♪ 3.集落 2 ~ 会いたい……かな?? ~
セロフィート
「棘等ないです。
『 危険な害虫 』とは勿論、ワタシ以外のマオに近付く人間です」
マオ
「…………めっちゃ棘含んでんじゃんかよ!!」
セロフィート
「そうです?
其より、マオはオルタシさんに会いたいです?」
マオ
「…………。
( 『 会いたい 』なんて言ったら、セロ…機嫌悪くするかな…。
言ったら駄目な気がする…けど……。
セロの顔色ばかり窺って返事するのはなぁ……。
よしっ!
此処は1つ──!! )
折角だし、会えるなら会いたいかな!」
セロフィート
「そうですか。
マオが望むなら会わせてあげましょう」
マオ
「へ??
会わせてあげましょう??
何だよ其……。
──っていうか、怒んないのかよ?!」
セロフィート
「はい?
何故、ワタシが怒ります?」
マオ
「『 何故 』って……。
だってさ、オレ…『 会いたい 』って言ったんだぞ!
怒らないのかよ??」
セロフィート
「はぁ?
そんな事で怒りません。
第一、マオには髪の毛1本すらも触れさせませんし。
ワタシが傍に居ます。
マオは安心してください」
マオ
「( ……うわぁ…。
此、絶対にオルタシさんにも何かしちゃってるパターンなんじゃないのかよ?!
セロの奴〜〜〜。
油断も隙も無い奴だな…。
何したんだよぉぉぉぉおおおおおおお!!!! )」
セロフィート
「先ずは次の≪ 集落 ≫へ向かいましょう」
マオ
「今からオルタシさんに会いに行かないのか?」
セロフィート
「マオ、ワタシ達は10月迄に≪ 王都 ≫へ着かなければなりません。
悠長に旅をしている時間はないです」
マオ
「……分かったよ。
次の≪ 集落 ≫へは、どのくらい掛かるんだ?」
マオは昨夜セロフィートから手渡された地図を広げると、次の≪ 集落 ≫迄の距離を見てみた。
地図の隅には、1cmが100kmと書かれている。
人間の徒歩で約32時間半──、約1日と8時間半くらいだろうか。
0.5cmが50kmとなる為、人間の徒歩で約16時間15分──、約半日と4時間15分くらい掛かる事になる。
10kmならば、人間の徒歩で約3時間一寸掛かる。
15kmなら、約5時間。
18kmなら、約6時間半。
20kmなら、約7時間半。
30kmなら、約8時間45分。
マオ
「ええと……。
昨日の《 キャンプ地 》を出たのは朝の8時頃で、着いたのは夕方の17時頃だったよな?
《 キャンプ地 》から今居る≪ 集落 ≫迄は約9時間掛かったわけか…」
セロフィート
「マオの食事休憩を省くと、実質は8時間半程です。
今から次の≪ 集落 ≫へ向かうなら着くのは16時頃です」
マオ
「今は9時前だから、7時間一寸歩けばいいんだな」
セロフィート
「マオの食事休憩を取るので、実質は6時間半程です」
マオ
「6時間半か…。
1時間分近いんだな」
セロフィート
「行きましょう」
マオ
「うん…(////)」
セロフィートに手を握られたマオは、照れながらセロフィートの後に続いて≪ 集落 ≫を出た。