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陽のあたる場所ロザルディン

研修期間が終了しアメジストに入隊しった同志達は配属先へと散っていった。

「おい!ジャス!お前は俺は俺がしごいてやる!」隊長にそう言われ配属先が決まった。

配属先はロザルディンと呼ばれるこの国で唯一天井に穴が空いており日光が入る場所だった。

天井に穴が空いているため、時々魔獣が現れる場所でもある。



そこで隊長にしごかれながら2ヶ月がたった。


「隊長!おねがいです。今日だけは仕事をください!」

俺はラァが帰ってくる今日だけはどうしても休みが欲しかった。

「バカヤロウ!今日なんて凱旋でどんちゃん騒ぎなんだから1番警備がいる日だろっ。」

「お願いです!午後だけでも!彼女が帰ってくるんです!」

「はぁ?女ァ?ダメに決まってらァ!

そんなやり取りをここ1週間ずっと続けてやっと当日午後だけ休暇の許可が出たのだ。


凱旋からダイヤの隊列の解散場所までここロザルディンはかなり距離があった。

どうしよう。新人でお金もない俺たちは通信魔法石も持っていない。

…出会えるだろうか。

なんて考えていると、もうすぐ仕事が終わるという頃に一人の女性が尋ねてきた。ラァだった。

「ラァ!!!会いたかったよ」

「会いに来てくれないから私の事忘れたのかと思った。」そう拗ねて言った姿を見て彼女が帰ってきたのだと実感した。

「おい!小僧何やってる!」隊長が話し声を聞いて仮眠室から出てきたようだった。

「おい、お前さん我が国最高の逸材だろ!?なんでここにいるんだ?」

目を白黒させてそういった隊長にラァは

「初めまして、ご挨拶申し上げます。ジャスとお付き合いをしています。ラーナー・アッシリアでございます。」

一流騎士の敬礼に目を奪われていると隊長が、

「リサ・サラマンダーを知っているか?」と聞いていた。

「え、えぇはい。我が国最高の剣の異名を持つ英雄ですよね?」

「あ、あぁ。会ったことはあるか?」

「ありません。歴史によると彼女が亡くなったのは私が4歳のときですから。そこまでの剣豪なら1度お会いしてみたかったです。」と答えた。

リサ・サラマンダーはかなり有名な女性騎士で、かなりの美貌に今でも弔事フラワーでは彼女の石碑の前に沢山の花が送られると言われている人だ。

確かにラァも可愛いが、なぜリサの話を?

「おい、小僧休暇に入っていいぞ。

相手がダイヤの人間なら仕方ない。1週間仕事に来るな。」

そう言って隊長は仮眠室へ戻って行った。


「ラァ、疲れたでしょ?ごめんねここまでこさせてしまって。」

「ううん。早く会いたかったもの。」

そう言いながら眩しく笑う彼女が大好きだった。

「怪我してない?」

「…あっ、そんな酷いのはしてないよ。」

「怪我したの?見せて?」

「簡単に見せられるところじゃないから。…てかさ!今日私泊まるところないんだよね。家も契約してないし」

泊めてくれと言わんばかりにこちらを見上げてくる。

「何されても文句言えないぞ?」

「サイテー、てかジャスそんな人じゃないでしょ?」

「好きな人が前だと分からないから。」

そんな会話をしながら幸せを噛みめて歩いていると天気が崩れてきた。

ポツポツと雨が降り出し2人で近くのカフェへと避難をした。

「少し濡れちゃったね…、はい。タオル、」

そう言って彼女はポケットから大きめの医療用ガーゼを取りだした。

「ありがと。このガーゼをタオルにしてたら肌痛めるよ?」

「んーまぁ、緊急時に使えるからOK!」

そう言いながら彼女は運ばれてきた激甘キャラメルラテをすすって幸せそうな顔をしていた。

「1週間休み貰ったからさ、どっか行こうか。」

そういうと彼女は目を輝かせて行きたいところを考え出した。

ふと外を見ると、雨は上がっていた。

「あー、そっかここには虹が出ないんだ。」とつまんなさそうに外を見つめる彼女。

「虹って何?」

「んー、光の粒が太陽の光に反射すると光がそれぞれの長さに伸びて7色が見えるの。」

そう言って伝票の裏に虹の絵を書いてくれた。


カフェを出て家の方へ向かう途中

「え!?アレっ虹だよ!ジャスほら、」そう言って彼女は指を指した

ここはこの国で唯一陽の当たる場所ロザルディン。もしかしたら虹というものもできるのかもしれない。

「…綺麗だな。」

「でしょ!?あれを見つけると幸せになれるのよ。」ニコニコしながらうっすらと7色になった空を彼女は指さした。


リタ・サラマンダー一体何者なのか…。

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