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ノスタルジアの箱  作者: 水菜月
誰かに伝言を託す。
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マイナスミルフィーユ


私は一度すきになると、嫌いになることがない。

ずっと ずっと その人のことを 想い詰めてしまう。


ほんとだよ。 醒めていくことはあっても

ただ、薄れてしまっただけなの。

ずっと壁に写真は貼ったまま。 たとえ色褪せていっても

壁からはがさず、じっと眺めてため息をつく。すきだよ。




でも、それに反して 行動は伴わないから

周りからは、やけに潔いように見えてしまうらしい。

近付いたかと思えば、もうあきらめて引くの早いねって。


こころの中では、ずっと すきで すきで

でも 叶わないと想ったら、もう先に進む勇気はなくて

こちらを向かないものに執着するのは こころだけでたくさんで。


さみしくて 仕方なくなってしまう。

だから、優しい声を掛けられたら、また繰り返している。


火をつけたまま、放っておいた蝋燭は、何度も何度も

堕ちた蝋を集めて、くすぶり続けてゆく。




すぐに 次に行くように見える私の行動は 呆れられるばかりで

次の人にまた傷をつけて、前の人を忘れないままに。


重ねて 重ねて 重ねて、マイナスミルフィーユに垣間見える

ちいさなきらめきを拾って、ほほえみで返す。


君のことは、さっぱり訳がわからないよ。

束縛するのがすきな男に 追いかけられる前に、そっと梯子を外す。




お互いに、見つめ合った時に、時計は動き出すんだよね。

それが、いつまで続くかわからない列車でも

タイミングよく乗り込めたら、せめて恋しいって言えてる間は。



いつまで、こんなことが 続くのだろう。



サクッと、ナイフで 切ってしまおうか。





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