バタースコッチ
2日目
夜勤組と入れ替わりで仮眠室を出ると少し眠そうな彼女がいた。
「お、おはよう。」
「……今日は私が巡回に行きます。」
「あ、了解」
業務連絡しか話してくれないあっさりさに、少しガッカリしたのもつかの間彼女は既に巡回に出てしまっていた。
彼女が出ていって1時間くらいした時窓口のガラクがコンコンと叩かれた。
見てみると、小さめのおおらかな30代くらいの男の人が立っていた。
「あのぉ〜、ラーナーちゃんって居ますか?」
ラーナー……知らん。
「すみません。ラーナーは居りません。何か御用がありましたら私が対処致します。」
「あー、そう。ならいい」
そう言ってフラフラと小さいおっさんは去っていった。
そんなことがあってから1時間ほどしてアッシリアさんは帰ってきた。
確実に巡回したら四時間かかる道のりをたったの二時間ちょっとで戻ってきたのだった。
「あ、これ活動報告書です。」
そう差し出された報告書も丁寧に書いてあり、彼女が只者では無いことは必然的だった。
「何かありました?」
見すぎていたのだろうか、冷たく聞かれ思わずキョドってしまう。
「いえ、何も……。」
「なら、良かったです。ではシャワーを浴びてきます。」
もしかして、今の問は任務についてだったのかもしれない。と気がついたのは布団に入った時だった。
その日も仕事が終わり夜勤組と任務を交代したあと談話室で、夜ご飯を食べていた。
俺は常備してある保存食に湯を入れて食べていたが、アッシリアさんは巷で有名な甘すぎて食べられないと言われている【⠀バタースコッチ 】という名前のキャラメルを3、4個幸せそうに食べていた。
あの細く引き締まった体にそれだけは色々体に悪そうだと思った
ご愛読ありがとうございます