞬と交替するかのように浩一が入ってきて事は一段落した。

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