♪ 1.キャンプ地 2 ~ 人形との違い ~
セロフィート
「マオ、勘違いしない様に。
飲食の必要がないのは人形であるワタシだけです。
マオは人形とは違います。
マオは〈 原質の源 〉を自動的に体内へ取り入れる事は出来ません。
ワタシから『〈 原質の源 〉を吹き込まれる 』か『飲食物を体内へ取り入れる 』の2つしか方法はないです」
マオ
「そ、そうなのか??
だったらオレは毎日セロから〈 原質の源 〉を吹き込んでもらえる方が…(////)」
セロフィート
「マオ……。
確りしてください。
ワタシの口移しでマオヘ〈 原質の源 〉を吹き込む事を定着化させる事は出来ません。
初めの頃は、口移しで〈 原質の源 〉を吹き込んでも構いません。
ですが…口移しで〈 原質の源 〉を吹き込む事が出来るのは、マオの体内で飲食物を〈 原質の源 〉へ変換させる準備が整う迄の事です。
ワタシから〈 原質の源 〉をマオへ吹き込む方法は、足りてない〈 原質の源 〉の補いをする為に必要な事です。
ですから、マオは普段から飲食をする必要があります」
マオ
「………………。
其ならさ、作るのはオレの分だけで良くないか?」
セロフィート
「1人で食べても寂しいでしょう?
ワタシも一緒に食べます」
マオ
「何でそうなるんだよ?
オレの分だけなら簡単な料理で済むし、楽なんだけど!!」
セロフィート
「ワタシはマオと食事を楽しみたいです。
マオの手料理が食べれるのは野宿をした時だけですし。
ワタシの少ない楽しみを取らないでください」
マオ
「……(////)
た、楽しみなのか??
ま、まぁ…そんなに食べたいなら作ってもいいけど?(////)」
セロフィート
「有難う、マオ。
嬉しいです♪
そうと決まれば早速──」
そう言ったセロフィートは〈 古代魔法 〉を発動した。
其の直後、多数の場所に〈 魔法陣 〉が出現する。
1つ目の〈 魔法陣 〉からは、調理台と、様様な調理道具と、様様な調味料が載っている台と、食器棚が出て来た。
2つ目の〈 魔法陣 〉からは、幾つもの木箱が出て来る。
木箱の中には、料理の食材となる様様な種類の野菜,果物が入っている。
3つ目の〈 魔法陣 〉からは、食卓と、2脚の椅子と1枚のエプロンと数枚の清潔な布巾が出て来た。
4つ目の〈 魔法陣 〉からは、水の入った樽と、水を汲む為の桶と、流し台と、ゴミ箱が出て来た。
セロフィート
「どうぞ、マオ。
心行く迄、料理してください。
足りない物があれは教えてください。
直ぐ出します」
マオ
「うん。
有難な、セロ!
何時見ても凄いよな〜。
まるでオレん家の《 台所 》に居るみたいに感じるもんな!」
セロフィート
「《 マーフィ宅 》の《 台所 》をイメージして配置してます。
其の方がマオも料理し易すいと思いますし」
マオ
「有難な、セロ!
何時も助かってるよ」
セロフィート
「ふふふ。
どう致しまして」
セロフィートが再び〈 古代魔法 〉を発動すると〈 魔法陣 〉が現れる。
〈 魔法陣 〉から出て来たのは、何かと便利なソファーベッドだ。
下段には収納用の引き出しが付いている。
引き出しの中には何も入っておらず、左側の引き出しには、タオル類,布巾類,エプロン,衣類,シーツ類,タオルケット,バスローブ等…使用済みの汚れた物を入れる事になっており、右側の引き出しには、手を入れると清潔なタオル類,布巾類,エプロン,衣類,シーツ類,タオルケット,バスローブ等…が取り出せる様になっている。
引き出しの中がどうなっているのか──、其は人形にすら分からない。
唯、人形に分かる事は、引き出しの中で〈 古代魔法 〉が能いている事ぐらいである。
高さがマオの腰辺り迄あるゴミ箱の中も同じ仕組になっている。
〈 古代魔法 〉が能いている為、幾らゴミを捨てても溜まらないし、臭いもしない。
ゴミを分別する必要もない為、気にせずに有りとあらゆる『 ゴミ 』を入れる事が出来る。
此のゴミ箱1つで事足りる為、とても楽であり、マオ的にもかなり助かっていた。