03*でもね、君の迷惑にだけはなりたくないんだ。
まだ気持ちを言葉にできるほど君のことをわかっているわけじゃないけど。
知ってた?一回もまだかいたことないんだよ。君のことが**だって。
口に出して言う言葉は、すぐに消えてなくなってしまうから、何回も言ったことはあるよ?
でもね、いざ文章にしようとしたときに、手が震えてうまく言葉がつづれない。
こんなにも**なのにね。
*
私にも友達といえる人がクラスにいる。
けれど、あまりに激しいからかいに嫌気が差していた。
そうして悩んで、影で泣いて、でも君はそれを知ってたのかな?
友達を通して知る君の優しさが、うれしくて、うれしくて、少し涙が出てきた。
私には聞こえないように、私をからかう友達を君は注意してくれていた。
知らなかった。そんなこと。
どうして・・・そんなことをしてくれたの?
*
君の迷惑にはなりたくないから、慎重に、言葉を選んで話しかけるの。
それでもダメだね。やっぱりダメ。
君のそばにいるだけで幸せだから、それ以上を望む気にどうしてもなれない。
楽しそうに笑う君の笑顔がとっても愛おしい。
その笑顔が私に向けられたら、もっと、きっとうれしくなるんだろうけど、私はそんなこと望まないから。
君の迷惑にはならないから。だから許して、そばにいることを。
何もしないで、何も訊かないで、ただ単純にそばにいるだけの私のことを。
*
ねぇ、苦しいよ。
君に勝ちたくてはじめた勉強なのに、君を考えると集中できない。
ひとつのことしかできない私だから、今は君を忘れさせて。
毎朝同じ時間に家を出て、同じバス停まで歩いていく。
少し遅れ気味で到着したバスの、いつもの右端の席に乗る。
一瞬見える君の顔が、毎日楽しみで仕方ないんだ。
*
この前行われた国語のテストで、なぜか君は1番じゃなかった。
私の点数が悪い以上に悲しくて悔しくなった。
私も頑張る。
君に少しでも追いつけるように努力する。
だから、ほんの少しでいいから振り向いて。
でもね、
・・・目が合うだけで嬉しくなれる私にとって、君の隣に立つなんて考えは浮かばないよ。
*
また明日、いつもの場所で。
君に会える、その時まで。
――幻想が崩れるまで、あと6ヶ月。
連載3話目です。
相変わらずの青さに磨きがかかってきました。