1週間後
彼女の体調も回復し俺たちは2人で住む家を探しに行った。
「ねぇ、さすがにベットは大きいの1つだよね?」
顔を赤くするくらいならわざわざそんなこといわなければいいのに。
いや、もしかしてこれは誘われてるのか、、
それとも、俺が手を出すのが遅いって遠回しに言われてる?
それか、、そんな邪なことを考えていると、
「ねぇ、聞いてる?まさか、変なこと考えてる?」
図星を彼女につかれてしまった。
「エ、イ、イャ、そんなことねぇから、
まぁ家賃払えないくらいは少し困るけど。」
彼女は結局3ヶ月遠征で家にいない。
2ヶ月の休暇期間も1ヶ月間は訓練があるから結局1年で彼女が家にいるのは2、3ヶ月なのだ。
だから別に彼女に家賃を出させる気はなかった。
「だから、私も出すって。」
ブツブツと文句を言われたが聞こえないふりをした。
「あ、ねぇ、そう。
言わなきゃいけなかったんだけど来週あるフラワーに私参加しなきゃいけないの。だから用事が終わったら一緒に出店回ろうよ。」
フラワーはこの国で1番盛り上がる祭典だった。
元々のメインは警備隊や討伐隊、養成員など国家の犬と呼ばれる者達が殉死してしまった場合、命を掲げ国に尽くしてくれた。
という誠意を払って弔う弔い事なのだが、
それに合わせパール。アメジスト。ダイヤ。
この3つの部隊で活躍した数名に勲章、感謝状、貢献状が送られるという行事もあるのだ。
「俺も久々に兄貴に会いたいからちょうど行こうと思ってたんだ。」
今回は養成所を出て初めてのフラワーだった。
養成所にいる時はフラワーへの参加は禁止で養成所内で弔いごとの儀式が行われるだけだったから、兄貴達の骨が埋められた王宮管理の庭園を訪れるのは今回が初めてだった。
「お兄さん紹介してよ。私も挨拶したいしっ」
少し嬉しそうにそう言った彼女を俺も兄貴たち2人に見せたいと思った。