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スチャラカ娘とちゃっかり転任先生(2)

「ふぅあ~、つかれたー」


 三限目終了を告げるチャイムがなったとたん恵は机の上に潰れてしまった。 


(けい)ちゃん、ずいぶん疲れてるみたいね」

奈美(なみ)ちゃん・・・・・・」


 恵は顔を上げると、そばで心配そうに見ている女の子に目をやった。名前は北川奈美(きたがわなみ)といい、自分とは正反対で優しく大人しいタイプの女の子である。そのためかどうかは分からないがこのクラスに入って最初に仲良くなった友達であった。その奈美に向かって恵は潰れそうな目で切々と訴えた。


「私は英語が苦手なのだ。何故に異国の言葉などこの青春期に勉強せねばならんのだろうか・・・・・・おそらく私はこれから先も英語など話す機会はないだろうに」

 

恵はそう言い終わるやいなや机の前に誰かの気配を感じた。


水樹恵(みずきけい)君」


 スッキリとした声に呼ばれ、やおら顔を向けると恵はギョッとしてその主を見た。そこには先ほどの英語の先生でクラス担任の滝宮浩一(たきみやこういち)がいた。


(うっ・・・・・なんだう・・・・・・)


 恵は蛇に睨まれた蛙のごとくその場に固まっていた。


「恵君、昼休みに進路指導室に来るように。話がありますから

 そう言うと浩一は笑顔で教室を出ていった。


「恵ちゃん、どうしたの?滝宮先生笑ってたけど」

「うん、わからん・・・・・・」


 不安そうに見る奈美に対し恵はただボーッとしたまま教室の戸口を見ていた。そして四限目開始のチャイムが教室に鳴り響いた。

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