私は最高の逸材。
約700人の養成員の最終順位上位者を掲載している。看護選考の奴らは隣の教授から順位表を受け取れ。」引き締まった女教官の声が大ホールの中でこだました。
紙を受け取るとなんとそこには上位にジャス・バーナーの名前があった。
少し嬉しく思っていると、
「そして、アッシリア後で執務室へ来るように。」
女教官は綺麗な赤い目で私を見た。
コンコン「失礼致します。メリッサ教官。号室番号463ラーナー・アッシリアです。入室許可をお願いします。」
「入りなさい。」
どうやら、入室許可が出たようだった。
「失礼致します。」中はいつも通りインクの独特の匂いと、野蛮的に輝く1本の剣が際立つこじんまりとした部屋だった。
「アッシリア。おまえは養成員のトップで卒業となった。そこでお前に国から異名が送られると言うことはわかっているな?」
そう。ここ養成所を総合トップで卒業したものには国から異名が送られることになっている。
かつてその異名をさすがったもの達はいずれ英雄と呼ばれこの国の発展に何人も命をかけて貢献してきた。
「はい。身に余る名誉大変嬉しく思っております。」
「そうか、先程お前の異名が決定し明日の全体卒業式典でその名が送られるはずだ。心して受け取るように。」
「心して挑まさせていただきます。」
そう答え教官から退室の合図が出されたので執務室を後にした。
次の日。町中はお祭り騒ぎだった。王宮で行われる式典ということもあり我々養成員の卒業式典はかなり街を盛り上げ経済効果を生み出すということで盛大に行われることはかなり重要視さるのだ。
初めての王宮でとても緊張する中自分の異名冠位が行われる番となった。
「ラーナー・アッシリア」
遠くにいて顔はよく分からないがとても威厳のある声で私の名前が呼ばれた。
「はいっ。」
長く続く赤い絨毯の上を歩いて国王の元へ進んで行った。
私はそこで初めて花を見た。
王宮の庭園で行われる式典には数々の花が自分が1番だと主張するかのように咲き乱れていた。
国民が光量問題に悩まされる中王宮にはここまで沢山の花が咲くほど十分な光量があることはこの庭を見れば自明の事だった。
気がつけばすでに国王の近くまで来ており力を引きしめ直した。
「ラーナー・アッシリア。お主の絶え間ぬ日々の努力と、水高なる技術。そして何よりその誇り高き精神に我アーリオリアス・テレベッサより異名を送る。」
空気が静まり返り頬に触れる空気が冷たさをました気がした。
「お主に最高の逸材という異名を送る。」
そう国王が空気を震わせたあと王宮全体がグラッと揺れ祝福の声や音楽が流れ始めたのを感じた。
私と目を合わせ優しそうに微笑む国王に私は少し違和感を感じてその日は幕を閉じたのだった。