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サフィア

貴族中央支部からの帰り道。

俺は市民の住む街の中にある色町を通っていた。


どこから鼻をすする音が聞こえてきた。

辺りを見回すと裸足にボロ布を羽織った女性がたたずんでいた。

「おい、どうした?何かあった?」

俺は細心の注意を払って女性へ尋ねた。

「グズッ、私、す、捨てられたんです。」

途切れ途切れに聞こえるその声はかすれていて、何時間も泣いてるようだった。

「なんで?誰がどうして君を捨てた?」

「…、お客さんがあんまり取れなかったから。」

なるほど、おそらく彼女は春を売っていたんだろう。

シルクのような綺麗な色の銀髪はボサボサで、整った顔立ちも涙でぐちゃぐちゃだった。

「行く宛てはあるの?」

そう聞くと彼女はまた泣き出し大きく首を横に振った。

――――――――――――――――――――

「やぁ、遅かったな。待ちくたびれたよ」

家のドアを開けると、そこには少しやつれた相棒の姿があった。

その相棒は俺の後ろを見て目を見開いた。

「おいおい、お前いくら寂しいからって浮気はダメだろ。」

そう、俺はいてもたってもいられなくなり彼女を保護してしまったのだ。

「いや、別にそういうのじゃないから。

てかお前、勝手に家入んなよ。」

俺に続いて入ってきた彼女をカイアルはまじまじと見つめた。

「おい、この子の名前は?」

カイアルが彼女を椅子に案内すると俺に向かって尋ねてきた。

「名前…お前、名前なんて言うんだ?」

名前なんて聞いてきなかった。

「おい、お前名前も知らない奴を家にホイホイ入れんなよっ」

カイアルの発言にあー、これは結構本気で怒ってるなぁと思っていると、

「私…サフィアと申します。」

俯きながらサフィアは呟いた。

「あー、俺はジャスでこいつはカイアル。」

咄嗟に返すとまた彼女は泣き出し

「本当にありがとうございます。」

と彼女は何度もお辞儀をした。

彼はただただ正義感のために動いています。

それが彼の信念だから。

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