表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/41

第3話


僕は山田です。

このくだりは飽きたのでやめようと思う。


異世界に来てからそんなに時間は経っていないけど、たくさんわかったことがある。


まずはレベルについて。

レベル差があると高い方が勝つ。この世界はそういう仕組みになっている。理由は後述する。

レベル上げの方法は、モンスターを倒すこと。それ以外にはない。

レベルが上がると上昇するのは、体力と魔力のみ。ゲームのように、攻撃力とか素早さ、防御なんて値はない。

まじかよ!防御もねぇのかよ!?ってクレームを起こしたけど



「はぁ?じゃあ防御力が高いやつって、足に刺さったトゲにも気づけないわけ?思いっきり突き刺した槍を跳ね返しちゃうわけ?んなわけあるか、ばーか」



と、至極真っ当な意見を返されてしまった。

そりゃそうだ。うん。刃物を跳ね返す肉体なんて想像しかできない。


ということで、レベル上げの特典はぶっちゃけしょぼい……ということでもなく、レベルが上がる事にスキルと魔法を取得できるのだ。

人間はそのスキルや魔法を使って魔王やモンスターに挑んでいる。

そのレベルが最大値である僕は、全てのスキルと魔法が使えるし、体力魔力ともに最大値だ。だが、レベルが下がるにつれて、体力とかもがだんだんと下がり、スキルとかも使えなくなっていくことになる。



「いや、スキルも魔法も忘れんよ」


「え。まじ?」


「まじまじ。そこは女神さまに感謝しな」


「……つってもレベル高い相手に意味ないんだろ?スキルも魔法も」


「うん」



そして最後。レベル差があると勝てない件について。

これは、自分より高いレベルの相手にはスキルも魔法もまったく効かないからだ。

200レベルの魔王に人間が勝てないわけも同じ。

単純な肉体的な技術や筋力で戦うことで勝つこともできなくはないらしいが、スキルと魔法なしで戦えるほど、この世界は甘くない。

ましてや魔王なんて夢のまた夢だ。



「1レベルでも差があったら無理なのかよ」


「いーや。スキルと魔法の無効化は10レベ差から」



ということならしい。


次に魔法とスキルについて。簡単に言えば、魔法は自分以外に何かする系で、スキルは自身強化系だ。

さっきの霊体殴りなど、霊を殴れるようになったり、純粋な筋力増強なとがスキル。

攻撃魔法とか召喚魔法は名の通り魔法だ。



「はい。精霊さん」


「なんでしょう」


「自分に魔法をかけることが出来ないということは…回復魔法はないんですね!」


「そだね」



そう。頭の中のスキルリスト、魔法リストを見ても大事なこの魔法がないのだ。

まったく何処までも辛い世界だ。



「スキルは、筋力増強に速度上昇…。五感鋭敏化に狂戦士とかもあるのか。つーかこのパッシブ枠って何?なんか勝手に筋力増強入ってんだけど」


「よく気づきました!

パッシブ枠ってのは50レベルごとに手に入る常時発動のスキルだよ!だからゆーすけの場合は六枠あるはず」



なーるほど。だから木がすっ飛んだわけだ。見た目に出てないけど、勝手に筋肉マッチョになってたのね。

レベル差がある相手に勝てない理由がよくわかった。魔法が効かない上に、筋力増強とかまでなくなるんじゃあ相手になるわけがない。


ということで、パッシブスキルを選びましょう。

これは1日に1回しか変えられません。



「まずは霊体殴り」


「ちょちょちょ!要らんだろ!それ要らんから!私、殴られても死なんし、痛いだけなんだけど…」



何を言うか。敵にお化けがきたらどうする。霊体になるスキル使って寝首かかれたらどうする。

その時対処するには、霊体に攻撃できるこのスキルが重要だ。



「いや、ここ始まりの町だから雑魚しかいないんだけど…」



よし。次だ。

筋力増強、これはなし。物壊しそう。

速度上昇、これもなし。事故る。

まぁ五感強化はいるかな。気づかずに死ぬとかやばいし。設定と。

他にはー……



「空を飛べるのは、ロマンです」


「あっそ」



飛翔スキル、オン。

重力無効…じゃなくて軽減にしよう。オン。

あと2つか。よし、これとこれで。



「オッケー」


「まじで霊体殴り残しやがったコイツ…」



さぁ次だ。

次は魔法のテスト。


これほどロマンに溢れたものはないだろう。

しかも今の僕は無双チート状態(今だけ)


魔力も上限値。

魔法も無限。


1発でかいのやってみたいくないか!?やってみたいよね!!



「ここなら大丈夫だろう」



少し移動して平原に移動する。

人もモンスターも見当たらない。


これならでかいのぶっ放してもいいだろう。



「では…」



僕は最強魔法を思い起こす。

叫ぶのには恥ずかしすぎる名称だけど、言わねばならないのだから仕方ないのだ。



「メテオストーム!!!」



天に浮かび、そして降り注ぐ隕石。

真っ赤に燃えたそれは次々と大地にぶつかり、大穴と爆発と大きな炎を上げた。


[経験値:03を失いました]

[経験値:14を失いました]

[経験値:41を失いました]

[経験値:05を失いました]

[経験値:09を失いました]

[経験値:16を失いました]



「ストーーーーーーーーップ!!!!」



あらん限りの声を張りあげ、魔法を中断……することはできないから、違う魔法を空へと放ちまくる。狙うはもちろん僕が作った魔法にだ。



「おい!」


「なに?」


「なんで経験値さがったんだよ!」


「ちっちゃいモンスターがいたんでしょ。虫型モンスターの幼虫とか、下等な精霊とか?」



な、なんだって。



「言えよ!」


「スキルにモンスター探知ってのがあったでしょうが。それをつけないゆーすけが悪い」



な、なんと。

魔法のテストごときに経験値がいくつも下がってしまった。

しかも完全ランダムだ。ほんとに。

え、えーと。たしか100経験値下がったら1レベル下がるんだから…



「現在、300レベルと、3経験値…」


「スライム1匹殺したら下がりそうね」



ふぁ○く!!!!

まじでありえない。

魔法のテストすらできん。

モンスター感知か。確かに必要だな、こりゃ。



「スキル:モンスター感知」



視界はモンスターだらけになりました。



「何だこの世界はぁ!!!」


「いやー、まじで魔王強いってか人間弱くてね」


「むしろなんで人間滅んでないんだよ!」



視界には赤点だらけで、のどかな草原が焼け野原になっている。

ありえない。

こんなの集団で襲ってこられたら確実に人間は滅ぶ。



「まぁ、魔王にやる気がないからねー」


「じゃ滅ぼさなくて良くない?」


「次の魔王は好戦的みたいでね。人間は詰んでるんだよ」


「ほ、ほう」



精霊曰く、魔王は次の代になるときに力を継承するのだという。

つまりはレベルを。

魔王、チートだね!!



「ただ、レベル高いと、強いやつ倒さないと経験値も入らないからさ。魔王のレベルも上がんないんだよ」


「……待てよ。その仕様なら僕がやられたら」


「うん。レベルアップするだろーね」



…………うん。考えまい。

負けたらどうなるかなんて考えるには重すぎる。


うん、やめよう。



「ってかそれなら下がる経験値もなしにしろや」


「それとこれとは話は別」



うん。パッシブスキルの霊体殴りは外せないこと確定。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ