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女子×激戦×戦慄(8)

 有紀の前には恵の姿があった。


(私、負ける?この子に負けるの?もう、追いつけない……)

 

 有紀の目に黄色のウェアが映る。虚ろな目にASAMIの文字がかすれていく……



  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇        

   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 前を走る一台のライトグリーンのマウンテンバイク。女の子が乗っている。


「待って。お姉ちゃん、待ってよ」


 有紀はその背中をいつも眺めていた。紺色のウェアの背中に浮かぶSSSの文字。追いかけても追いかけても追いつけない背中。

 

「こんなところで負けたらダメだなあ」


 女の子が笑って、どんどん前に進んでいく。


「お姉ちゃん、追いつくから。絶対お姉ちゃんに追いつくから」

「まだ、まだ」

「速くなる。私、速く走るから。だからお姉ちゃんと走りたい」


 有紀が必死で叫び、追いつこうとペダルをふみこむ。


「お姉ちゃん。私、お姉ちゃんと走りたい!」


 有紀の声に女の子が振り向く。


「うん。一緒に走ろうよ。有紀」


 有紀はうなずくとその背中を目指して懸命にペダルをこいだ。


  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇        

    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 有紀の目には再び黄色のウェアが映った。


(負けない。私は、負けない。もう一度お姉ちゃんと走るまでは絶対、負けるもんか!)


「あの子には負けない!」

 

 有紀はそう叫ぶと目を見開いた。虚ろな目が鋭い光を放つと獲物を狩る豹の目へと変わった。有紀の足に力が入る。


 2回目のS字に入る。有紀はスピードを上げながらスムーズに抜けていく。さすがといえる立て直しの早さであった。恵との距離がさらに縮まる。恵も必死で逃げていく。二人の前に再び山が姿を現した。


ーーーーーーあーっ、新川選手、見事な巻き返し、差はわずかになった。これはまだ分からない。さあ、巻き返すかあーーーーーー


 二人は恵を先頭に山を上っていった。


「捕まえたぁーっ!」


 有紀が叫んだ。


 山を上りきるところで二人はジャンプした。


ーーーーーーあーっと、今度は水城選手も飛んだあ。だが、二人の飛び方が違うぞー。水城選手、高い!高く飛んだー!ーーーーーー


 会場が再びわき上がった。


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