第7話 愛
巨大なカラスがトルマリンを
捕まえて飛んでいるときに温和も飛んでいく。
『告、個体名はブレイザー
主にシンメルト大森林の奥に生息している飛竜の一種です。』
黒く夜を思わせる羽根、黄金の足についた爪は生物を切り裂く、
全長は十メートル翼を広げれば全長はもっと伸びるはず
前世の鳥の中でもトップクラスの大きさを誇る。
だか、よく見るとそこまでカラスに似ていない、
まず、体全体は黒い鱗に包まれている。
一つ一つ鋭利な鱗は太陽光を反射し
輝いでいる。
鳥と恐竜を足して割る二をした姿。
たくさんの鱗に覆われ、
巨大を誇りながら
圧倒的な速度で飛行している。
三日しか飛んでいなかった温和は
鳥に追いつけない。
「経験の差が仕方ない、
これでも喰らえ、火の玉」
仕方なく、
トルマリンを傷つけないために彼女に害のない
火を出し攻撃する。
家やマンモスを消し灰になるほどの
爆炎を近距離で放ってもトルマリンは一切やけどを負わない。
炎を放った喉元も一切。
当たれば生物を焼き尽くす炎の塊、
前世に存在する動物なら当たればすぐに灰になる。
「!!!」
しかし、鳥はそれを躱し、
逆に方向を変え急接近した。
「うそおおお」
カラスはサマーソルトで
宙返りしながら足で捕まえっているトルマリンを
俺にぶつけてきた。
「ごあ」
俺はぶつけた衝撃で
そのまま、地面にぶつけた。
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
サマーソルトを食らって
全身に凄惨な擦過傷と打撲を受けた温和だか、
その尋常ならざる精神力で無理やり体を立たせた。
凄惨な傷を負った温和を見向きもせず
相手は優雅のままにそのまま飛行した。
「待って、待ちやがれ。」
相手は待ってくれない。
弱者の叫びなど強者に届かない。
このまま、トルマリンはブレイザーに食われるだろう。
自分のせいだ。
自分があの時、ちゃんとしていれば
こんなことに
「死にやがれこの野郎。」
何でもいい、
こいつを撃ち落とせばいい。
火の玉を生み出し、
それを砲弾にして目の前の剝奪者を撃ち落とす。
自分で捨てたくせにそんなこと言える資格はない。
炎の砲弾は
今、空を飛んでいる捕食者を撃ち落とそうとするが
躱され、捕食者を落とせない火は落ち、
森は火事になった。
このままだと、山火事になり森はどんどん燃えてしまう。
だか、そんなことはどうでもいい
俺はトルマリンを救いたいのだ。
俺はどんな手段も使った。
物質操作で風、土や
周辺の物質を鳥野郎に目掛けて放ったが
鳥野郎はそれを優雅に躱した。
俺は傷んだ翼を無理やり、
駆使し飛んで追いかけた。
飛んでいる、この空を
本来、飛んでいると空から見える景色は美しく
見惚れるが今は全然綺麗とは思えない。
思わないではなく思えない。
考えている時間はないから。
あれから、マナスルから何も話してこない。
でもそれでいい。
これは白木温和の罪だから、
白木温和がやらなくちゃいけない。
あれから、いろんな攻撃をした。
魔力も少なくなっているから、物質操作で攻撃している。
これだけ、攻撃しているのに
ブレイザーは悠々と躱している。
こっちの翼も限界だ。
どんどん距離が離れていく。
この距離からの攻撃でも対応できる何で、
そもそも、大体おかしいだろう。
風の刃は透明の攻撃だ。
それを、躱す。何で
どういう仕組みだ。
目で見たのか。
そんな馬鹿なここからあそこまでどれくらいの距離があるのか
分かっている?
目?
待って、目で見た。
そういえば、俺が攻撃したときにいつもこっち見てきたな
試してみよう。
俺は翼を極限までに酷使し
近づいて死神の刃を使った。
結果、避けた。
見えているのだ。
透明の刃をここからの距離からの攻撃でも
見えているのだ。
まず、あの目を攻撃して、
いや、どうやって、攻撃は全部避けているのよ。
考えろ、何でもいい。
こいつに攻撃を当たらせるのだ。
あった。
捕食者はすこぶる機嫌がよかった。
こんなにも美味しい餌をとれたから。
だか、それも、終わりだ。
また、追ってくる邪魔者を見て攻撃をかわす。
自身は攻撃を仕掛けない。
追跡者はもう虫の息、
こちらから手を下すまでもなく自滅するから。
透明の刃。死神の刃の最大の特徴はその隠密性
放たれた後は相手はほとんど攻撃をかわすことができない。
例え、わかったとしてもよけることはできないのだ。
だか、天空の捕食者はそれを悠々と躱した。
また、何か仕掛けるかもしれないと思い、
邪魔者を見た。
その瞬間、目は真っ白になった。
「ぎゃあああああああ」
目は激しい痛みを負い、
その後、業火に焼かれ
捕食者は堕ちる。
温和は光を操作して反射したのだ。
早く、目を潰す方法を探し、
最速の光を選んだ。
太陽光を直接に見てしまった鳥は空中でバランスを崩し、
そのまま、温和は火を放ち命中、トルマリンは落下した。
そのまま。トルマリンを捕まえて地面に下ろした。
トルマリンを下ろした後。
ブレイザーは直ぐに視力を取り戻した。
流石異世界。
異世界の生物は普通に失明するほどの光を目で見ても何ともないな。
「かあああああああああ」
「相当、怒っているな。
しょうがないよね。食事の邪魔をして
でも、こっちも怒っているのだ。
お前、殺す」
腿節の上にある宝物抱えながら
俺は目の前の捕食者に殺意を抱く。
俺はトルマリンを抱えたままのせいで鎌を使えず
物質操作で地面を操作し槍などを生成して攻撃する。
ブレイザーは黒い翼を使い空を飛び
プレスを撃ってくる
魔力はもうないため火も出すこともできず
逆にカラスもどきは火を出し攻撃してくる。
さっきいった場所は穴が開き
爆発音とともに焦げ匂いが匂う。
物質操作で大地の槍で反撃したが
直ぐに避けてしまう。
超能力は魔力を使わないが
使うたびに体は重くなり
このままじゃ、体力がなくなり倒れてしまう。
「があああああああああ」
邪魔者を排除するため
翼を広げて飛んでいって口の中にあるプレスで敵を打つ。
口から放たれた炎の魔弾は
敵を灰にする。
それはできない。
「ばんんん」
魔弾は突然何もない空中で爆発した。
しかも、火は消えずに空中で膨張どんどん大きくなる。
火は意思を持っているこちらに来て
なんと、主に攻撃した。
「がああああああああああ」
燃える、羽も肉も燃えてだんだん嫌な匂いがしてきた。
「どうだ、焼き鳥、火災旋風って知っているが
風がぐるぐる周りその中に火があるとまるでトルネードのように
燃え上がる、地震などによく起こるが
まあ、流石に本来の自然現象には勝てないが」
言葉がわからない捕食者だけと
本能でわかったこれはヤバいと。
これはヤバいと野生の本能でもわかるように
この擬似的な火災旋風を抜けようと翼を広げて飛ぶ。
だか、空を飛ぼう上に向かうと透明の壁に阻まれたようにぶつかった。
「無駄だ!!!、俺は気絶前提でこの大気の壁を形成している
正直今でも気絶しそうだかここでお前を倒さないといけないんだ」
もはや、ブレイザーの逃げ場はない身についた鱗
もろとも、このまま灰になれ。
詰みだと温和は思った。
完璧の作戦、そして、気絶前提で超能力を酷使している。
成功したら気絶してしまい
その後、また、新しい敵が襲ってくるかもしれないが
今、ブレイザーを先に倒さなくてはいけない。
「この戦いが終わったら、
たらふく食わせてやるよトルマリン。
いつも思ったけどトルマリンで呼ぶにくいな自分でつけたのに」
愛称でマリンでのもいいな.
苦しむブレイザーは
火によりまるで、焼き鳥のようにいい匂いが来る
「がああああああああああああ」
「おおおおおおおおおおおおおやああああああああああああああああああ」
温和は物質操作で風と風の見えない透明な壁を維持するのに精一杯
もしも、何かのはずみで能力が制御が難しくなったら一気に崩壊するだろう。
しかし、時間制限もある
今すぐに倒れても不思議ではない。
「だから、早く倒れろ
何で死なないんだ。丈夫すぎるだろう」
普通の生物なら今すぐに灰になるのに
流石は異世界。
どんどん火力は上がるのに
未だに動き続ける
なき声は聞こえなくなったが
それでも動き続ける
凄まじい執念だ。
このまま火力が上がっていけば死ぬだろう。
?・・・
火力が上がっている?
明らかにおかしい
別に風を送っているわけでもないのに
不自然に火力が上がる。
まるで、ガスバーナーでお遊び半分で紙を入れると同じくらい
馬鹿げている。
しかも、制御が徐々に難しくなっている
このままでは耐えきれない。
実際に火の牢獄はどんどん乱れていき
熱風が感じ取れる。
「何だ何が原因だ。
お前は一体なにをしたあ」
その時に見た
こいつは火を吹いている。
火を吹けば逆効果になるのに
それを逆手に取り俺の能力操作を邪魔をしてきた。
こいつ、鶏の癖に無意味に賢い。
「もうだめだ」
ついに限界を迎え
能力が強制終了。
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
火の牢獄が終わり、
周辺は焼き野原になり焦げ匂いが漂わせる。
その中にまるで、カラスの焼き鳥みたいな鳥がいた。
それを見て一切の身動きが取れない温和の姿もいた。
「ぐうう」
魔力は少ししか残っていないが何にも役に立たないだろう。
腿節で抱えている龍は意識不明ながら声を出し
生きている証拠になっているにも拘わらず
何もできずに死んでいくだろう。
でも、楽しかったな。
そもそも俺は死んだ。
妹を守った。
最後に生きたいと思ったけど
死んで、生まれ変わった。
だから、また生まれてこのように死んだとしても
元々二回目の人生のもらった自分にとってそこまで悲しまない。
矛盾しているのかもしれない
でも
「があああああああああ」
「また、生きたかった」
灼熱の炎に包まれ
今度こそ生きたいと思っても
叶わず火が無情に温和に刺した。
燃え上がる炎、
草や木に着火しどんどん広がる
このままじゃ森全体が焼け野原になってしまうが、
彼には関係ないことだ。
それにもう勝った、
まるで、悪魔が登場でもしたような
炎の海ができた。
このまま自分にも被害が及びだか
呼吸を整え体力を回復してからでも遅くはない
そして、その場に座ろうとするが、炎は不自然に形を変えた。
座ろうとしたのに
不可解な現象を起きたせいで
思わず立ち身を構える。
すると、炎は徐々に広げて消えた。
水でもかけられたわけでもないのに
まるで、ガスバーナーの元栓を閉めたのように簡単に消えた。
明らかな異常事態に
これをサルでも警戒してしまう。
煙が漂い目が見えない程に直ぐ、
だか、時間と経過するとともにその全貌が明らかになった
焦げ跡は凄く、木も草もそこに行った虫すらも燃え尽き
焦げ匂いを漂わせた。
一切無差別に
だか例外を除き
晴れた瞬間に多少の焦げ跡が付いた温和たちの姿が居た。
生きたかった、そう思った
死にたいと思うことでそう簡単に思えるものではないなと思った。
これはキセキかまたは必然か。
炎の中俺はトルマリンを抱きしめているときにトルマリンが発光
炎は意思を持つように遠ざかり消えた。
紅い宝石のような目を目の前の捕食者を睨みつける。
そして、こっちを向いてくれた。
赤い舌を出し、
頬を舐めてくれた。
今、しっかり見てくれる
「許してくれるのか」
「キュンン」
嬉しかった、でも、自分は自分を許さない。
どんな理由でも捨てたのは事実だ。
「俺を信じてくれるのか」
「キュンキュン」
言葉の意味を分かっているのか?
でも、わかってくれたと思う
「君が俺を信じてくれるのなら、
それに答えよう。見ててくれ。」
能力の代償。
震える足を正し、
俺は捕食者を見た
「俺はトルマリンのことを好きだ。
短い間けど本当に好きになったのだ。
だから、守る今度こそ
絶対に見捨てたりはしない」
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
捕食者は終わりにしたいと思った
今すぐにそれ故全魔力を注ぎ特大のプレスを放つ。
炎の息吹は使用者の喉元をも焼き尽くし
温和に直撃し、そのまま、後ろの森ごと焦土と化す。
煙が上がり大量の二酸化炭素が発生
決まったと思いきや。
そこには、ほんの少し
一人分のスペースを覆う虹色の盾みたいなものが存在し
急に消滅しそこには無傷な温和の姿が居た。
「アイテムボックス、収納口を盾代わりにしたら
いやあ~意外と行けたかも何で気付かなかっただろうね。」
でもーと続き鎌の切端から歪みが発生し
その中にさっきのプレスが入っていた
それに続くようにトルマリンも口元でプレスを準備した。
「さようなら、焼き鳥
来世でまた会おう」
俺とトルマリンの合体技で焼き鳥は跡形もなく消し飛んだ。
それを見届けた後
「あ、これ、やばいかも」
俺は倒れた今までの疲労かも。
次に目覚めたのは洞窟の中だ
「キュン」
「トルマリン、いや、マリンが運んでくれたの?」
「キュン」
俺はマリンに抱いた
ありがとうと呼んだ
そして
「愛している」
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