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女王の威風(3)

 昨日と同じようにプレートと参加賞一式を手にして戻った。早速、中身を物色する瞬。


「ありゃ、景品が昨日と違うなあ。ドリンクボトルだ。軽量で頑丈なやつだぞ。もしかしてこれも」


 瞬が箱を眺めて北川エレクトロの文字を見つけた。


「いいねえ。これは重宝するわ。練習の時もこういうので水分補給していたらもう少しいけたかなあ」


 恵はボトルを軽く振って、使い心地を試している。


「あー、練習といえば、神沢さんあの時は1人だったけど、他にも部員いたんだね。やっぱり、けっこう速いのかな」

「そりゃあ、それなりに人数もいるだろう。選手層も厚いんじゃないの」


 恵の疑問に瞬が参加賞の中身の確認をしながら答えた。


「セイントレアの自転車部はロードだけです」

 

 奈美が静かに答えた。


「えっ、そうなの。じゃあ、さっきのウェア着た人たちは?」

「ロードの選手です。神沢がマウンテンバイクの種目も取り入れたので、それでエントリーしたのでしょう」

「じゃあ、同じ1年生でマウンテンバイクのグループ作ったとか?」

「いえ。あれはもとからいる自転車部の部員です」

「えっ・・・・・・ちょっと待って、奈美ちゃん。じゃあ、1年生が上級生を取り巻きにしているってこと。マジで?」

「それが、神沢妃美香です」


 奈美は、悲しくも憤りを帯びた目をしてテントの外に視線をなげた。


「おい、本当だ。他の選手5人とも17歳だぜ。年上だよ」


 瞬はプログラムのクラス別出場選手一覧を見せた。


「でもどうしてそんなこと。ロードの選手を引っ張ってくる意味があるの?畑違いだし」

「いや、そうとも言えないです。BやAクラスならともかく、Cは距離が短い初心者も出場するクラスです。基礎体力があれば上位も狙えます。ロードの選手なら十分に戦えます」


 美樹雄も瞬が示しているページを見ていた。


「たとえそうでも意味あるのかなあ。Aクラスに行こうっていう選手が取り巻き引き連れてくるなんて」

「まあ、確かにな。何がしたいのか分からないね」


 恵がハテナ顔で腕組みをすると、美樹雄も瞬も頷いていた。


(私に見せたいの?いまの神沢妃美香を。私は戻らない・・・・・・)


 奈美は軽く頭を振りながら、心で何度も呟いた。


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