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25.

 (※ナタリー視点)


「あなたたち、どうやら本気のようね。まったく、信じられないわ……。あなたたちは、雇われているのよ。当然、クビになることだってあるでしょう? その程度のことも覚悟していなかったの? これは仕事よ。仲間同士で楽しむお遊びじゃないのよ」



「ええ、もちろん、わかっています。我々も雇われの身なので、首を斬られる覚悟はいつでもしています。しかし、こんなのは受け入れられません。どう考えても、まともなやり方とは思えません。べつに、クビになった仲間のことを思って言っているのではありませんよ。これだけの人数では、仕事ができる状態ではないと言っているのです」


「そんなの知らないわ。あなたたち現場の人間が何とかしなさいよ。私に責任を押し付けないでくれる?」


 私は腹が立っていた。

 これではまるで、費用削減のための私の方策が、的外れと言っているみたいに聞こえる。


「いいですか? あなたは、現場のことを何もわかっていません。こんなのは、食材もないのに料理を作れと言っているようなものですよ。どれだけ無茶苦茶なことをしているか、わかりますか?」


「私が悪いみたいに言わないで。食材がなければ、自分たちで探して手に入れればいいのよ」


「その食材が、クビにされた仲間たちだと言っているのですよ。ただでさえ、新しい経営者であるあなたの、わけのわからない政策に振り回されて大変なのに、現場の人数を減らすなんて、ありえませんよ! いったい、何がしたいんですか!? これで仕事をしろというのが、どれだけ理不尽なことか、理解してください!」


「うぅ……」

 

 さっきから聞いていれば、好き放題言ってくれるわね。

 まるで、無能な上の気まぐれに振り回されるのは困るとでも言われているみたいだわ。

 私だって、ちゃんと考えて方策を実施しているのよ。


 でも、さすがにボイコットはまずい。

 これ以上売り上げが落ちるのは、店の存続にかかわる。

 費用削減のために人を減らしたのに、また彼らにも給料を払わなければならないの?


 でも、そうしないと、ボイコットされるし……、ああ、もう、私を困らせないでよ!

 あぁ、いったい、どうすればいいの?


 どんどん状況が悪くなっていく。

 クビにした人を、また店に戻すべきなの?

 それとも、私の言うことを聞かない彼らも、クビにしたほうがいいのかしら……。

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