表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/43

この重みはきっと愛でした。

弟たち二人が鼻をすすりながら部屋を出ていく音がした。

まぶたを開く余力もなかった。


僕のこの薄い金色の髪がきっとこの事件を巻き起こしてしまったのだろう。

この国で金髪を象徴するのは王家の証だった。濃ければ濃いほどその血が純血なことを示した。

それで言うと僕はほとんど金色とは程遠い王家の末裔ではあったが近年地上奪還を掲げる団体が洞窟計画を大批判しこの国の王権制度を廃止しようとしているらしい。

そこで、現大王を殺すよりも先に末裔からじわじわと攻めているんだろう。

まず安全地帯と呼ばれるあの場所で魔獣レベル7のマンディエゴが現れるとは考えにくい。確実にはめらたのだ。


王族だと隠すために末裔たちは国家の保護下に置かれるため安全が保証されていた。この6年もしかしたら自由に生きすぎたのかもしれない。


(なぁ、ソラス。僕は君のことがいつからか好きだったんだ。……困るよな、でもどこまでも正義感が強くて優しくて、それでもって愛情深い君が僕は好きだったんだ。

君がティアナと付き合おうとしてたのをやめてくれるように意地悪してごめん。

僕のせいで巻き込んでしまってごめん。

弟たちに立派な姿を見せてやれなくてごめん。)

かろうじてくっついている方の手を動かそうとしたが筋肉が固まりもう動かない。その時もう死期を悟った。


ピクっ何か手が重くなった気がする。

目も開ける気力がないまま考えているとおそらく、ソラスの手が自分の手に重なっているのだろうと思った。

死に際くらい好きに想像させて欲しい。


呪われた血だった。自分を縛り常に身を狙われる最悪な血だった。

それでもここにいた6年は本当に、可愛い弟ができて、親友ができてそれ以上の感情を知って、幸せだった。


ありがとう。神様。

カミエルが金髪の話をして自分が王族であることを話したのは親友であり愛する人だったソラスだけだったようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ