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おまけ 奏明と鈴明
「なぁ、鈴明。お主の名前は誰がつけたのだ?」
「あ……私の名前は父がつけたそうです。幼い頃、奏明様に助けられたご恩から、奏明様の明という字を頂いたと」
「そうだったのか? それは光栄だな」
「奏明様の名前はどなたがつけられたのですか?」
「朕の名は、母がつけたらしい。奏明は漢字を変えると聡明であろう? 聡明な子になるように、とのことだ」
「なるほど、二重の意味だったのですね!」
「ああ」
(単純だと思うが……鈴明とお揃いの明があるなら、この名前で良かった)
「鈴明は、もし子供が出来たらなんという名が良い?」
「子供ですか……。うーん、そうだなぁ。男の子なら──」
そうして2人は、しばらく名前の話で盛り上がるのであった。
これにて完結です。
お読みいただきありがとうございました!