♪ 2.キャンプ地 17 ~ 作り放題 ~
セロフィート
「〈 古代魔法 〉を使えば出来ます」
マオ
「えっ?!
〈 魔法 〉でそんな事が出来るのか??」
セロフィート
「〈 原質 〉を〈 原質の源 〉へ変換させる事は簡単です。
ですが…〈 原質の源 〉で物体を構成させる為には、+α の力が必要です。
其の +α の力が〈 古代魔法 〉です。
〈 古代魔法 〉を通して〈 原質の源 〉を物体を構成させます。
〈 原質の源 〉と〈 古代魔法 〉さえあれば簡単に──」
セロフィートはマオの前に手を出すと〈 古代魔法 〉を発動させた。
セロフィートの掌の上に〈 原質の源 〉が集まる様子がマオの目には見えていた。
肉眼では見えない〈 原質の源 〉だが、人形と〈 契約 〉して人間ではなくなったマオにも見れる様になったのだ。
セロフィートの掌の上に集まった〈 原質の源 〉が一点に集約されていく。
セロフィート
「──ほら、此の通り。
美味しい林檎を作る事が出来ます」
集約されていた〈 原質の源 〉を林檎に構成された瞬間だった。
セロフィート
「此処で使っている物は総て此の様にして作ってます。
必要が無ければ、瞬時に〈 原質の源 〉へ変換させる事が出来ます。
とても便利です」
セロフィートが言う間に掌の上にあった林檎が〈 原質の源 〉へ変換され消えた。
折角作った林檎なのに何だか勿体無い光景だ。
マオ
「今の林檎さ…食べれたよな?」
セロフィート
「食べたかったです?
もう1度作ります?」
マオ
「……………………いいや…。
未だ料理が残ってるしな…。
──此処にある物全部、買い揃えた物じゃなくて、セロが〈 原質の源 〉で作った物って事でいいのか?」
セロフィート
「そうです。
マオの為に用意した衣類も履物もワタシの着ている衣類もコートも総て〈 原質の源 〉で構成しました」
マオ
「………………凄いんだな…」
セロフィート
「人間も動物も作れます。
動かない唯の入れ物に過ぎませんけど…」
マオ
「え゛?!
人間や動物迄作れちゃうのかよ?!
…………どんだけ〜〜〜〜……」
セロフィート
「生物の肉体を作れなければ、新鮮な肉も魚を食べる事は出来ませんし。
肉体は作れても魂は作れません。
悪用しませんし、セーフです」
マオ
「…………オレには何がどうセーフなのか分からないけど…。
『 魂は作れない 』ってのには、一寸安心したよ…」
セロフィート
「便利なだけで万能ではないですし」
マオ
「…………水にも食糧にも生活必需品にも困らないから快適な旅が出来るわけだよな。
……………………彼のさ…もしかしてだけど……硬貨迄作れちゃう──って事はないよな??
万能じゃないんだから、出来ないよな?」
セロフィート
「出来ます」
マオ
「出来ちゃうのかよ!!
犯罪だよ!!」
セロフィート
「盗んでないです。
犯罪にはなりません。
抑、態態作る必要無いですし」
マオ
「???
どういう事だよ?」
セロフィート
「価値ある貰い物を相応の値段分の硬貨へ変換出来ます」
マオ
「………………は?
どゆこと??」
セロフィート
「実演しましょう。
──此処に純金で出来た『 黄金の聖杯 』があります」
セロフィートの掌の上に〈 魔法陣 〉が現れると、見た事の無い『 黄金の聖杯 』が〈 魔法陣 〉の上に現れた。
マオ
「何でそんなの持ってんの?!
どっから盗って来たんだよ!?」
セロフィート
「盗ってません。
此は…過去に『 さる王族 』を助けた後に、友好の証として貰った聖杯です」
マオ
「へ…へぇ……??
王族を助けた事があるんだな……」
セロフィート
「──路銀が底を尽きて困りました。
手元には此の『 黄金の聖杯 』しかないです。
ですが…此のままでは金銭として使えません。
金銭として使う為に『 黄金の聖杯 』を硬貨へ変換させます。
『 黄金の聖杯 』の価値に相応する硬貨へ『 黄金の聖杯 』が変わります」
セロフィートの言葉が合図となり、マオの目の前で『 黄金の聖杯 』は瞬く間に10.000Q金貨へと変わった。
人間の決めた様々なルールを無視した何でもかんでもやりたい放題が出来る旅人のセロフィートとマオなのでした。
セロフィートの出来る事は、全てがアウトの気がする…。
許される内容なのかは別にして、ファンタジーだから出来る事?