俺にとって君は勲章なんだ
今日はフラワー当日だった。
「ねぇ、ジャス私変じゃないかな?」
新人勲章を受賞したらしい彼女は勲章式に出席するようだった。
「あぁOKだ。ほんとに、誰にも見せたくないくらい可愛い。」
自分がアホなことを呟いているのは100も承知だった。
「ジャスも頑張ってね!」
そうおれはこの前あった火事の件で感謝状をいただけるらしい。感謝式は代表がひとり名前を呼ばれて全員でお辞儀をすれば終わりだからかなり楽だった。
「あぁ全力でお辞儀くらいするよ。」
俺の冗談に彼女のキャッキャという笑い声が聞こえた。
朝9時、俺たちふたりは普段着ている戦士の制服で会場である王宮庭園に向かった。
王宮と言ってもかなり広く庭園から城までは40キロあるとされているため、ある程度の距離までなら庭園を一般開放しているらしい。
俺の感謝状授与式は本当に五分くらいで終わった。
貢献状授与式も15分くらいで終わり、
とうとう、勲章授与式の番になった。
「討伐部隊ダイヤ。
勲章タムエル・ガーデリアン、
イリアス・リアーナ、
ラーナー・アッシリア前へ。」
勲章の証には剣にはめる最高度の強化魔石が送られるらしい。
「最優秀勲章タムエル・ガーデリアン
そなたに褒美として、中流貴族地区アラビの邸宅を寄贈す。」
最優秀勲章には褒美が贈られるらしい。
知らなかったな。と思っていると
「ラーナー・アッシリアって初めて見たけどめっちゃ可愛いな。」
「オレめっちゃタイプかも」
おいおいおいおい。そうだよな、まぁそうだよな誰が見ても可愛いけど、あいつ俺の女だからな?俺だけの姫様だからな?
彼女が受賞してるのをそっちのけで闘争心を燃やした。
「おい、お前ら絶対ラーナーに話しかけんなよ。話しかけたら殺す。」
こんな大切な日になんて事を口走ってんだと自分でも呆れた。
「いやいや、感謝状程度で調子乗りすぎだろ笑」
「さっすが、あの女地上で魔獣てなずけてるだけじゃなくて洞窟でもヤバいやつ飼ってるやん笑」モブみたいなやつら2人が完全に俺とラァを見下してきたことが許せなかった。
「おい、人の彼女をあの女って言うんじゃねぇよ、」
我慢できなくなって拳を振り上げた瞬間、
「キャッ、ジャス。なにやってんの?」
しまった。
彼女の前では問題は起こさないつもりだったのに。
「いやぁ、昔の友達に会ってじゃれてたんだよ。」
もう嘘をつくしか無かった。
こんなダサいところさすがに見られたくない。
「そ、そうなの。…もう次のところ行きましょ。」
そう言ってラァは俺を連れ出した。絶対誤魔化したことがバレてる空気がいたたまれなくなって、
「受賞おめでとう。すごいな。」
とは言ったもののもうどうしても自分がダサすぎて隠れてしまいたかった。
「ありがとう。」そう言って優しく微笑む彼女を俺はもう直視できなかった。
ちなみにですが、警備部門アメジストで勲章が4人に贈られましたがその1人はアリアンヌ先輩です。
初めての受賞に大はしゃぎして次の日二日酔いだったそうです。