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初陣、いざ参ろう!(1)

 大会当日、恵たちはタープテントの設営をしていた。一泊二日の日程で大会に参加をする。前日からキャンプをしていたチームやロッジに宿泊した参加者もいる。恵たちは、近くの民宿を利用することとしている。宿は古いながらも温泉があり浩一がお勧めしてきた穴場であった。


 早朝出発をして、朝日が昇る前には会場につき、準備をしているのだ。

 大会会場も慌ただしく準備している。天気も快晴で、気分良く走れそうな予感を風が運んでいた。


 初走行から今日まで短期間ではあるが、走り込んできた。朝見校自転車部もひとまずは、チームらしき雰囲気も出てきた。


 準備が終わり、恵たちは早速エントリー受付を行った。プログラムや参加賞、大会協力企業からの試供品が入った袋を受け取った。


「おー、今回はかなりいろいろ入ってそうだな」


 瞬が袋を持った重みから想像をしていた。恵は、何のことかよく分かっていなかったが、重みのある袋になにやら期待が持ち上がった。


 テントに帰ると、ウェア姿の奈美が出迎えた。胸元には()()()()()()()()と記されていた。


「奈美ちゃん、かっこいい!」


 恵が飛び上がって奈美を見た。奈美は、照れながらも同じウェアであることが嬉しくて笑っていた。実は奈美は正式な部員として入部していたが、ウェアができていなかったこととマウンテンバイクの購入が間に合わなかったので、今回の大会には出場していなかった。


 瞬は、袋の中身を見ていた。


「おっ、スポーツドリンクに栄養補給のゼリー、あっ、ご当地銘菓の大福まである。これは血行をよくするマグネットテープ、あれっ、LEDのライトまでついてら。おーっ、これ、北川エレクトロ製だぜ。すごい得した感じ」


 瞬は満足そうにLEDライトを眺めていた。袋の中には、協力企業の試供品や地元の青年団から提供されたお菓子などが入っていた。その中でも、LEDライトはひときわ目を引いた。取り付け部品も付属しており、自転車にも装着できるようになっている。


「北川エレクトロって、あの世界ブランドの?」


 恵がそのLEDライトを見せてもらうと、パッケージには「北川エレクトロ」のネームが記されていた。


 恵も自分のライトを取り出して見ていた。イエローの色が気に入って嬉しくなった。ちなみに瞬はブラックで美樹雄はブルーだ。


 北川エレクトロ。半導体製造の会社である。設立当初は、半導体部品の製造供給をしていたが、現在では自社ブランドの電子機器や家具まで販売している。製造している半導体は世界8割のシェアを誇り、いまや日本を代表するブランド企業である。その影響力は北川がつまずけば、世界の産業の鼓動が止まるとまで言われている。


「間違いないよ。ほら、プログラムの協賛企業に載ってる」

 美樹雄がそう言いながら、協力企業の広告を見せた。

「しっかし、どうしたのかね。日本を代表する一流企業が、地方のマイナー大会のスポンサーになるなんて。誰か有名選手でも出場してるのか?」

 

 瞬は参加選手やチーム名を見ていたが、名の知れた選手はどこにも見あたらなかった。

 


 大会1日目はダウンヒルとスラローム、2日目にクロスカントリーの日程で行われる。まれにトリプルでエントリーする選手もいるが、大抵は得意種目のエントリーとなる。ダウンヒルとは、まさに下りのレース。リフトで山頂まで行き、そこから林道のコースを一気に降りてくるタイムレース。当然コースは、岩場や木の根、カーブにジャンプ台など自然、人工の障害物がある。かなりエキサイトなレースだ。ただ今回、朝見校チームの3名はスラロームとクロスカントリーのダブルエントリーで臨んだ。



「じゃあ、組み合わせ見に行きましょう」

 

 美樹雄が声をかけた。

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