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マリアンヌ

かなり全力で捜査願が出されていた人たちを探した。三日三晩帰らず、食べず、寝ず本当に全力を尽くした。

だが、火事の日から3日たった今日でもまだ炎は燃え上がり、様々な地域で被害が拡大しているらしかった。

「なぜ、ここまで火事が終わらないんですか。おかしいです。」

俺は一緒に捜索をしていたマリアヌ先輩に疑問を投げかけた。

「いいか、私たちは常に平常心を持って疑いの心から物事を見てはいけない。

だが、おそらくこれは誰かがどこかで火をつけているはずだ。」

高く結んでいたはずのポニーテールはもう元気を無くし、ススだらけの顔で俺に返事をした。

「誰かが?火をつけてる?そんなこと有り得るんですか?」

「お前の疑いの心を持たない純粋な精神だけは認めてやろう。

だが考えろ。ここロザルディンは唯一日が当たる場所だ。それ故に王宮への献上品がかなり多い。ここを狙わないのはその理由だ。

逆にロザルディンの近くなら酸素も不足せずよく燃えるからな、おそらくそれが狙いだろう。」

マリアンヌ先輩は何回事件を何度も解決した捜査班に所属していると言っていた。

なるほど、かなり賢い人なのは話していると伝わってきた。

――捜索活動一旦停止――

国全土に響き渡る警戒警報からそう聞こえてきた。

(ザザァ、こちらロザルディン駐屯地。ただいま活動一旦停止。至急集まれ。)

通信魔法石に隊長からの通達があり俺は久々にロザルディンに戻った。


「先程国から通達があった。おそらくこれは地上奪還派閥の人間が洞窟計画の不満を募らせることを目的に行われた犯行のようだ。」

アリアンヌ先輩の言っていた通りだ。

「よって只今から地上奪還派閥の者達を国家転覆罪として捜査を行う。一つ残らず証拠を集めるように。火をつけているやつは必ず連行しろ。以上解散。戻れ。」

そう言われまた任務へと走った。


「今の招集する必要ありました?」

俺はだるそうにマリアンヌ先輩に聞くと

「確実にあっただろう。おそらく通信魔法石に盗聴があった。それか仲間割れだろな。」

そう言って彼女はお年寄りリストをペラペラとめくっていた。

この人にはきっと敵わないと思った。


大切なものが失われる時大概火事なんですよね。

読みたかった文献や見てみたかった建物。再現できても本物には絶対適わないと思うんです。

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