♪ 1.野原 11 ~ 四恩 2 ~
セロフィート
「──3つ目の恩は『 社会への恩 』です。
人間は、決して1人では、生活し、生きていく事が出来ません。
人間は、1人で、成長していません。
人間は、生まれた時から、家族,友人,近所,地域の人人に支えられてます。
多くの人が共に生活をしている場を『 社会 』といいます。
其の社会の中で人間は、生活し、生きてます。
例えるなら──、両親は御飯を食べさせてくれたり、必要な物を買ってくれます。
友達は、一緒に遊んだり、話をしたりします。
《 神聖堂 》の《 學舎 》《 学舎 》では、色色な事を勉強する事が出来ます。
野菜を作っていたり、家畜を世話している人達が居るお蔭で、色色なものを食べる事が出来ます。
遠くへ行く為に〈 車 〉を動かしてくれる人達が居ます。
欲しい物がある時は、お店へ行けば買う事が出来ます。
此の様に人間は、周りの人に支えられて生活してます。
此等の事に『 有難う 』『 感謝します 』と思う気持ちが、大切です。
此が社会への『 恩 』です。
──4つ目の恩は『 物への恩 』です。
≪ エルゼシア大陸 ≫の豊かな場所では当たり前の様に、生活に必要なあらゆる物が手に入ります。
豊かでない場所では、貧しくて食べる物すら手に入らない人達が沢山居ます。
どんな物でも粗末に扱わず、使えなくなる迄大切に使う事が大切です。
──食物の事を考えてみましょう。
肉,魚,野菜,果物等…みんな、命を持ってます。
其の命ある物を、ワタシ達は戴いて生きてます。
『 いただきます 』とは、其の様な感謝の気持ちを表す言葉です。
ですから、此等の物にも『 有難う 』の気持ちを忘れてはいけません。
此が物への『 恩 』です。
──此の様にワタシ達が生活し、生きていくには、4つの恩( 久遠実成,先祖,社会,物 )は切り離して考える事が出来ません。
多くの『 恩 』を受けてワタシ達は生活してます。
大切な事は、恩が分かったら、恩を返す事です。
『 恩返し 』とは、感謝の心を持って〈 久遠実成 〉の役に立ち、先祖の役に立ち、社会の役に立ち、物を粗末にせず、十分に役に立てる事です。
本来ならば、両親が子供へ躾の際に、子供へ教え、聞かせなければならない大切な道徳教育の1つです」
マオ
「……そ、そうなんだ??
親が子供に教えないといけないのかよ…。
…………親が知らなかったらさ、子供は教えてもらえないから、知らないまま大人になっちなゃうんだよな…。
…………何かさ、可哀想だよな?
あっ…でも、其ならオレも『 可哀想な奴 』になっちゃうのか〜〜〜〜……」
セロフィート
「ふふふ…。
両親が子供への躾の際に、子供へ教え、聞かせなければならない大切な道徳教育の中には、未だ大切な道徳が幾つかあります」
マオ
「はぁ?
そうなの??
其って何なの?」
セロフィート
「1つは『 四知の法 』です。
子供の躾に、此の『 四知の法 』を忘れてはいけません」
マオ
「『 四知の法』……って何だ??
……オレ、聞いた事無いんだけど!」
セロフィート
「そうですね。
あまり知られてないかも知れません…。
『 四知の法 』とは『 天知る,地知る,他が知る,我が知る 』の4つの知です。
──『 地知る 』とは、犯人が現場に犯罪の証拠を残したり、原因が現場検証で明らかになる等、其の場が知っているという事です。
──『 他が知る 』とは、悪事を働く時、他人に見られていたり、現場に証拠を残したりする事です。
──『 我が知る 』とは、自分自身が知っている事です。
自分が知っているが故に、犯罪を上手く隠そうと思っても、ついつい表情や言動に表れたり、罪の苛責に耐えかねて白状します。
──『 地・他・我 』の三知は、一般的に知られてます」
マオ
「何だよ〜〜〜!
一般的に知られてるのかよ。
もう〜!
驚かすなよな〜〜〜」
セロフィート
「残念ながら『 天知る 』は案外認識されてません」
作中の「 車 」は≪ 都 ≫にて利用が出来る「 牛車 」「 馬車 」「 竜車 」「 人力車 」の事です。