♪ 1.キャンプ地 6 ~ 睡眠は必要 ~
──*──*──*── 7分50秒後
マオ
「セぇ〜〜〜〜ロぉ〜〜〜!!!!」
セロフィート
「はい?
おや……。
随分と早いお帰りですね。
どうしました?」
マオ
「『 どうしました? 』じゃ、ないよっ!!
何がオレの実力に合わせた怪物が出て来る──だよ〜〜!!!!
メッチャ強いじゃんか!!
オレ、手も足も出なかったんだけどっ!!
どういう事なんだよ〜〜〜〜!!
説明しろっ!」
セロフィート
「はて?
そんな筈ないです」
マオ
「そんな筈あったから言ってんだっ!!
特に地下5階に居た怪物とか!!
何だよ、彼の強さはっ!!
あんなの反則だ!!」
セロフィート
「あぁ…中ボスの事ですか」
マオ
「中ボスぅ??
何だ、其??」
セロフィート
「5階毎にフロアへ置いたフロアマスターです。
10階毎にもフロアボスを置いてます」
マオ
「はぁぁぁぁあ?!
マスターって何だよ!
何で、そんなの置いてんだよ!
要らないよ!!」
セロフィート
「≪ ダンジョン ≫攻略を楽しくする演出です。
日頃、頑張っているマオへサービスしました」
マオ
「本当に要らないサービスだな!!
全然、楽しい演出になってないし!!」
セロフィート
「そうです?
フロアボスに勝てる様に実力を付けてください。
フロアマスターを50回倒せれば、フロアボスに一撃くらいは──」
マオ
「ふざけんなっ!!
何だよ『 フロアマスターを50回倒せたら、フロアボスに一撃 』ってさ!
フロアボス、メッチャ強いじゃん!!」
セロフィート
「≪ ダンジョン ≫に飽きない様にと考えた工夫です♪」
マオ
「……………………基礎体力トレーニングしてる方がマシだよ…」
セロフィート
「≪ ダンジョン ≫は気に入りません?」
マオ
「…………あ、いや…そうじゃなくて…だな(////)
もう少し、フロアマスターとフロアボスの強さを弱めしてほしいっていうか(////)」
セロフィート
「ふふふ…。
検討しときます」
マオ
「直せよ…。
…………はぁ…何か…どっと疲れた気がする。
あぁ〜〜〜〜っ!
風呂に入りた〜〜〜いっ!!」
セロフィート
「必要無いですし」
マオ
「分かってるけどさ…。
偶には入りたくなるだろ?」
セロフィート
「そうです?」
マオ
「オレは、そうなの!」
「 ん〜〜〜〜っ! 」と両手を上げると大きな背伸びをする。
マオ
「──はぁ…。
でもさ…〈 原質の源 〉って凄いよな〜。
どんなに動いても汗かかないし、汚れても何時の間にか綺麗になってるし、怪我しても知らない内に治ってたりするしさ。
体臭だってしないもんな〜〜。
風呂に入る必要が無くなったのは楽だけどさ…。
服はさ…洗わないとだけど……。
そう言えばさ、セロの着てる衣服は何時見ても綺麗だよな〜〜。
何でだ?」
セロフィート
「ワタシの身に着けている衣服は、マオの着ている衣服と違って特殊ですから。
マオも欲しいです?」
マオ
「…………ほ、欲しい…かも……(////)」
セロフィート
「はいはい。
明日の朝迄に用意しときます」
マオ
「有難な、セロ(////)」
セロフィート
「ふふふ。
マオの為です」
マオ
「…………うん(////)」
セロフィート
「マオ、そろそろ寝てはどうです?
23時も過ぎてますし」
マオ
「え?!
もう、そんな時間なの?
──でもさ、セロは寝なくてもいいんだろ?
だったら、オレだって寝なくてもいいんじゃないのかよ?
もう、人間じゃないんだしさ!」
セロフィート
「マオは寝た方が良いです。
マオは人形とは違います。
睡眠はしてください」
マオ
「……そう、なのか??」
セロフィート
「マオは〈 原質の源 〉を自動的に体内へ取り入れ、蓄積させる事が出来ません。
飲食物から取り入れる〈 原質の源 〉は、少ないです。
少ない〈 原質の源 〉を節約するには睡眠を取るのが1番です。
睡眠は〈 原質の源 〉の減少をある程度抑えてくれます」
マオ
「そ、そうなんだ…」
セロフィート
「何処で寝ます?
マオの寝たい場所にベッドを出しましょう」
マオ
「そうか?
え〜と……じゃあ…………星が見える場所がいいな(////)」
セロフィート
「はいはい」
セロフィートはクスクスと笑いながら〈 古代魔法 〉を発動させた。
〈 魔法陣 〉が現れると、星空が見える場所にベッドが出て来た。
セロフィート
「マオ、どうぞ」
マオ
「ありがと…(////)」
ブーツを脱捨てたマオは、ベッドに飛乗った。
セロフィート
「マオ、脱いだブーツは揃えてください」
マオ
「あ…(////)
あははは…(////)」
マオは顔を赤らめると、自分が脱捨てたブーツを揃えた。
マオ
「──わあっ!!
綺麗な星だな〜〜〜!!
セロ、見ろよ!
星が川になってるよ!!
本当に水が流れてる様に見える!
凄く綺麗だよ!」
セロフィート
「はいはい。
見てます」
マオ
「………………本読んでて『 見てます 』はないだろ!
空見てから言えよ!!」
セロフィート
「星空は見飽きてますし」
マオ
「…………そうかよ…」
セロフィート
「マオ、怒らないでください。
ははぁ…。
マオはワタシと星空を見たいです?」
マオ
「はぁぁあっ?!
違うしっ!!」