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転生したらカマキリになってしまった。  作者: ネシエル
第一部 異世界編 第一章 トルマリン消失
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第5話  どうすれば、いいのか

「燃えた、全部燃えてしまったあああ」


素材、家、今まで頑張って

苦労してやっと作り上げたものが

一瞬で灰になる姿を温和は死んだ魚の目で見た。


「目は虫だかな、はあぁあああ」


幸い、直ぐに鎮火して森が山火事になることはなかったが

何で、こうなった。


「キュン」


「いや、かわいい鳴き声をしても

全然、かわいく感じないぞ。

この野郎」


今、俺の隣に無邪気に悪気もなく

四肢で寝るように座っているこのバカ者を見ている。


『こいつ、本当に反省しているのか?

いや待て、温和。

お前は生まれたての赤ちゃんに泣くだけで

怒ること一緒だ。

情けないぞ。

こういう時は平常心だ平常心。』


すうはすうは


深呼吸をして冷静になる。


トルマリンはまだ、あれだけ注意すれば

反省しているはずだ。



温和はトルマリンがあれだけ叱っておけば

分かるだろうと思い、様子を見ようと

振り返った。


『きっと、はんせいしているはずだ』


「キュン、ぷああああああああああ」


思い切り、火を噴いて遊んでいる。


その様子を温和が見てしまい、

頭に血が上った。


「この野郎!!!」


「キュン」


「お前はどうして反省しないのだ。

お前のせいで家が燃えたんだよ。」


「キュンう」


急に怒鳴ってしまい

トルマリンは怖かってしまった。


身を潜め、上目遣いをしてきた

そんなに目をキラキラしてもだめだ。


「いいか、火を噴くのはいいが

むやみに火を噴いちゃだめだ。

特に家の中で火遊びはだめでやるなら外でやれ。」


でも、外でやると山火事になるのではないか。

温和は心配する一方でトルマリンは頭を傾けた。


「キュンンん?」


「わかったか?」


「キュル」


目も合わさず

長い首をそらした。


『不安だ。

しかし、冷静になれ。

俺は今、赤ちゃんが泣いているのに

泣くなと怒鳴りつけていると同じだぞ

情けない情けない。

今、俺がやらなければならないことは

家を建て直し、今日の晩御飯を狩ることだ。』


燃え尽きた家のために建てた洞窟の隣にもう一回

同じ、大きさの穴を開けさせた。


ドア代わりの岩が健在で、

これをはめさせれば完成。


新しい家だ。


素材は全部燃えてしまったが

まだ、集めればいい。


そこに、トルマリンを持ち上げて

洞窟の中に置いておく。


換気用の隙間を作り俺は森に入る。



だか、正直言って怖い。

また、何かをやらかしてしまうではないかで心配だ。


しかし、狩りにいかねばならない。


「心配する前に飢え死になると

洒落にならないからな」


でも、これで家の問題は解決。


家を燃やされ、すべての努力を無駄にされたこの気持ち

まるで、夜遅くまで終わらせた仕事を

間違って全部消して。


やり直しさせられる無気力に似ている。


何やっても無駄だ。

やったとしても意味がない時と同じ気分だ


「はああああ」


俺は無力感を味わいながら

両手の鎌で獲物を探し始めた。





火の玉(フレアボール)


何の意味もないのに技名を叫びながら

今、俺、温和は巨大な魔物と戦っている。


名はヴルゲイーン。


見た目はマンモスを数倍大きくした見た目の巨大象。

全長及び身長なんかは十メートルをとうに超えている。



十メートルと言われて

どのくらい大きいか実感できない人には

普通の象の全長及び身長は三メートル、

つまりこの魔物は普通の象の約三倍の大きさだと

言われたら容易に想像できるだろう。


それでも、象だろう。

大きくなっても弱いだろと思っても

中身は全然違う。


皮膚柔らかくしなやかなで、硬くない印象を受けるが

しかし、刺さってみると

まるで、鉄のように硬さを誇っている。


長い鼻を武器として扱い、

振り回すだけで周囲の樹木を薙ぎ払う威力。


常人なら一発でも食らった即死になり

ミンチになるだろう。


まさしく、地上最強の生物だと思う。


「しかし、それは、地上の話だ。

空には通用しない。」


現在、俺はただいま空にいる。


転生初日に羽根が付いているのは知っているが

どうやって、飛ぶのかわからない。


この二、三日の間、

卵が孵化するまで俺はずっと飛ぶのを練習した。


「今、その成果が出た。

空から攻撃しても

何も手出しはできないよね

マンモスさんよ。」


そういって、火の玉(フレアボール)でアフリカゾウもどきを

ヴルゲイーンを攻撃をしている。


当たっているが、

ところところ焼け焦げているが

このヴルゲイーンは土で体を浴び

鎮火した。


一見こちらが優勢していると思うが

俺の物質操作は触れた物質を自由自在に操れることができる能力。

土を操れば槍にすることも落とし穴を作ることができる。

とても、汎用性が高い能力だ。


しかし、当然弱点もある。

それは物質に触れなければ操ることができないことだ。


今、俺が居るのは空中

土に触ることができない。


ついさっき、土を操り俺に触れて

大地と接続すれば操れるが

このマンモス、周りの木をぶっ壊し

それを長い長い鼻で投げてくる。


しかも、やたらに動き回るから。


接続が切れてしまった。


今の俺には土を操ることも落とし穴を作ることができない。


今俺が操れるのはこの世界にある大気、

空気のみだ。


「食らいやがれ、死神の刃(デスソード)


仕組みは簡単。


大気中の風を操り

それを刃にして放つ

実にシンプルな技だ。


おっと、技名が中二みたいなのは言わないでくれ。


「ぱおおおおおおおおおおおおおお」


「お、怒っている怒っている。」


マンモスはさらに怒りを増し

攻撃力アップ。


さらに、暴れて周囲の樹木をなぎ倒した

それを四本まとめて俺に投げてきた。


一軒家を余裕に吹き飛ばす威力を持っているが

俺は飛んでよける。


「馬鹿め、どこを狙っている。

さあ、こっちにおいて」


俺は逃げることにした。


戦闘をやめた?

違う違う作戦だよ。


温和が飛び去って行く光景を見て

ヴルゲイーンは直ぐに追いかけた。


所詮は獣。

知能は人間のように高くない。




その後


「ぱおおおおおううううううううううう」


ヴルゲイーンが走る地面は突如穴が開いた。


否、違う。


これは、落とし穴だ。


上に薄い板を敷いていて

ヴルゲイーンの体重では乗るだけで落ちてしまうくらいに脆く。


まだ、ばれないように

上に草などで隠した。


間違いなく温和の仕業だ。


しかし、ヴルゲイーンに追われ

地面に着地し、

即座に落とし穴とは言え

時間がかかる。


そうなってしまえば落とし穴が作る前にヴルゲイーン

が温和に攻撃して一瞬でミンチだ。

中途半端な落とし穴では一瞬で抜けてしまう。


温和は大空の上で語る


「俺は今は土に操ることはできない。

しかし、俺は以前にこの落とし穴を作り

お前をおびき寄せたのさ。

お前のことは叡智からはとても賢いと聞いたからな

だから、怒らせた。

怒らせておけば適切な判断はできないからな

その結果、まんまとひっ掛かったな

ありがとうよ。」


そういって、空中から地面に降りた。


その瞬間に大地は変形し

落とし穴を覆い隠す。


「中には燃えやすく木や草をたくさん詰め込まれている

これに、火をつけると」



覆い隠す土の蓋から穴が開き

火の玉(フレアボール)で叩き込む。


火の玉(フレアボール)はすぐさま

木などに直撃し、発火。

そのまま周りに移り

落とし穴は完全に灼熱地獄になってしまった。


「ぽおおおおおおおおおお」


「さらに、風を送り込む」


物質操作で風を送り

火力を増す。


風により火力を爆上げした炎はそのまま、

生物の常識を超える化け物を燃やし尽くした。


その後、声もなくなり。


ヴルゲイーンの丸焼きの出来上がり










「たたいま」


俺は台車に積んできたヴルゲイーンの丸焼きを

家である洞窟の前に置いた。


ヴルゲイーンが大きすぎるため

洞窟の穴の大きさでは入れることができなかった。




ヴルゲイーンの丸焼きを俺は

軽い台車を木で作り、

ヴルゲイーンを物質操作と腕力で上に乗せた。


ヴルゲイーンは重過ぎる

そのまま、載せたら台車は確実に壊れてしまうため

俺は物質操作で持ち上げたまま

台車とともに洞窟に帰った。





岩をどかし、

中にいるトルマリンを呼ぶ出した。


「キュンキュンううう」


案の定、寝ている。

まだ、子供だし、寝ていて当然

寝る子は育つとよく言うしね。


「さっさと起きろ、ご飯だぞ。」


「キュン」


言ったら起きた。

よし、飯にするか。




「キュン!!!」


起きた瞬間、巨大なヴルゲイーンの丸焼きを見た。

トルマリンは興奮した。


「キュンキュン」


余りの興奮さで

まだ、飛べるコツをつかんでいない

翼をバタバタして己の感情を表現する


「そんなに焦るな

今すぐ、肉を分けてやる」


さすがに、この大きさで食べられまいと思い

創造で水を生み出し、それを、鎌で洗う。


綺麗になった鎌をヴルゲイーンの皮膚と肉に食い込ませる。



鎌はその相当の切れ味をするのにもかかわらず

切るのに苦労してしまう。


しかも、熱いからな

扇風機が欲しい。


熱い?



俺は違和感を感じた

どう考えてもおかしい。


この異常な気温

さっきとは全然違う。


まるで、灼熱の火口のすぐそばで

作業をしているみたいだ。


嫌、火山ではない。


俺は直ぐに暑さを感じ、

後ろを向いた。



太陽だ。


最初に思いついたのはそれだ。


炎に包まれた龍というのは

こうも、神々しいのかと思った。


その身に宿る炎が発する光は

まるで、太陽のように感じた。



これは一体。


『告、危険です。

トルマリンは興奮状態に陥ったせいで

魔力の制御が不安定になり

このまま、爆発します。』


噓、どうすればいいのか


「キュンンんンんンんンん」


トルマリンはさらに、光を。


いつの間にか爆発した。





結果、俺は無事ではなかった。


直ぐに、穴を掘り

爆発の直撃を免れたが

熱は逃がすことができず

俺は多少の火傷を負った。


しかし、ヴルゲイーンがひどかった。


完全に灰になり、せめて黒焦げになればまだ食べられるのに

灰になり食べられるものではなかった。


俺はショックを受けた。


自身が数時間を掛けて

得た獲物を功績も素材も

せめて、骨が残っていれば

何かに使えたのに。


これは、モン〇ンで素材を誤って売ってしまったときと、

剥ぎ取りを間に合わなかったときの損失感と一緒だ。



それを、このガキ!!!。






























その後、俺は怒りに任せ、

トルマリンを羽根を使って飛んで

森に捨てた。




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