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第5話


どうも、山田です。

まだクソガキなのにとんでもない運命を背負ってる可哀想なやつです。


この度、誰かに会うことも無く、直接モンスターを倒したわけでもなく、チュートリアル途中でレベルが2も下がりました。



「お!ま!え!なぁ!!」


「こっちが言いたいわ!殴っても死なないしダメージもないんだから殴んな!ぼけ!!」


「うるせぇ!!さっきからなんで色々と言わねぇんだよ!

魔王に勝たせる気ある?ないよね!」


「聞かねぇからだよ!

それに私は単なる精霊だ!人間が滅ぼうが魔王が侵略しようが、ゆーすけの世界がどうなろうが興味なんかないわ!」


「こんの、人でなし!」


「はい!私は精霊!大正解!」



くっっっっっっそムカつく!!!


いや、落ち着け。

まだレベルは298。魔王よりも遥かに高いチート段階だ。焦ることは無い。

もう、やめ。スキルのテストも魔法のテストもやめだ。



「腹減った」


「そーですか」


「街まで行きたい」


「そーですか」


「場所言えよ」


「自分で調べろ。ドアホ」



くっそ!

なにが知識補填だ!役に立ちもしない!

どうせならグー○ル先生みたく無機質な感じがよかったわ。


パッシブの飛翔スキルで空を飛ぶ。

どんな感じかなと思ってたら……思ったよりしょぼい。エレベーターで上がったかんじ。



「ゆーすけが上に昇るイメージしかしてないからだって。もっと、イメージイメージ」


「な、なるほど」



つかお前こういう時だけアドバイスすんのな。サイテー。



「教えたいときもある」



気まぐれ精霊は置いといて、言われたようにイメージしながら飛んでみる。

頭にうかべるのは玉数個集めたら願いが叶う某有名漫画である。



「お、おお!」



なんて言えばいいだろうか。

下り坂を自転車で駆け下りたような爽快感が全身を包み、その上で疲れるなんてことがなく、重力軽減のスキルのおかげで重さも感じない。

楽で気持ちよくてその上はやい!最高のスキルだ。



「異世界さいこーーー!!!」


「ちょれぇな」



うるさい。とにかく最高だ。最高で最高な最高だ!

重力軽減のおかげで体が羽のように軽い。これを無効にすると、ジャンプするだけで遥か彼方に飛んじゃうんだろうから、やっぱ軽減くらいでちょうどいいな。体が軽いくらいでいいや。



「ちなみに翼取得スキルもあるけど」


「あー、ほんとだ」


「翼だと速度の緩急は付けやすいけど、翼は動いてんだから疲れやすいよ。あと空中で止まっとくのもバッタバッタしないといけない」


「そりゃきつそうだな」


「ゆーすけみたいに重力軽減して飛翔スキル使う方が確かに便利ではあるだろうね。普通はそんなスキル連発できんし、パッシブ枠埋める訳にはいかんから無理やろうけど。速いし、疲れんし、その二つの組み合わせはありだと思うけど、パッシブにするほどじゃないと思うわ」


「いつでも飛べる自分でいたい」


「それなら止めんけど」



スキルを発動させるには体力がいる。継続時間はスキルごとに異なり、クールダウンタイムもある。

だから常時使っていたいスキルはパッシブにすべきなのだ。



「あと霊体殴りスキルもさ」


「その話はいいんだよ」



パッシブスキルは1日毎に変更できる。だから精霊が何を言おうが今日は変更できないのだ。



「……………って、ん?」



目下にちらりと何かが映る。

五感強化スキルのおかげで、視力もありえない程に良い。雲の下に街が見えたのだ。



「初めての!街!」



一気に急降下する。

異世界初めての街、そして人間に出会えるだ!



「身分証は?」


「………はい?」


「身分証は?」



入れませんでした。



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