♪ 1.キャンプ地 8 ~ 万能な魔法はない ~
セロフィート
「マオも〈 鍵 〉には触れません」
マオ
「えぇ?!
そうなのか??」
セロフィート
「そう言いました。
ワタシにも触れないです。
マオにも触れません。
〈 鍵使い 〉ではない者には、光の反射で見える虹と同じです」
マオ
「…………そっかぁ……」
セロフィート
「残念です?」
マオ
「…………まぁな〜〜〜」
セロフィート
「いい子、いい子……」
マオ
「バッ…止めろってば!
直ぐ、子供扱いするんだもんな!
オレ、もう18なんだぞ!」
セロフィート
「そうでしたね…」
マオ
「其処!
笑う所じゃないだろ!!
何だよ、もう!」
セロフィート
「はいはい。
出会った頃と背丈は変わりませんけどね」
マオ
「るせっ!
…………うぅ〜〜…。
来ると思ってた成長期は来なかったし…!!
セロと契約したから、歳も取らなくなったし、老けなくもなったけどさ…。
成長迄止まるなんて…!!
オレの背、伸びないじゃんか〜〜!
ずっ〜〜〜と、此の身長のままなんだろ?
あんまりだ……」
セロフィート
「安心してください、マオ。
成長と老化は別物です。
老化は止めても、成長は止めません。
人間より成長速度が遅くなるだけで成長はします。
背が伸びるかは別問題ですけど…」
マオ
「別問題って……。
背が伸びないなら、成長したって意味無いんだよっ!!」
セロフィート
「此ばかりは、どうしようもないです」
マオ
「ぅうう〜〜〜。
………………あっ、そうだ!!
〈 魔法 〉で背を伸ばすとか!
セロの〈 古代魔法 〉でオレの背、伸ばせないかな?」
セロフィート
「〈 久遠実成 〉には、人間の身体は飴細工です。
〈 久遠実成 〉ならば、人間の身体を如何様にも変化させる事は出来ます。
然し、其と同様な事を〈 古代魔法 〉でする事は出来ません。
〈 古代魔法 〉は、あくまで『 便利魔法 』であって、万能ではない事を忘れないでください。
直接怪我を治す事も、病気を治す事も、寿命を延ばす事も、不老にする事も、不死にする事も、死者を蘇らせる事も、人の心を操る事も出来ません。
…………盗聴も出来ませんし、身体を自在に変形させる事も、時間を戻したり、過去世界へ戻ったり、未来へ行ったりする事も出来ません。
結構、出来ない事は多いです。
他にもありますけど、上げるとキリがないので止めときます」
マオ
「………………そうなんだ…。
あ、でもさ…『 直接怪我を治す事も、病気を治す事も出来ない 』って、どういう事だよ?
〈 魔法 〉で回復させたり、怪我や病気の治療をしてる所、見た事あるけど?」
セロフィート
「ははぁ…其を言いますか」
マオ
「な、何だよ…」
セロフィート
「〈 古代魔法 〉にも出来ない事が〈 元素魔法 〉で出来る──と本気で思います?」
マオ
「…………出来ないのかよ?」
セロフィート
「回復出来るのは、あくまで〈 体力 〉だけです。
怪我や病気を治癒している訳ではないです。
『 怪我や病気を治癒する 』と言うよりも、生物に与えられている本来の〈 治癒能力 〉の促進を〈 魔法 〉を使い促し、高めているだけです。
〈 治癒能力 〉が高まれば、怪我を治す治癒力も、病気を治す治癒力も上がります。
傷の塞がりも、治りも早まります。
病気に依っては完治する場合もあれば、重い病気が、別の軽い病気に転換する場合もあります。
病気に関しては、決してしてはいけない事です」
マオ
「ん?
何でだ?
病気が完治するなんて、凄い事じゃんか!
人助けになるじゃんか」
セロフィート
「マオ…。
病気も〈 久遠実成 〉が使われる道具の1つです」
マオ
「はぁ?
道具??」
セロフィート
「〈 久遠実成 〉は衆生を救う為の手段として、人間が好まない『 あらゆる苦 』を道具として使われます。
形而下的な対処を疎かにしてはいけません。
何事にも応急処置は大切です」
マオ
「何で救う手段に態態『 苦 』を使うんだ?
救う為ならさ、何も『 苦 』じゃなくたっていいんじゃないのか?」
セロフィート
「形而下的な最善を尽くしても手の打ち様が無くなった時、人間は最後の最後に何にすがります?」
「21」は投稿前に誤って削除してしまったので、書き直し中です。
書け次第、投稿させていただきます。




