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第41話 トウキョウダンジョン4。掲示板4


 オオカミと大トカゲをたおして腕時計を見たら午前11時だった。

 もう一仕事したら昼休憩でいいか。


 そこからディテクターを使いつつ坑道の徘徊を続けること20分。

 ディテクターに反応があった。

 俺は反応に向かって歩いていき、100メートルほど歩いたところで会敵した。

 今度は大蜘蛛3匹と天井にムカデが2匹だった。


 足の長い大蜘蛛に対して殴る蹴るの間合いが少し足りなかったので、左右のパンチからの華麗なキックで決められず手数が増えてやっと3匹をたおしたところで天井からムカデが1匹降ってきた。

 ムカデの頭の付け根を手袋をつけたままの手刀で切断してやった。

 気持ちは切断だったし、でき上がりも頭が取れたのだが、どう見てもムカデの頭の付け根は潰れてた。


 ムカデはもう1匹天井にくっ付いていたが、方向転換して逃げていこうとした。

 ジャンプして叩き落してもよかったが、ここは魔術の出番と思い、ファイヤーアローを放ってみた。


 音もなく真っ白な光の矢がムカデの頭の付け根に命中して、ムカデの半分が消えてなくなった。天井は30センチくらいすり鉢状に抉られてすり鉢の中が赤く発光していた。


 これって、威力過多だったってことだよな。

 俺の魔術の才能が恐ろしいぜ。

 使える魔術の数は知れているが、威力が半端ない。

 元勇者とするとうれしいようなそうでもないような。

 やっぱりうれしい。


 ファイヤーアローで2匹目のムカデの頭は消えてしまったのでそいつの核は回収できなかった。

 結局回集できた核は4つだった。

 これで、今日の成果は22個。

 順調だ。


 後はモンスターハウスなんかがあれば効率いいんだが、どこかにモンスターハウスが転がっていないものかな?



 まだ少し早かったが、昼にすることにした。

 リュックを下ろし、弁当のおむすびと緑茶のペットボトルを取り出した。

 タマちゃんは先ほどお掃除をしてリュックから出たまま。

 フィオナは定位置で座っている。


 俺は個装のおむすびから包装を取ってタマちゃんに渡し、その後で自分用のおむすびの包装をとってかぶりついた。

 まずは梅干し。

 市販の梅干しは酸っぱさより甘味が先にくるんだよなー。

 もちろん嫌いではないが、もう少し口を酸っぱさですぼめるくらいの梅干しがいいんだよなー。


 うちでは母さんが梅を毎年漬けてて、1年遅れで食べてるんだけど、口が酸っぱさでこれでもかと細くなる絶品だ。


 次のおむすびは昆布だ。

 さっきタマちゃんにやったおむすびはたらこだったので今度はおかかのおむすびにした。


 タマちゃんのおむすびの包装を取っていたら、右肩からフィオナが身を乗り出している。

「フィオナ、食べてみるか?」

 そう聞いてみたら、フィオナがうなずいた。

 俺はおむすびからご飯つぶを1つぶ左手でつまんでフィオナの口元に差し出したら、フィオナは両手で受け取って口にほおばった。


 数回もぐもぐしてごっくんと飲み込んだ。

 おいしかったようでおむすびを見つめている。

 今度は左手でおむすびの隅の方をつまんで右肩の上に置いたらフィオナがそこから1つぶずつ両手で抜き出して口に入れ始めた。

 おむすびの方はタマちゃんに渡した。

 こっちの方は一瞬で消えてなくなった。


 俺が昆布のおむすびを食べ終わって緑茶を一口飲んだところで右肩を見たらフィオナはもうごちそうさまのようだった。

 俺は右肩に残ったご飯つぶをつまんで自分で食べた。

 ご飯つぶを粗末にしてはバチが当たるから当然だ。


 タマちゃんはふたつでお終いで、俺は最後に残ったおむすびを食べた。

 最後のおむすびは鮭だ。

 明太子にしようかと悩んだが、鮭はこのところ食べていなかったので鮭にした。

 包装を取ってかぶりついたところまだ鮭に遭遇しなかった。

 半分くらい食べたところで鮭に遭遇したのだがそれほど美味しくはなかった。

 もちろんマズくはなかったので完食した。

 最後にペットボトルの緑茶を飲み干してごちそうさまでした。


 食後少し休憩してから午後からのお仕事に取り掛かった。

 午後からも帰りを予定している3時半までに同じような感じでモンスターに遭遇した。

 具体的には下の階層のものと思われるやや大きめの核が12個、2、3階層の普通の核が16個。

 これでトウキョウダンジョンでの収穫は少し大きめの核が30個、普通の核が20個となった。


 帰りは1階層からの階段下の近く2階層の空洞に転移して階段を上り、1階層の階段小屋を抜けて全部で15分ほどかけて渦を出てダンジョンセンターの本館に戻り、まず買い取り所に回った。

 案の定、買い取り所の窓口のおじさんに大き目の核について聞かれたので正直に答えた。

 もちろん驚かれたが、俺の顔と冒険者証を交互に見比べた担当のおじさんは再度驚いただけで何も言わなかった。

 全国にただ1人の16歳Bランク冒険者という燦然たる肩書が利いたのだろう。

 既にセンターは、俺が助けた連中とか、ほかの冒険者たちから下の階層からの複数モンスターについての情報について掴んでいたのだと思う。


 買い取り額は大きめの核30個、普通の核20個で68万円。

 累計買い取り額は3884万2千円+68万円で3952万2千円となった。

 あと1千万円ちょっとでCランクに昇格だ。

 Cランクに昇格したら何かいいことあるかな?

 


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


1.名無し


トウキョウダンジョンBランク冒険者用情報スレその11(21)。誹謗中傷粘着厳禁。マナー厳守。言葉遣いは丁寧に。


次スレは>>950を踏んだ方。お願いします。


20XX年8月2日 21:45


2.名無し


>>1.スレ立てありがとう


20XX年8月2日 21:46


……


351.名無し


サイタマダンジョンだけだと思っていた複数大トカゲに襲われた


20XX年8月3日 22:15


352.名無し


>>351.詳しく


20XX年8月3日 22:16


353.名無し


3階層を4人チームで歩いていたらいきなり大トカゲが何匹も現れた。それで俺たちはUターンして逃げ出したところ、大トカゲは俺たちを追ってきた


20XX年8月3日 22:18


354.名無し


>>353.ここに書き込んでるっていうことはうまく逃げられたんだ


20XX年8月3日 22:19


355.名無し


>>354.結果的にはそうなんだが、逃げてる途中にあったんだよ。うわさのBランク高校生に。もちろん逃げてるときは俺たちが逃げろと言ってもボーっと立ってただけのおかしなヤツで例の高校生とは思ってなかったんだがな


20XX年8月3日 22:20


356.名無し


>>355.続きハヨ


20XX年8月3日 22:20


357.名無し


その高校生は俺たちを追ってきた大トカゲに簡単にやられて、大トカゲはまた俺たちを追ってくると思ってたんだけど、それが追ってきている気配がしない。後ろを振り返ったら例の高校生が立っていて大トカゲの死骸が坑道に転がってた


20XX年8月3日 22:22


358.名無し


>>357.ということはその高校生が大トカゲをたおした?


20XX年8月3日 22:23


359.名無し


>>358.そう。その時はまだ正確な数は分からなかったんだけど後で8匹いたことが分かった


20XX年8月3日 22:24


360.名無し


>>359ここまで真面目に聞いた俺がバカだった


20XX年8月3日 22:24


361.名無し


うそに聞こえるのももっともだと思うが全部本当の話だ。ヤツはただもんじゃない。引き返してヤツと話したんだが、ヤツは武器を持たず手ぶらだった


20XX年8月3日 22:26


362.名無し


徘徊さん


20XX年8月3日 22:26


363.名無し


徘徊さん


20XX年8月3日 22:26


364.名無し


うそじゃないんだ。このことはセンターの情報窓口にいって話している


20XX年8月3日 22:27


365名無し


>>364.ハイハイ


20XX年8月3日 22:27


 ……



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