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新たなる旅路

リーザイ王国王都ミジュアを発ち、北に。


レオスガリア王国との国境は、緊張感に溢れていた。


いつ、どちらが攻め込んでもおかしくないような、両国の関係性。


それを考えると、ルーアたちがすぐに越境できたことには、訳があるのだろう。


ストラームが手を回したのか。

レオスガリアの国境警備隊にも咎められなかったことを考慮すると、エスがすでに、レオスガリア政府と話を付けているのかもしれない。


自分はなんのためにレオスガリア王国やボノアスラン王国に行くのか、ということを、ルーアはしばしば考えた。


ストラームの指示であるが、理由はエスに聞けと言う。


そのエスは、こちらの呼び掛けに応じようとしない。


政治的な話になる、ということだった。

リーザイ王国の使者として、レオスガリアやボノアスランに行けということなのだろうか。


ルーアは、リーザイ王国特殊部隊『バーダ』の第八部隊に所属していた。

一応は、軍人である。


表向きは除隊処分となっているが、ある程度事情を知っている者には、ルーアとストラームが無関係ではないことがわかるだろう。


だから、リーザイ王国の使者として他国を訪れることになってもおかしくはない。

もちろん、非公式の使者になるが。


(けどなぁ……)


自分が、相応の外見をしているとは思えない。


政治的なやり取りもまともにできない。

それだけの知識がない。


レオスガリアやボノアスランの、ちょっと頭が回る大臣などに、簡単に言い負けられる自信がある。


使者ならば、他に適当な人材がいくらでもいるはずだ。

だから、使者ではない。


もしかしたら、と考える。

ストラームやエスは、なにか危険なことを計画していないか。


レオスガリアもボノアスランも、リーザイ王国からすれば敵国である。


そこへ、まだまだ若造だが、戦闘経験だけはそれなりに豊富な者を送り込む。


両国を混乱させるのが目的ではないか。

例えば、要人の暗殺。


エスならともかく、ストラームがそんな計画を立てるはずがないとは思うが、ミジュアを離れた日から、ずっと頭の隅にこびりついている考えである。


仮にルーアが失敗し、死ぬことになっても、リーザイ王国にとってはたいした痛手にならない。


二十にも充たない子供を一人失うだけである。

しかも、除隊処分となっている。

いくらでも責任逃れができる。


旅の連れを見てみる。


ティアにユファレート、テラントにデリフィスにシーパル。

レオスガリアやボノアスランの政府からすれば、まだ若い娘に、宮廷魔術師でもない女魔法使い。

元軍人に流れの傭兵。

そして、山の民ヨゥロ族である。


いずれも、一国の使者の供には相応しくない。


しかも、リーザイの国籍を持っている者もいない。


リーザイ王国の使者ではない。

なんのための旅なのか。


頭を空っぽにして観光を楽しむという気分には、とてもではないがなれなかった。


だから、ほぼ真っ直ぐにレオスガリア王国王都のイディオンに向かっている。


湿地帯が広がっており、馬や重装備の歩兵などの移動は困難になる。


つまり、軍を進めるには相応しくない地となる。


だが、ルーアたちのように軽装で、さらに徒歩で移動する者には、一番の近道になるだろう。


湿地帯には小さな村や集落がぽつぽつあるだけで、見るべきものはない。


湿地帯の東西にある街道は整備されており、人々の往来はそこを主流に行われる。


レオスガリアの軍も、その街道を利用し王都と国境の行き来をしているはずだ。


いくつかの大きな街があり、施設も充実している。


旅を楽しみたいのならば、やはりそちらを通るべきだったのだろう。


だが、街ならではの危険も伴ったはずだ。


特に、ルーアはリーザイ人だった。

敵国であるリーザイ人を恨むレオスガリア人は少なくないだろう。


戦争で家族を失った者もいれば、実態を知らずにただ憎んでいる者もいるはずだ。


それを考えれば、街を通るよりも湿地帯を抜けるほうが、余程安全なのかもしれない。


ブーツがすぐに汚れてしまうのが、困りものだが。


もちろん、街を通らないが故の危険もいくつかあった。


まず、野宿が多くなる。

季節は冬になりつつあった。

具体的には十月の末であるが、北国であるレオスガリアでは、充分に冬である。


今年は暖冬になるというが、それでも厳しいものがあった。


雪はほとんど降らないだろうという予報は悪くない知らせだが、予報はあくまでも予報である。


どこまで楽観視していいのかわからない。


ちなみに、ルーアの誕生日は九月であるが、いつの間にか過ぎ去っていた。


ザイアム戦後であり、自分でもすっかり忘れていたのである。


ルーアよりも数日先に産まれたというティアの誕生日も、当然ながら過ぎている。


他の者たちは、ミジュアに入る前に誕生日プレゼントをティアに渡していた。


これは、裏切りだとルーアは思っている。


誕生日プレゼントをあげていないことについてティアに愚痴られたが、仕方がないことだったと返している。


ティアは入院中だったし、ルーアも街の復興の手伝いで忙しかった。


来年の二十歳の誕生日を盛大に祝うと口約束して、誤魔化していた。


ティアが一応納得しているという様子を見せているのは、ザイアムから助け出してくれたことが一番のプレゼント、などとユファレートが気の利いたことを言ってくれたからだろう。


(……いや、そんなことはいいんだ)


思考がずれていっていることに、ルーアは気付いた。


過ぎ去った誕生日など、どうでもいい。

ティアの誕生日を祝えなかったこと、プレゼントをあげられなかったことは痛恨であるが、嘆いても時は巻き戻らない。


まことに遺憾である、という顔をしていれば、取り敢えずティアも騙されてくれる。


今ルーアが問題として考えなければならないのは、街を通らないことによる危険性である。


寒い時期に野宿、というのは危険である。

火を絶やせば、簡単に凍死できる。


他にも、危険はあった。

小さな村や集落しかない湿地帯に、そう都合良く料亭など建っていない。

つまり、自炊しなければならない。


料理は、ティアとユファレートが作る。

ルーアも干し肉を火で焙ったり野菜を切るくらいはできるが、すでに色々諦めていた。


自分で食事を準備しても、結局はティアに、手料理を口に突っ込まれる。


抵抗するのが無駄ならば、じたばたせずに、心穏やかにその時を待とうという心地に、ルーアはなりつつあった。

悟りを開いてしまったのかもしれない。


悟ってしまったからという理由だけで、新境地に達したわけではないが。


実は、ティアは料理ができるようになっていた。

全てはレジィナのお陰である。


ティアがミジュアに滞在している間、鬼教官となって料理を教えていた。


ティアは、涙目になりながら教えに付いていった。


レジィナの必死の教育の甲斐があり、ティアはそれなりにまともな物を食卓に並べるようになった。


筆舌に尽くしがたい戦いだったのだろう。

ひと月に満たない教育期間で、レジィナは二キロ痩せた。


もちろん、まだ完璧ではない。


時には、失敗することもある。


具体的な割合でいえば、二十五回のうち二十四回か二十五回くらい失敗する。


以前からすれば、目覚ましいまでの成長ぶりだった。


もしティアが気持ち悪い物を作り始めた時は、ユファレートが止めてくれるだろう。


なんだかんだで、ユファレートはやればできる子なのである。


ティアとユファレートが料理を作る間、ルーアたちは小川の近くで待っていた。


足下はぬかるんでいたが、シーパルが魔法で地面に干渉すると、大分ましになった。


土に含まれる水分を蒸発させた、ということらしい。


シーツを敷けば、ほとんど気にならない。


あまり会話をせずに、ルーアたちは食事を待った。


以前ホルン王国北部やドニック王国を旅した時もそうだったが、寒い地域に入るとテラントは極端に口数が少なくなる。


デリフィスは、元々寡黙である。


シーパルは、風景を楽しんでいるようだった。

山中とはまた違う、自然の趣があるのだろう。


待つことしばし。


ティアとユファレートが、料理を運んできた。


ユファレートは、鉄鍋を持っていた。

獣の肉や野菜を煮た物が入っているようだ。


ティアが持つ皿に盛られたのは、大量のミートボールだった。


一品だけに集中させて作らせることが、ティアに料理を成功させられるコツの一つらしい。


昨日立ち寄った村で、ティアが鶏の肉やパン粉を分けてもらっていたことを、ルーアは思い出していた。


「……ユファレート」


名前を口にする。

なにを聞きたいかは、わかるだろう。


テラントとデリフィスとシーパルも、ユファレートに視線を向けている。


「……………………大丈夫。ばっちりよ」


ユファレートの言葉に、皆が安心した。

みんな、ユファレートのことは信頼している。


ユファレートが、仲間に嘘を付くような真似をするはずがない。


「さあ、みんな召し上がれ!」


にこにこしながら、ティアが皿を置く。

食欲を刺激する、実に香ばしい匂いが漂った。


「そうか。じゃあ、早速。いやぁ、腹が減ってたんだよ」


テラントが、ミートボールにフォークを突き立て、口に運ぶ。


ユファレートは、その横で無表情に鍋を置いていた。


じゃり……


砂利を踏むような音が確かに聞こえて、ルーアは周囲に眼をやった。

誰かが近付いてきていると思ったのだ。

だが、辺りにはルーアたち以外の人影がない。


それに、小川の近くといっても、砂利が敷き詰められたような地面ではない。

おそらく、空耳だろう。


「どう、テラント? 美味しい?」


「……おう、旨いな。腕を上げたな、ティア」


テラントに褒められ、ティアは照れながら笑った。


「お前らも、喰ってみろよ。旨いからさ」


テラントが保証することで、ルーアはさらに安心していた。


ティアの料理の失敗作は、口にする者を死に至らせる可能性がある。


謂わば、命懸けの戦場に立っているようなものだった。


戦場で、テラントほどの軍人が味方を騙し裏切るような真似をするはずがない。


ルーアもデリフィスもシーパルも、ミートボールにフォークを突き刺し、それぞれの口に入れた。


じゃり……じゃり……じゃり……


また、砂利を踏むような音がした。

今度は、先程よりも近い。

すぐそこから聞こえる。


具体的には、右隣に座るデリフィスの口の中からと、左隣に座るシーパルの口の中から、そして、ルーアの口の中からした。


砂利を口に含んだような食感。

それが、口の中で弾けている。


石鹸の味がした。

鼻孔にも口腔にも、刺激が拡がっていく。

なんかもう、取り返しがつかない。


「……テラント」


呻く。


「……いやぁ、俺だけ犠牲になるっていうのは、悔しくって悔しくって……」


「……だからって、おま……」


「死の旅は道連れと、昔の人も言ってたことだし」


昔の人は、物騒だった。


「……ユファレート」


恨みがましく視線を向けると、ユファレートはすごく切ない顔をして、遠い眼をした。


「……もういいかなって……わたし、頑張ったよねって……」


諦めるな。

男たちの命は、そんなに軽くない。


異様な雰囲気となった食事の場で、ティアだけが無邪気だった。


「デリフィスは? 美味しい?」


「ぺっ」


「デリフィス!?」


口の中の物を吐き捨てるデリフィスに、ティアが叫び声を上げる。


「……くしゃみだ。風邪を引いてしまったらしい」


「……え? そ、そうなの?」


「どうやら、食事をしている場合ではないようだ。安静にしなければ」


「……で、でも、尚更しっかり食べて栄養を摂らないと……」


「いや、食べればいいというものでもない。消化することにも、人は体力を使う。体力の落ちた病人は、そんなことで取り返しの付かないことになる場合もある。絶食という文化がなぜ完全に廃れないか、わかるか? 悪いことばかりではないからだ。一定期間食事を口にしないことで、体内の毒素を外に出す効果が得られる。腹八分と昔から言われるのはなぜか。腹一杯食べればいいというものでもない。風邪を引いた時は、なにも食べるな。それが、母の遺言だった。先祖代々の言い伝えでもある」


デリフィスが、すごく喋った。


「……そ、そうなの? じゃあ、仕方ないわね……それじゃあ、シーパル! 感想聞かせて!」


「…………」


シーパルは、弱々しい笑顔を浮かべた。

言葉は、出てこない。


重大な病に掛かりながらも、床から幼い我が子を眺める母親の眼差しに似てなくもない。


口の中の物をどうするか、持て余しているようだ。


「美味しかったのね!」


ティアは、シーパルの笑顔をそう解釈したようだ。


ルーアは、なんとかミートボールだという物を呑み下した。


これは、他の者より耐性があるからできたことだろう。

嬉しくもなんともないが。


「ルーアは? どうだった?」


「……おい、メシマズ女……」


「誰がよっ!?」


「自覚してねえのかよ!」


唾を飛ばすような勢いで叫び、ルーアは腕を振った。


「見た目は良かったんだよ! 香りも良かったよ! それなのになんでだよ!? まずいんだよ! 食感も最悪じゃねえか!」


「逆にすごいわね!」


力強く言うティアに、つい頷いてしまう。


「……うん、すごい……すごいんだが……自分で言うな! なんか腹が立つわ!」


皿に盛られたミートボールに眼をやる。

先程ルーア自身が言った通り、見た目は普通なのである。


だが、外見だけでは察することのできない重大な過ちがあったのだろう。

結果、酷くまずい物になってしまった。


「……ユファレート、なにがあった?」


「……それが、わからないのよ。途中から、涙で前が見えなくなって……」


調理段階では、眼をやられるような臭気があったということか。


「……なにがあったかわからんが、また余計なことをしたわけか」


「失礼ね! 普通に作ったわよ!」


「普通に作ったなら、あそこまでまずくはならん!」


「本当に普通に作ったってば! ちゃんとレシピ通りに……あ、でも……」


「……やっぱ心当たりあるんじゃねえか」


げんなりと呻く。


「特別なスパイスを、一つ加えたかも」


「それだよ、それ。そのせいだ」


不意に、ティアの眼差しが優しいものになった。


「……あたしはね、大切なみんなの顔を思い浮かべながら作ったの」


「……あん?」


「日頃からの感謝の気持ち……みんなへの精一杯の愛情を、ミートボール一つ一つに込めて……」


そして、得意気な顔をする。


「……それこそが、あたしの特別なスパイス……」


「……うっわ、ムカつく」


「なんでムカつくのよ!? あたしはただ単に、感謝の気持ちと愛情を素直に……! ……ああ、なるほど、そういうことね」


今度は納得顔で頷き。


「かっ、勘違いしないでよねっ! べつに、あんたたちのために作ったわけじゃないんだからっ!」


「いや、ツンデレな愛情を込めろということではなく」


「でも、鼻にはつんときたわよね?」


「……きた、けど。それがなんだと……」


「ルーア、見てください。すごいですよ」


ルーアとティアが会話をしている間に、なんとか口の中の物を処分したらしいシーパルが、地面を指す。


デリフィスが、ミートボールを吐き捨てた所である。

土が黒く変色している。


「……確かにすごいな。捨てた煙草を踏みにじった跡みたいな」


「ルーアの胃も、きっと真っ黒なのでしょう」


「……やめてくれ」


「あ、そうだ」


ティアが、音が鳴るように手を合わせる。


「ユファのお鍋と混ぜれば……」


「やめろ」


「でも、おいしくなるかも」


「ならないからやめろ」


ルーアたちの会話を横目に、ユファレートとテラントは自分たちの取り皿に、鍋を盛れるだけ盛っている。


さっさと安全な食事を確保しようという魂胆だろう。


「すり身にすれば」


「どう足掻いてもまずいから諦めろ」


北上を続ければ、そのうちレオスガリア王国王都イディオンに着く。


「細かく刻めば」


「包丁が腐る」


ティアのまずい料理に付き合わされるのも、そこまでのはずだ。


「水に溶かせば」


「もっと悪化するとしか思えん」


なかなかしつこいティアに適当に返しながら、ルーアは不快感がある腹部を摩った。


◇◆◇◆◇◆◇◆


ある日のことだった。

物資の購入のため村へ向かった、その途中のことである。

キーラは、二匹の子犬と出会った。


頭の中から、犬についての知識を引っ張り出す。


組織は、生きるために必要のない雑学まで、キーラに学ばせた。


多分、生後半年というところだろう。

一匹は、茶色の毛並みだった。

鼻先と腹、足の毛だけが白い。

もう一匹は、全身真っ黒だった。

黒い子犬の方が、少し小さい。


二匹とも、かなり弱っているようだ。

親犬の姿はない。


おそらく、捨て犬ではないだろう。

近くには村があるだけであり、犬を飼っている者はいなかったはずだ。


山犬か。

特に確信があるわけでもないが、親は死んでしまったのだろう、とキーラは予想した。


親を失った子犬が、山道に迷い出たというところか。


このままだと近いうちに衰弱死するか、他の獣の餌になる。


キーラは、二匹の子犬を捕まえた。

弱っている子犬たちは、ほとんど抵抗することもなかった。

怯えている様子はある。

小さい分だろうか、黒い子犬の方が弱っていた。


二匹飼うのは難しいだろう。

物資を入れる予定だった木箱に、二匹を入れた。


重力を中和する魔法を使えば、キーラの腕力でも持って歩けそうだ。

そのまま、村に向かった。


すぐに貰い手が現れた。

顔見知りの村の女の子が、黒い子犬を引き取ってくれた。


物資の購入は諦め、茶色の毛並みの子犬が収まる木箱を抱え、キーラは帰宅の途に就いた。


家に帰り着いたのは、夕刻のことである。


茶色の毛並みの子犬は、おとなしくしていた。


水と、スープに米と少しの肉を混ぜた物を出すと、全て平らげた。


腹が膨らむと、子犬は暖炉の奥に隠れた。


声を掛けても、怯えた様子で出てこようとはしない。


仕方なく、その日は寒さに耐えながら眠りに就いた。


いずれは、心を開いてくれるのだろうか。


それまでは、凍えながら眠らなければならないのかもしれない。


翌日、今度はスープに、少量の米と焼いた魚の皮と砕いた骨を入れた物を出した。


子犬が、尻尾を振って暖炉から出てくる。

あっさりと心を開いてくれたようだ。

一日で、環境に慣れてしまったのか。


撫でることもできた。

ただ、食事中に触ると、唸り声を上げる。


長く、軟らかい毛をしていた。

撫でると、必ずと言っていいほど抜けた毛が手に付いた。


キーラは、子犬にポチコロと名付けた。

良く言えば愛嬌のある、悪く言えば間の抜けた顔をしている。


可愛い、と素直に思った。


首輪を買おう。

村の雑貨屋にあっただろうか。

街まで行かなければならないかもしれない。

自分の立場を考えると、それは危険な気がした。


いっそ、自分で作った方が早いかもしれない。


首輪を付けるだけで、誤って狩人に射られる可能性は低くなるだろう。


赤い首輪にしよう、とキーラは思った。

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