♪ 1.キャンプ地 4 ~ 楽しい夕食 2 ~
セロフィート
「……マオ…マーフィの反応は…どうでした?」
マオ
「反応か〜?
悪くは無かったよ。
マーフィは味付けには煩さい方だけどさ、気に入ってもらえたみたいで、ホッとしたんだよな〜〜。
やっぱさ、使ったチーズが良かったのかな?
肉が無い時は大体『 餃子モドキ 』を作ってたな〜。
ホウレン草が無かったら他の葉野菜で応用が出来たからな!
あははっ」
セロフィート
「………………」
マオ
「な…何だよ?
黙りか?
もしかして…マーフィが『 気に入ってる料理 』ってのが気に入らないのか?」
セロフィート
「…………違います」
マオ
「じゃあ、何だよ??」
セロフィート
「マオ、此方の料理は何です?」
マオ
「ん〜〜〜?
あぁ、此は『 キャツベロール 』だよ。
葉野菜のキャベツを茹でたら、肉種を巻いて、深目のフライパンの中に入れるんだ。
特製のスープでコトコト煮込む簡単な煮込み料理だよ。
因みに此方のは『 ハッサクロール 』って言ってな、葉野菜のハッサクを茹でたら、肉種を巻いて、アルミパンホイルの上に、白身魚とキノコ類を一緒に入れて、包むんだ。
フライパンの中に入れて蒸した簡単な蒸し料理だよ」
セロフィート
「美味しいです。
マオ、お代わりします」
マオ
「分かった。
入れて来るから待ってろな」
セロフィート
「はいはい」
──*──*──*──*──
セロフィートはマオが作った手料理を堪能し、残さず食べ終えた。
セロフィート
「マオ、御馳走様です」
マオ
「お粗末様!
オレは、片付け始めちゃうな」
セロフィート
「はいはい。
マオ、お願いします」
椅子から腰を浮かせたセロフィートは、食卓の上に置いてある食器類を触る事なく其のままにして、ソファーベッドへ移動した。
ソファーベッドに腰を下ろしたセロフィートは、閉じた状態でソファーベッドに置いていた読み掛けの本を手に取ると再び読書を始めた。
セロフィートは食べるだけ食終えても、後片付けは一切手伝わない。
そんなセロフィートに対して、マオは文句を一切言わず、責める事も一切しない。
何も言わないマオは、1人でテキパキと後片付けを進めている。
本来ならば、いちいちマオが後片付けをする必要は無い。
セロフィートが〈 古代魔法 〉を使えば、食器類も調理台等も、一瞬で綺麗に片付けられるからだ。
然し、マオはどうしても自分の手で後片付けをしたいのだった。
調理台の片付けを終え、食器類を洗いながら、マオは明日の朝食に『 何を作ろうか 』と献立を考えていた。
後片付けが終わると、マオは食後の運動宜しく日課となっている基礎体力を鍛えるトレーニングを1人で始めた。
みっちり3時間の基礎体力トレーニングを終えたマオは、大きな背伸びをしながら、セロフィートの座っているソファーベッドへ向かう。
セロフィートの背後に立ったマオは、何時もの様にセロフィートの首元へ両腕を回すと、背後からセロフィートへ密着し、ギュッと抱き着いた。
マオ
「セ〜〜ロ!
今日は、どんな本を読んでんだ?」
マオの頬を撫でる様に触れるセロフィートの柔らかい髪が、マオには心地好い。
マオはセロフィートの髪に頬擦りをしながら、どんな本を読んでいるのか尋ねた。
此もトレーニングを終えたマオの日課の1つだ。
マオ
「ん〜〜〜??
なぁ、セロ…。
其ってさ、何て書いてあるんだ?
見た事の無い文字なんだけど?」
セロフィート
「此の文字は暗号文です」
マオ
「暗号文??
何の暗号なんだ?」
セロフィート
「今から…400年程前の〈 魔法使い 〉が考案した暗号文です」
マオ
「──は??
……よっ…400年前の〈 魔法使い 〉が考えた暗号文??」
セロフィート
「そうです」
マオ
「………………そんな昔の暗号文が分かるのかよ?」
セロフィート
「解るから読んでます。
ワタシに掛かれば、どんな難解な暗号文も一瞬で解読出来ます」
マオ
「へぇ〜〜?
セロって凄いんだな!!」
セロフィート
「凄いのはワタシではなく、解読するのが好きだった先代です。
〈 解読魔法 〉を作ったのも先代ですし。
重宝してます」
マオ
「そ、そうなんだ…。
センダイさんって凄い人だったんだな…。
なぁ、セロ…。
セロの言う『 センダイさん 』ってさ、セロが尊敬してる人だったりするのか?」
セロフィート
「おや?
気になります?」
マオ
「う……(////)
別にぃ〜〜〜。
気にしてないし!」
セロフィート
「そうです?
安心しました」
マオ
「………………」
急に腕の力を緩めたマオは、セロフィートから離れた。