第4話: 技
前回の後書きで、いきなりサボってしまってすみませんでしたm(__)m頑張りますのでこれからも-CR-をよろしくお願いしますm(__)m
カチャカチャ……
「くそ、どうなっているんだ!」
ラプジス博士とウィンフ博士の二人は、機械のあらゆる箇所を確かめてみた、この緊急事態の突破口が見えてこない。
「ですがまだ向こうの世界に影響は出ていないようです!」
「トーラ召喚!」
カードが光を放ち、目の前にトーラが召喚された。
「私も…ジュビラ召喚!」
ラヴィアのカードも光を放ち…モンスターが召喚された。
ラヴィアのモンスター…ジュビラ…。それは、手に鋭い鎌を持ち、黒いぼろぼろの布切れを羽織った死神のようなモンスターだった。目からは赤い光が放たれ、全身殺気立っている。
ジュビラが鎌をぶんぶんと振り回す。風を切る音がシトに伝わってくる。挑発なのだろうか…。
すると、トーラが挑発に乗ってジュビラに向かって突っ込んでいった。
間合い、約2メートル。トーラは亀だからかスピードこそ遅いが、その重い剣の一撃が今にもジュビラに突き刺さろうとしている。だが、ジュビラは何もせずに立ったままだ。
「ジ、ジュビラ!逃げて!」
ラヴィアが叫んだが、シトはもう遅い、と思った。が……
トーラが剣を振り下ろした。ラヴィアは目をつぶった。しかし、剣はヒュオン、という音をたてて空振りした。
「な、なんで…。……!トーラ危ない!」
剣を振り下ろして固まっていたトーラの背後に、突然ジュビラが現れて、鎌を振り下ろした。
すると、いきなりトーラのカードがぼうっと青く光った。見てみると、今まで書かれていなかった文字が青く光っていた。
これは……技?
「聖域飛沫<サンクチュアリ・スプラッシュ>……?」
シトがそう言った瞬間、トーラが地面に片手をついた。すると、トーラが立っている地面の周りが円を描くようにひび割れだした。そしてゴゴゴゴ…と地響きが起きる。ジュビラの鎌がトーラに突き刺さる直前----
ひび割れたすき間から大量の水がトーラを囲むように噴射された。それはまるでトーラを包むカーテンのようだった。ジュビラはちょうど噴射された水に突き刺さり、水圧で遥か上に打ち上げられていった。
勝った…と思った。が、いつまでも打ち上げられたジュビラが落ちてこない。まさか…と思い、周りを見回す。……いない……いやいた!トーラの周りを高速で飛び回っている。目を凝らすとトーラの周りに時々黒いものが見えるのだ。
ずっとバトルを見ていたリークはジュビラについて考えてみた。トーラ程の防御力は無くても、スピードはかなり速い。さっきも一瞬でトーラの剣を避け、背後に回った。しかもジュビラは飛べるのだ。攻撃力は…まだわからないが。
それにしても、さっきのはなんだったんだ。シトがなんか言ったらそれに反応してあんな大技を……。
「よかった…ジュビラ…。……あ!何これ!」
シトが驚いてラヴィアの方を見ると、ジュビラのカードも青く光っていたのだ。
……つまり、相手も技を出してくる……。
「こ、これは…?煌電流死<グリタースパーク・デッド>…」
そうラヴィアが言った瞬間、やはりジュビラに変化が起きた。高速移動をやめ、距離を保ちつつトーラの正面に移る。そして最初やったように鎌を振り回す。すると、ジジジジ…という音と共に鎌に電流が流れ始めた。そしてジュビラは鎌を思い切り振る。電流の固まりが遠心力で鎌から放たれた。
「トーラ……さ、聖域飛沫<サンクチュアリ・スプラッシュ>!」
トーラがさっきのように片手を地面につく。そして地響き。ぎりぎり電流弾がトーラに当たる寸前で水飛沫が上がった。
しかし、シトは忘れていた……水は電気を通す、と。
噴射された水に電流弾が当たり、弾く。同時に、電流が水全体に回る。水飛沫が無くなると、そこには俯せになって倒れているトーラがいた。
「トーラ!」
「勝っ……た…」
「シト……」
ぼろぼろのトーラが光に包まれ、消えた。トーラはカードに戻った。
モンスター名:ジュビラ
孤高の魂が獲物を求めて飛び続けている。そして、雷を纏った鎌で躊躇なく獲物を狩る。攻撃力とスピードはかなりのものだ。
技:煌電流死<グリタースパーク・デッド>
鎌に電流を発生させ、それを電流弾にして相手に飛ばす。