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第十八話 トリオの想い、指輪の真実

White Seal 様 感想ありがとうございました。

今作での初感想嬉しかったです。

しかし、今回の第18話は更に焦れったいかもしれませんが、ご容赦ください。

トリオとしては、アメリアちゃんに対し無責任なことは絶対にできないわけです。

かと、言ってまだアメリアちゃんには縛られたくないってのが本音ではないでしょうか?

第19話でトリオのお父さんの話が少し出てきますが、お父さんを見て育ったトリオにはある種のトラウマ?があり、簡単には女性に手を出せないようになっています。

また、予告どおり今作はダブルヒロインですので、簡単にくっつくわけにはいかないので、こんな駄文を読んでいただいている奇特な読者の皆様はその点をお含み置きください。


はぁ・・・どこかに文才売ってないかな・・・

華やかなパーティーも終わり、月が真上に来た頃、家のドアをノックする音がし、待ち人がやってきた。


俺がドアを開けると、軽くローブを羽織ったアメリアが素早く家に入ってくる。


そのまま、アメリアは居間のソファに座り


「どうしたの?」


と短く、そして不安そうに聞いてくる。


そう聞かれ、俺は少し恥ずかしげに、頭をかきながら


「ああ、俺は明日の朝この村を出る。そこで、最後にちゃんとお前にお別れを言っておきたかったのと・・・大事な話があるんで来てもらったんだ」


「そう・・・うん!ちゃんとお別れを言ってくれるために呼んでくれたんなら・・・うれ・・・し・・・い・・・かな」


そう言いながらもアメリアは涙目にって・・・ああ~泣いた・・・仕方のないやつだな。


はは、考えてみれば最近こそアメリアは泣かなくなったけど、小さい頃は何時も泣いていたな。


そんなことを思い出しながら、泣き虫だったアメリアに何時も俺がやっていたことを久しぶりにする事にする。


ソファに座っている、アメリアの横に座り、アメリアを膝の上に乗せ、軽く抱きしめると、アメリアは俺に体重を預け


「ごめんね、また泣いちゃった・・・トリオに心配かけないよう、今日は泣かないつもりだったんだけど・・・ホントにゴメンね・・・」


「気にするな、お前が泣き虫アメリアだったことを思い出せてなんとなく嬉しいよ」


そう言いながら、抱きしめる手に少しだけ、力を入れ彼女の肩に顎をのせる。


「まずは、大事な話なんだけど、怒らないで聞いて欲しい」


そう言うと、アメリアは不安そうに肩を震わせる。


「いや、別に不安がらせるつもりはないんで、さっさと言うぞ、あのな・・・さっきの指輪のプレゼントはダミーだ」


一気に本題を告げるとアメリアは左手の薬指に嵌めた指輪をかばうように右手をかぶせ、怯え始めた・・・あれ?なんか勘違いされている?


「待て、誤解するなよ!ダミーって言ったのは、本物があるって意味だぞ!」


「え?」そう短く答えるとアメリアの怯えはなくなり、そーっと俺の方へと振り向く。


「ごめんな、あんな場に引きずりだされなければ、最初からこうしていたんだけど」


そう言いながら、俺は本当に渡すはずだった指輪を取り出す。


「どういうこと?」


「これが本物のお前に贈る予定の指輪だ、D-HIDEの指輪、残回数は296回残っている」


「え?296?それって現存するほぼ最高値じゃない!」


「ああ、そうだ。エターナルの冠を除く回数制限つきアイテムのほぼ最高値だ」


「なんで?なんで最初から・・・あたし恥をかいちゃったじゃない!」


と少し怒っているのだが、顔が笑っているので迫力がない。


「あのな・・・あんまりこういうこと言いたく無いけど・・・これいくらすると思う?」


「あ・・・」


「おそらく市場価格で最低でも金貨5000枚はするぞ・・・それなりに贅沢したって一生遊んで暮らせる金額だぞ、そんな指輪をお前が普段から嵌めていたら・・・どうなる?それともお前、この指輪を鏡台の引き出しにでも眠らせるか?」


「あう・・・無理・・・絶対に普段から嵌める・・・」


「だろ?だから一芝居打ったんだ、このことはミルバ姉さんも知らないはずだ。いいかこのD-HIDEはお前の奥の手にするんだ」


「奥の手?」


「そうだ、村のみんなはお前の嵌めている指輪は回数の切れた指輪だとしか思わないだろう。本当に困ったり危ないときに使うんだ、誰も知らないお前の奥の手として」


そう言うと、アメリアは俺の方へと振り向き、抱きついてくる。


「あはは、やっぱりトリオはトリオだった・・・いつだってあたしにとっての最善を考えてくれる・・・」


「あ、当たり前だろ!お前は可愛い妹分なんだからさ」


「でも、さっき指輪を受け取ったから・・・本当のプレゼントを受け取ったら・・・もう妹分じゃないんだよ・・・ね?」


ああ!しまった!そう思い俺はアメリアを引き剥がし、向かいのソファへと座り、何事も無かったかのように平静を装うと、アメリアはかな~り不機嫌になりながら


「意地悪!そんなに私のこと嫌いなの?」


「違うよ、嫌いなわけ無いだろ!でも・・・あれだ!まだ俺たち若いんだし、将来を決め付けるには早いと思うんだよ、それにお前を俺なんかに縛り付けたくないしな!」


そういうと、アメリアはため息をつきながら


「それは、逆に言えば、まだあたしに縛られたくないってことでしょ?もういいわよ・・・4年後に絶対に土下座させるから、見てないさいよ!」


「ああ、楽しみにしてるよ」


そう言って笑った後、俺は真面目な顔をして本題を切り出す。


「あのさ、しばらくお前とお別れになっちゃって寂しい思いをさせると思うけど、我慢してくれな・・・」


「うん・・・トリオの修行のためだって理解しているから、我慢する・・・」


「ありがとうな、それと、ここからが本題なんだが・・・お前に上げたその指輪さ・・・いざとなったら躊躇ためらうことなく売れよ」


「え?何でそんなこと言うのよ!それにいざって何よ!」


「村のみんなとお前を騙した理由につながるんだが・・・師匠病気だろ?」


「・・・知っていたの?」


「ああ、知っているに決まっているだろ。俺は高い可能性で、俺がいない4年の間に師匠が仕事が出来なくなって、高価な薬が必要になる事があると思っている。それにお前の学園の費用とかな・・・


お前たちに、それなりのまとまった金が必要になる場面が出てくると思っている。だからさ・・・俺から貰った指輪とかってこだわらずに・・・必要であれば躊躇ためらいなくに売れ!いいな!」


「・・・無理だよ・・・だってこの指輪は・・・あたしの宝物だもん・・・絶対に『分かった!』」


「はぁ~・・・そういうと思ったよ、だからはっきりと言ったのに・・・仕方が無い・・・これ預けるから・・・」


そう言うと俺はアメリアの横に再度座り、彼女の手に別の指輪を握らせる。


「こ・・・これ、おば様の」


「ああ、そうだ、母さんが俺に残してくれた指輪だ」


「こんなの貰えないわよ!」


「誰がやるって言った?預けるって言っただろ、4年後に再開した時に返せ」


「え~~~」


そう言いながらもアメリアは指輪を大事に胸に抱き、物凄いニヤツキ顔だ・・・現金なやつめ・・・


「いいか、あのD-HIDEの指輪は回数さえそのままならば金貨5000枚にはなる。ただ金貨5000枚ともなると簡単に買える商人も少ないからな、この手紙をトルミナルのディクトに出すんだ。そうすれば彼が金貨5000枚を持ってお前の家を訪ねてくるだろう」


「ディクトさんって、おじ様の部下だった、あのディクおじさんの事?」


「そうだ、よく覚えているな、彼なら俺やお前を裏切ることなく、正当な取引をしてくれるだろう」


「うん、ディクおじさんなら、大丈夫だと思うけど・・・でもギリギリまでこの指輪は売らないわよ!」


「仕方の無いやつだな~何のために母さんの指輪まで預けたと思っているんだ?」


「それそれ、これはこれよ!」


「まぁ・・・いいか・・・それとな、その母さんの指輪は絶対に外にしていくな、人に見せるな、いいな!」


「なんで?この指輪って高価なの?」


そう言いながらアメリアはその指輪についている水色の宝石を眺める。


「うーん・・・俺の知る限り、それは世界で1つしかないドラゴンソウルで、しかもエターナルだから、回数制限無しで使用できる」


「ドラゴンソウルって?」


「・・・空を飛べる」


ブッ!それを聞いた瞬間アメリアは盛大に吹きだした。


「何よそれ!そんなアイテム聞いた事ないわよ!」


「当たり前だ、母さんが俺にそれを預けたときにも、信用できる仲間以外の前では絶対に使うな!って念を押された」


「うん・・・あらゆる意味で怖すぎて使えないわよ・・・」


「まぁな、空を自由に飛ぶにはある程度練習がいるしな・・・それとそれの発動は装着だけじゃだめだ、必ず呪文である『我は舞う、大いなる自由な空へ』という言葉を嵌めながらしなければならない」


「うん、分かった・・・これは鏡台の引き出しに大事にしまっておく」


「そうしてくれ。だからさ、どうしてもお金に困る事があったらD-HIDEの指輪を売るんだぞ!いいな」


「やだ・・・」


「お前な~~~~!俺の話しを真面目に聞いているのか?」


俺はアメリアのあんまりな返事についにキレて、彼女の頭をギリギリと締め付けるように拳骨を押し付ける。


「だって、お爺ちゃんの薬がどのくらいするか分からないけど、学園の費用だって1年で金貨30枚~40枚だよ、確かに大金だけど、金貨5000枚とは比べ物にならないよ」


「そ、そうかもしれないけど、多いに越した事は無いだろ・・・」


「トリオは普段は常識あるくせに、こういう時は常識なさすぎ!」


「そんなこと言ったって、お前と師匠が心配なんだからしょうがないだろ・・・」


「ホントにもう・・・」


そう言いながらアメリアはD-HIDEの指輪を嵌め姿を消す。


俺がえ?っと驚いている間に何かに抱きつかれた感触と、唇に違和感を感じ、慌ててその場を飛びのくと


「もうちょっと・・・」


と言いながらアメリアが姿を現すのだが


「こらーーーー!その指輪はそんなことをするためにあるんじゃないぞ!回数が減ったじゃないか!」


「そんなこと言ったってどの道、最初に嵌めるときには必ず、一回は消費しちゃうんだし、有意義に使いたいじゃない」


「確かにそうだけど、何もこんな事に使わなくたっていいじゃないか」


「いいじゃない、この指輪のお礼よ。私の初めてのキスなんだから、感謝してよね!」


「お前の初めてのキスは金貨5000枚分かよ、どんだけだよ高いんだよ!」


「ん?不満なら・・・私の別の初めてを貰ってくれても・・・お風呂もちゃんと入って来たよ・・・か、覚悟もしてきた!」


と言いながら頬を赤く染めてモジモジし始めるアメリア。


「恐ろしい事を平然と言うな!お前はそんなに俺をガザル師匠に殺させたいのか?」


「だから、お爺ちゃんならあたしが返り討ちにするって言っているでしょ!」


「もういいや・・・」


そう言いながら俺は旅用に準備したアポーツバックを探り、小さな子袋を出し、中から小さな石を5粒ほど取り出しアメリアの手に握らせる。


「何これ?・・・ディライト石?!どうしたのコレ!」


「あ?今回のレッドを掘っている時に見つけたんだよ、どうやらディライト石はレッド鉱石以上から一緒に取れるみたいだぞ」


「すごいじゃん、トリオ!これだけあれば、大丈夫だよ!さっきの指輪は絶対に売らないし、ドラゴンソウルも返す!」


「いや、両方ともお前が持っていて欲しいし、D-HIDEの指輪は必要があったら絶対に売れ!これは・・・兄としての最後の命令だと思え」


と強く言い含めると、アメリアは少し悲しい顔をした後、小さく頷いた・・・のだが、涙が零れ落ちアメリアの頬を濡らす・・・何コレ?俺悪者なの?何かしたか俺?


「なんで泣くんだよ・・・勘弁してくれ・・・ホント・・・前に言ったろうが、お前に泣かれると・・・こう・・・胸が苦しくなるんだよ・・・」


「仕方ないじゃない!トリオは何時も私のこと考えてくれて、大事にしてくれて・・・そんなトリオがいなくなっちゃうんだよ!寂しいに決まっているじゃない!」


そう言いながらアメリアは正面から抱きついてくる。


アメリアを優しく抱きしめながら俺は


「4年の辛抱だよ、4年たったら王都においで、前にも言ったけど、お前の生活環境は用意しておくからさ、ネ!」


そう言いながら、頭を撫でるとアメリアは小さな声で「うん」と頷きながらも啜り泣きが止まらない。


しばらく抱きしめながら頭を撫で続けると、次第に啜り泣きが止まったので


「落ち着いたか?じゃあ今日はこれで帰ろうね、遅くなったから俺が家まで送っていくから」


そう言いながら、アメリアの手を引き、ソファから立たせ、アメリアと手を繋ぎながらアメリアの家へと向かう。


道すがら、村のあちこちの思い出を話し、楽しそうにはしゃぐアメリアを見つめながら、しばらく帰って来れないこの村に別れを告げる。


アメリアの家に着くと、名残惜しそうに手を離し、アメリアがこちらを向く。


「トリオ・・・他の人に泣き顔を見せたくないから、明日の朝はもう見送らないから、これでしばらくお別れね」


「ああ、そうだな・・・元気でやれよ。それと4年後に王都で待っているからな」


「うん・・・どうすればいいかな?」


「ああ、お前が来る次期になったら、事前にこちらから手紙を出すから、大丈夫だよ」


「そうね、分かった。それと・・・あたしが行く生活環境は当然トリオと同じ家よね?」


「う・・・うん・・・たぶんな、まぁ王都でさすがに何軒も家を持つのは現実的じゃないからな、ひょっとしたら店兼家になっているかもしれないけど・・・」


「じゃあ、トリオと1つ屋根の下なんだよね?期待しているからね!」


「まったく、お前ってやつは・・・まぁいいや、どうせ間違いなんか起きないしな」


「起こしてみせる!必ず!」


そう言って握り拳を俺に突き出すアメリアちゃん11歳・・・怖いわお前!


「それと、無いとは思うけど、釘刺しとくね」


そう言いながらニッコリと笑い


「その家に他の女が居たり、中に入れていたら・・・どうなるか?・・・分かっているわよね?」


「じゃあアメリア、元気でな!」


そう言って俺は今出せる最高速で走り去ると後方で「こら~~はっきりしろ~~殺すぞ~~」等と聞こえるのだが、聞こえない振りをして、一目散に家へと駆け戻りましたとさ。



設定補足ですが、回数制限付きアイテムの最高値は300回です。

また、HIDEにはABCDのランクが存在し、Dが最高値です。

ABCは完璧な穏業とならず、影がでたり、匂いが消えなかったり、消えるまでに時間が掛かったりと、何かしらの不備があります。

また、穏業スキル持ちがこの指輪を使うと、動いても・・・攻撃しても姿が消えたままなので、泥棒や暗殺、又は偵察にはもってこいなアイテムです。

それがゆえに非常に高価であり、需要も高いわけです。

しかし、これも無敵と言うわけでなく、対策として探知の魔法やアイテムが存在します。これに引っかかると、簡単に穏業が解けてしまいます。

また実際の戦闘時には気配が消えるわけではないので、気配を頼りに闘える達人クラスには、有効ではあるものの、決定打とはなりえません。

もちろんトリオ君には通用しませんが、今回はアメリアちゃん相手だったので、気を抜いていたためとお思いください。



またお金の価値についてですが、金貨1枚10万円くらいと想定しています。

ですので、王都の学園の年間授業料は300~400万円と言ったところですね。

また、王都の一般人の収入は月で金貨2~3枚くらいと言ったところです。

そう考えると、トリオ君は5億円の指輪をアメリアちゃんにポンと渡したわけですが、それだけアメリアちゃんを大事に思っているのは確実ですし、本気で将来お嫁さんにすることも考えているわけです。

ですので、本文中にもあるように、アメリアちゃんの安全のためなら、トリオはいくらお金を突っ込んでも後悔はしないと言うことです。

ちなみに前作の女性神様の視聴者がいれば、抗議殺到間違い無しでしょう(笑


以上作者の言い訳でした m(_ _)m


しかし・・・ここまで、自分自身で読み返してみると、前作と作風が似ていることに気が付きました。

客観的に見てこれが私の限界なんでしょうね・・・OTZ

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