待って。
「おはようございます。」
横を見ると優しそうに笑うサフィアがいた。
「おはよう。」欠伸をしながら返事をした。
こんなやり取りをするのももう3ヶ月。
サフィアは近所の居酒屋で看板娘として働き出していた。
あぁやばい。眠すぎる……
「もうっ、起きてっていってるじゃなぁ(ガチャ)」
カイアルだろうか、寝室のドアが開く音がした。
「…え、何してんの?え?どういう状況、」心地いいお日様のような声が聞こえた。。。ん?お日様、、?
飛び起きてドアの方を見るとライオンのたてがみを思い浮かべるオレンジの髪に太陽を閉じ込めたような瞳。そして何より、耳についている赤黒い宝石が彼女を誰か示していた。
「ラ、ラァ、どうしたの?今日帰還だったけ?」
まずい。まずすぎる。確実に浮気者の流れだ。やばい。
「…今回の討伐は国家機密だから帰還日は言えないって言ったよね。……てか、その女誰?」
もう終わりだ。おそらくこの国で1、2位を争う戦力の彼女を前に俺は首を折られて終わるだろう。
「あ、あの。もしかしてラーナー・アッシリアさんですか!?」サフィア、この状況でその発言ができるお前のメンタルが俺は心底羨ましいよ。
「いかにも。私はラーナー・アッシリアだが?」
完全にスイッチが入ってしまっているラァを止められる人間はきっとこの世に存在しないだろう。
「よくも他人のベットへ上がり込んでくれたな。」
やばい。地上では戦闘狂とも呼ばれる彼女が洞窟の中でしかもこんなボロ家の中で狂ってしまった日にはもうおしまいだ。
「ラァよく聞いて欲しい。俺達には何の関係もない。本当に。ただ、一緒にベットにいただけなんだよ。」
……いやいや一緒にベットにいたって今まで何も思わなかったけどかなりまずい状況じゃないか、。
「えぇそうね。私は今あなたたち二人が同じベットにいるところしか見てないものね。どうやら私はお邪魔のようだから失礼するわ。もう二度とあなたには会いたくないの。」
あぁ行ってしまう。俺の太陽が、行かないで、行かないで、
「行かないでくれっ!ラァ本当に君を待っていたんだ。君だけを想って。」
彼女は家から出ていってしまった。
およそ3ヶ月ぶりの再会。……待ってくれよ。
これはジャス君がクズですよね。
まぁ実は少しクズ男を描きたかったんですけど……。