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19.

「助かりました、ありがとうございます」


 私は殿下にお礼を言った。


「すごいですね、屈強な男の人たちを、たった一人で倒すなんて」


「何年もの間、王宮剣術を叩きこまれたからね。体中痣だらけになるほど厳しかったけれど、まさかこんなところで役立つなんて思わなかったわ」


「とりあえず、ここを離れましょう。大勢の男の人が倒れているところに令嬢二人がいる状況を見られると、怪しまれるかもしれません」


「ええ、そうね」


 私たちはこの場を離れようとした。

 しかし……。


「ここで何があったのですか? 大丈夫ですか?」


 兵が一人、私たちのところへ駆け寄ってきた。

 大丈夫じゃないかもしれない……。


     *


 (※ナタリー視点)


 明らかに、経営はうまくいっていない。

 まさかこんなことになるなんて、初めの頃は思ってもいなかった。

 経営の勉強なんてしなくても、勘と才能だけで何とかなると思っていた。

 しかし、それはどうやら甘い考えだったようだ。


 かといって、今から経営の勉強をする暇もない。

 そもそも、最初に一度勉強しようとしてお姉さまの持っている本を読んだけど、まるで頭に入らなかった。

 今なら必死になっている分、やる気もあるから、多少は本の内容も頭に入るかもしれない。

 しかし、今のこの危機的な状況の中で、暢気に勉強をしている暇などない。


 まずは、この悪い状況を変えなければならない。

 ここ最近、設備を増やしたり、新しくお店を開いたりしたのでお金を使い過ぎている。

 最初はすぐに投資した分は取り戻せると思ったけれど、うまくいかない。

 こうなったら、少しでも節約しなければならない。


 できるだけ支払う費用を減らす必要がある。

 どこかに、削減できるところがあるはずだ。

 一番お金がかかるのは、人件費である。

 まずは、人を減らすところから始めよう。


 きっと、何人か減るくらいなら、大丈夫よね?

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