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時間旅行が可能な世界で

作者: おしお

 

 彼は毎朝同じ時間に起きて同じ色のスーツを着て出勤する。毎日がルーティーン、決して変わることがない。出勤して彼は自分の席に着き、何も入っていない大きな水槽を見ながらいつもの業務を始める。ただ過去から現在に引かれる直線のグラフを監視して、異常があればその時間に赴き問題を解決する事が仕事だ。


 今日も今日とて異常は発生しないわけではない。タイムトラベルをする際はその時間の住民との接触は禁止されている。だが、過去の禍根を絶ちたい者は世の中が発展したとしても減りようがない。彼はいつものように問題があった時間へ赴いた。


 1988年、東京の足立区へやってきた。問題があった点へ移動すると何やら面倒なことになっている。路地裏にてバラのよう体中が咲いている4人の青年の死体と息を荒上げている老人がいた。老人は息を落ち着かせながら自分の時間へと帰った。


 残るは死体の山だ。彼らが生きていなければ異常は回避できない。例え、彼らが老人にとって生きるに値しない人であっても、バタフライエフェクトで現在が変わる可能性がある。ただ、死体を蘇らせる術はない。


 老人と入れ替わりに年老いた彼が現れた。詳細に述べれば彼と裸の青年の4人組の体である。2人の彼は協力してその裸の4人組に服を着せて死体の脳の記憶を迅速に移植した。その後、死体の頭髪を一本ずつ抜き、死体を隔離して二人の彼らは自分の時間へ帰っていった。彼は職場の4つの大きな水槽に頭髪を一本ずつ入れてクローンが生成されるのを待った。

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