第15話:考察
ボガァァァァン!
「ぅわぁぁぁぁ!」
‥‥結構‥喰らった‥‥。でももし避けていれば‥‥反撃は簡単だったはず。神炎直下のせいで出ている煙でよくは見えないが‥‥あの技の反動はかなり大きいらしく、大分大きくのけぞっている。そういえば炎飛の時もだ。‥‥もしかしたら‥‥メリアの技はどれも、避けさえすれば簡単に反撃出来る‥‥!?
「これで終わりだ!火炎陸王<ブラスト・ダンク>!」
ボワッ!
メリアは自分の両腕に炎を纏い、それを地面にたたきつけた。すると地面の二つの炎が俺目掛けて凄い速さで這ってきた。
‥‥大丈夫‥‥避けさえすれば‥‥。
実際、メリアはまたよろけている。‥‥いける!
「ブレゼ!右に避けろ!‥‥やってやる‥‥硬鎖太撃<メガハード・チェーン>!」
ジャラジャラジャラジャラ!
両手足の鎖が一つに纏まって、空中へと真っ直ぐ伸びていく。
「ははははは!どこに攻撃している!」
「お前のとこだっ!いけ!ブレゼ!」
グルッ!
「!?」
一つに纏められた四本の鎖が、空中でいきなり曲がり、方向を変えた。そう。この技の最大の特徴。それは技を出してから一度だけ方向転換出来ることだ。油断していてまるで防御や回避の準備などしていなかったメリアは驚愕の表情を浮かべた。
ズガァァァァァン!
「‥‥勝ったか‥‥?」
「‥‥‥‥‥‥‥ぅうっ‥‥やるな‥‥。‥だが‥‥俺は負けない‥‥」
ボロボロになりながらそう言い放つメリア。後は楽勝かな‥‥と思ったその時──
ズドォォォォォォォォォォォォン!
さっきの硬鎖太撃とは比べようもないくらいの大きな衝撃がこの建物を包んだ。吹き飛ぶ扉、燃え盛る部屋‥‥‥‥って‥シトが危ない!まだ寝てんのか、あいつは。
ズガァァァァァン!
‥‥‥‥ん?
‥‥え?何?ここ?
今、ズガァァァァァン!て‥‥‥‥。
なんか‥‥いきなり熱く‥‥‥‥。
ボワァッ!
目の前で踊る炎。まるで生きているようだ‥‥ってえぇぇぇぇぇぇぇ!
「な‥‥何だここ!‥‥っ!トーラ、召喚!火を消してくれぇぇぇ!」
シュルシュルシュルシュル!
煙の中で縄に巻きつけられるメリアの姿が見えた。‥‥縄?
そして、あっという間にメリアは何者かに連れ去られてしまった。
‥‥あれ?地響き‥‥?
ドォォォン!
うわぁぁぁぁぁ!
「潤水貫剣<モイスン・ブレード>!」
とりあえず、この目の前の炎を何とかしなければ。
ドォォォン!
‥‥ガラガラッ!
天井が落ちてきた‥‥。
ヤバい!
「‥‥っく!ゼフィン召喚!水柱囲撃<シューティング・ドーム>!」
カァッ!‥‥バァァァン!
天井が吹っ飛ぶ‥‥!
ドォォォン!
‥‥ガラガラッ!
炎のせいで床が落ちた‥‥!‥‥てか俺も落ちる!
その時‥‥。下の方から一瞬光が漏れて──
バァァァン!
わぁぁぁぁぁ!吹っ飛ばされるぅぅぅ!
‥‥た‥‥助かった‥‥。
天井が吹っ飛んだ瞬間、上の方で悲鳴が聞こえた気がしたが、今は自分のことで精一杯だ。
それより‥‥何が起きたんだ‥‥?
俺は瓦礫の山をジャンプしながら上へと上がる。どうやらさっきのところは地下だったみたいだ。
‥‥ここは‥‥あの‥建物‥。
なんでこんなになってるんだ?
すみません‥‥今回も無しです。
お詫びに、次の回ではモンスターをたくさん出すことを約束します!