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彼もまた被害者なのかもしれない、

彼女は震えながらもポツポツと話をしてくれた。

1日目俺が巡回中かなりあのおっさんに絡まれたようだ。

だから、巡回時間について文句を言ってしまったと言っていた。まぁたしかに5時間も絡まれればキレるわな。

それから遠くでずっと窓口を見つめられてて怖かった話やジュースには確実になにか入れられてると思ったけど警備側の自分が根拠もなしに国民を疑えなかったことを話してくれた。

震えた彼女を見て、作ったことは無かったが砂糖たっぷりのホットミルクを出してあげた。

1口飲んだだけで泣き出した彼女を何もしずに放置することなんかできず、気がついたら彼女を自分の胸に抱いていた。


すると怖かったと泣きじゃくる彼女が胴体へと手を回した来た、キスがしたかった。でも全く経験がなかった俺はただ背中をさすることしかできなかった。


一緒に談話室で仮眠を取ったあと、今日も一日任務が始まった。

「おはよう」いつもはかなり気まずく挨拶を交わすが今は起きたばかりのアッシリアさんが腕の中にいる。

「おはよう。」少し照れながら見上げてくる姿がほんとに愛おしくて理性が飛びそうになった。

「今日は犯人を捕まえるために巡回を兼ねて捜査してくるのでアッシリアさんは検問所にいて下さい。出来ますか?」

「…近くにいてください。」

そんなこと言われたら死んでしまうだろっと思いながらも近くにあった飴をひとつ彼女の口へ入れた。

「大丈夫です。絶対不安にさせませんから。」そう微笑むと少し焦れったそうに頷いてくれた。


彼女の発言から重要注意人物のリストにはあの男はいなかったらしい。

呂律が少し遅めだったことと、歩き方が不安定だったことから、アルコール依存症の可能性が高いと見ていくつかの酒屋を聞き込みながら回ったがめぼしい人は見つからなかった。


今日は早めに切り上げようと検問所の近くへ行くと、遠くから窓口の方を覗いているちっさいおっさんがいた。

確実にあいつだった。

「すみません。職務質問をさせていただきます。」必ず犯人だったとしても声掛けにはルールがある。

規則乗っ取り丁寧に声をかけたが男は逃げ出した。

足取りは重くふらついていたためかなり簡単に捕まえられた。

彼はここの地帯でかなり有名な商家の長男であることがわかった。

すぐに家へ連絡を入れ近くの公園まで迎えに来てもらうと、ここ最近の不景気で精神異常を起こし強い薬を飲んでいたことがわかった。おそらく薬の副作用で理性に歯止めが聞かなくなったようだった。

親御さんと話し合い謝罪をされたが、彼もある種のこの国の洞窟計画の財政難で起きた被害者だと思うと被害者では無い俺が攻めることは出来なかった。


今できることは彼女の元に早く帰ることだと思い。早々に仕事を切りあげることにした。

でれでれの甘々が欲しいですよね。やっぱり。

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