いい女
検問所に戻ると資料の整理をアッシリアがしていた。
「ただいま。あの、昨日の事件解決しました。」
「もうですか?犯人連れてきてもないし」
「犯人に会うのが嫌だと思ったんで、少し離れたところで解決してきました。」
そういうと彼女は少し恥ずかしそうに
「ありがとうございます……。」と言った。
それから俺たちの関係は少しづつだったけど進んでいった。
二人窓口で並んで座っている時机の下で手を繋いでみたり。
任務後フラワー祭へ2人で足を運んでみたり。
くだらない話をして笑いあったり。
キャラメルを買いに行ったり。
初めての春だった。
毎日が満たされていて自他ともに認める幸せの最中にいた。
そんな中無事任務期間は終了し各々が自分たちの養成所へ戻ることになった。
「よォ!久しぶりだな」
眩しいくらいの明るい金髪と紺色にも近い濃い碧眼を持ち端正で中性的な顔のやつが話しかけてきた。
「あぁ、カイアルお前はどうだったんだ。」俺は元々警備隊アメジスト志望だったから今回の任務地だったが、文官パール志望のカイアルは地方財政の手伝いをしていたはずだった。
「んぁ、最悪だったよ。雑用ばっかりだった。お前は?」
「あぁ、俺もだ。」
「いい女とか居なかったのかよ」
「…いい女くらいいたさ」
「お前がそんなこと言うなんて珍しいなり名前は?」
「ラーナー・アッシリアだ」
「ふーん。アッシリアね…可愛いの?それか、スタイルがいいとか?」
「教えねぇよ。」
どこにでもあるようなやり取りをしている時だった。
「8つの養成所総勢700人の中でも最も優れた上位20人が掲載されている。これが諸君らの最終順位だ。心するように。」
低く唸る声と共に教官が入ってきてプリントを回された。
その紙には
1位 ラーナー・アッシリア
2位 シトラス・トランカー
3位カイアル・ブルスター
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6位ジャス・バーナー
「おいっジャス、お前6位だぞ!」
声をかけてきた友人に肩を組まれ揺すられた。
「まぁ俺他の人より3年間長くここに居るから、、」7歳で入れても規則的に16歳まではここを出ることは出来なかった。
だから俺は人より少し長くここで学んだため技術が高いのは当たり前だった。
「おい、ジャスお前が言ったいい女ってこのここに書かれてる首席じゃないよな……。」
カイアルのその言葉に俺は紙へと視線を移した。