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41.

 いったい、どうなっているの?


 私が引いたのは、また星の書かれた紙だった。

 どうやって、殿下は私に星の書かれた紙を選ばせているの?

 全く種がわからない。


「どう? わかったかしら?」


「いえ、全然わかりません。もう一度、やってみます」


 また、同じことを繰り返した。

 私が目を瞑り、殿下が紙をシャッフルした。

 そして、私が一枚紙を選んだ。

 その結果はまた、星の書かれた紙だった。


「え、どうしてなの?」


 ネタが全く分からない。

 それから同じことを、あと二回繰り返した。

 しかし、何度やっても、結果は同じだった。


「何度やっても、同じ結果になるなんて……」


 えっと、今まで何回やったんだっけ?

 七回かな?

 えっと、そんなことが起こる確率を計算すると、どうなるの?。


 紙が十枚あって、星の書かれた紙を、七回連続で引く確率は……。


 あ、だめだ。

 思考停止してしまった。


 そういえば学生時代も、こういう場面では思考停止していたなぁ……。


     *


 (※ナタリー視点)


 それからいくら待っても、お父様たちは来なかった。

 

 いったい、どうしてなの?

 この日のために、私は高額の出費をしたのに……。

 閉店時間まで待っても、結局お父様たちは来なかった。

 私は家に帰る途中、サクラの男たちに報酬を支払った。

 そして、家に到着した。


「すまないな、ナタリー。私も今ちょうど帰ってきたところなんだ」


「え、そうなの?」


 私はお父様の言葉を聞いて驚いた。


「どうしても、人と会わなければいけない用事ができてしまって、店には行けなかったんだ」


「なんだ、そうだったの……。何か、トラブルに巻き込まれたのかと思って心配したわ」


「本当にすまない。来週こそは、絶対に行くから」


「ええ、わかったわ」


 私は自分の部屋に戻った。

 そして、大きくため息をついた。


 えっと、ということは……、私が今日サクラを用意するために払ったお金は、完全に無駄だったていうこと!?


 なんてことなの……。

 ただでさえ、赤字を増やさないために無駄な出費を抑えたいのに、完全な無駄遣いをしてしまったわ。

 なんなのよ、これ……。

 こんなのただ、私があの男たちに食事を与えて、さらにお金まであげただけだわ。


 しかし、悲劇はまだ終わりではなかった。

 こんなのは、まだマシな部類だったのだ。

 

 来週になって私は、とんでもない目に遭うのだった……。

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