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あなたのそばに

作者: はるこ

私の世界はこの白い病室だけでした。

でも私はそれが苦ではありませんでした。

それはみんながいたからです。

先生も優しいし家族もお見舞いに来てくれました。

何よりもここにはあなたがいました。

私はそれだけで幸せでした。

そんなある日あなたは私に告げました。

「退院する」と

そしてあなたは「またお見舞いに来るね」と言い去っていきました。

私は素直に嬉しかったです。

しかし、毎日あなたに会えなくなるというのは少しばかり寂しかったのです。

でもあなたがお見舞いに来てくれると言ったので私は我慢しました。

ずっとずっと我慢しました。

あなたが来ると信じて。


あなたが退院して1年がたちました。

まだあなたは来ません。

それでも信じて待ち続けました。


あなたが退院して2年がたちました。

まだあなたは来ません。

私の体に変化がありました。


あなたが退院して3年がたちました。

まだあなたは来ません。

私はベットから起き上がれなくなりました。


あなたが退院して4年がたちました。

まだあなたは来ません。

私は目が見えなくなりました。


あなたが退院して5年がたちました。

まだあなたは来ません。

あなたは本当に退院したのですか?


あなたを信じて6年たちました。

今日が私の命日となりました。

たくさんの人が私のために泣いてくれました。

でもそこにはあなたがいませんでした。

これから私は自由になります。

だから私から行きますね。

あなたのそばに







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