動き始めたなにか
「ルーク!朝よ!祭りに行くんでしょ?!」
そんな母【ミルダ】の大声で目が覚めた。
今日は隣街で千年祭をしているって事で、友だちと出かけてくる日だ。
「おはよう母さん、父さん。」
「おはようルーク、今日はグリーナと隣街に行くのだろう?今夜はお前の誕生日祝いをするからグリーナも呼ぶといい。」
「そうね、グリーナ君も連れてらっしゃい。」
「うん!わかったよ!」
今日俺は16歳の誕生日を迎える。
猟師として4年経ち、1人前として認められ年齢的にも大人になった。
隣街の祭りに友人と出かけるのはちょっとした自分への御褒美を兼ねている。
両親とご飯を済ませ、日課のトレーニングを済ませ川で汗を流して友人と合流する。
「ルーク!!待たせたな!!」
「俺も今来たとこだよ!グリーナ!」
女性のような長い赤い髪を肩で結んで前に下ろしてる美青年が俺の友だちのグリーナ。
彼も猟師として共に行動する仲であり、彼の弓は狙った獲物は必ず射抜く程の腕前。
近接武器は剣鉈を使うほど武骨なのだが素顔は村1番のイケメン、ちなみに超がつくほどのシスコンだ。
「今日は馬車で行く手筈だったけどグリーナは酔い止めしてきた?」
彼は船や馬車と言った揺れる乗り物には耐性が全くなく、酔い止めの薬を飲まなかった日は走ってついてくるほど。
「ぁあ、、、今日という今日は楽して隣街について祭りを楽しまないとな!」
そうだね、っと笑いながら馬車を待ち、隣街に向かっていった。
隣街は村の何倍もの大きさのある街で俺たちはここで開かれる色んな祭りを楽しみにしてきた。
街制施行千周年ともなると王都のお偉いさんや大きな雑技団から色んな有名鍛冶屋、アイテム商会、美味しい出店も沢山集まっている。
猟師である俺らは有名鍛冶師が打った武具を見て周り
狩りに使えそうなアイテムを狩の参考にしたり、色々な収穫を得た日になった。
「いやー、ルークの親父さんが持ってた剣並に性能の良さそうな武具店だったな!」
たしかに!頷いて彼に返したが
俺の父さんは昔魔王と呼ばれた強敵を母さん含めたパーティーで封印した事で有名だ。
そんな父さんが愛用している剣と同等の物だと考えると相当レベルの高い鍛冶師だったんだな、と思い返した。
そして、思うことは父たちのこと。
父達が魔王を封印してからこの世界はモンスターの凶暴性がなりを潜めていき、平和な世界になっていた。
しかし、最近の狩りでは安全地帯だと思っていた場所に危険度の高いモンスターが目撃されている。
父は訝しんでいたが、封印されてる魔王には何も出来ないと言っていたので、警戒だけ強めて狩りを続けて行く方針だ。
「ルーク!あっちの方で1000周年記念建造物があるんだってよ!」
「行ってみようか!、、ッ?!」ドンッ....チャリーン
グリーナが声を掛けてきたので振り返ると街の人にぶつかってしまった。
「すみません。怪我はありませんか?」
そう手を差し伸べた先にいる女性を見返すと鎖骨程度まで伸びた綺麗な金髪に整った顔立ち、女性らしい胸にぴちっとした服を着てクビレが分かるベルトをつけてショートパンツから見える生足は綺麗な肌をしていた。
「ッ!!///」
とても可愛らしいこの見た目に一目惚れに近い感情を持ちつつも
ぶつかってしまった申し訳なさですぐ我に返り、彼女をたちあがらせることにした。
「大丈夫です、こちらこそ不注意でした。、、、ッ?!ペンダントがない!!」
そう言えば先程物音がしたな、、確か彼女の後ろの方から
「これかー?すごい高価なもの持ってんのな。」
「グリーナ!拾ってくれてありがとう!これですよね?見つかって良かったです。ぶつかって本当にすみませんでした。」
それじゃこれで、と立ち去ろうとした時に
「おい!隣村が燃えてるって!!」
「さっき商人が、、、」
「もう手遅れかも、、、」
「こんな日になにが、、、」
「!!グリーナ!!村に急いで戻ろう!」
「ぁあ!じゃあお嬢さん気をつけて歩きなよ!」
俺たちは村への馬車が出て居ないので走って戻ることに。
(父さん母さん、、無事でいてくれよ、、!!)




