002
レンは今フェローシャスが多数現れる区域にギルドが設営している建物に入った。
「よぉ、初めて見る顔だな俺はガイルだ、よろしく」
「よろしく、俺はレンだ」
そう話しかけてきたガイルは長身で体格が良く、いかにも戦う男という感じだった。この建物には複数人がいて個人からパーティーを組んでいる者たちまで様々でガイルは個人で活動している。
「今はフェローシャスは少ない出てもそんなに収穫はないぞ」
フェローシャスは一部のポイントに波のように現れる。特大、大、小、無、と時期、時間によって変わってくる。
「そうか、ありがとう」
そうレンは言うと並んでいるテーブルに着く。そこにガイルもついて来る。
「なぁ、今日俺と組まないかレン、若い割には腕あるだろ、一人でやるより組んだ方が効率がいいからな」
そうガイルが誘ってくる
「いいぞ」
「よし、もう1人誘いたいが構わないか」
「変な奴じゃなきゃいいぞ」
「多分大丈夫さ」
そう話すガイルは周りを見回し、見つけたのか声を掛けに行く。話を始めその途中こちらに手を向けレンのことを伝えているようだ。
話がついたのか2人はこちらに戻ってくる。
「よし紹介だこいつはエレナだ、個人活動でやってる」
「よろしくレン、エレナよ仲良くしてね」
ガイルが誘ったエレナはレンよりは低いが比較的高い身長で、ロングの髪がよく似合う女性だ。
「よろしく、レンだ」
「まあ仲を深めるのと、暇つぶしも兼ねて話そうじゃないか」
そうガイルが話を促す
「そうだな2人はどれくらいこの仕事をしてるんだ。俺は始めてざっと20年位だ」
「私は3年程よ、と言っても偶にしか受けてないからそんなにねレンはどう」
「俺は今日が初めてだ」
「そうなの、それじゃ私たちが教えてあげないとね文字だけじゃわからないことは多いからね」
「おっ、いいな先輩達が後輩くんにご教授してやろうではないか」
楽しそうにガイルとエレナは基礎的な話を一通りし始めた、そして段々とレンが知らない話も増えてくる
「そうだ、パッチは足なんかに打っても無意味だ1番は大体が体の中心に精密機器があるからそこに近い可動部、難しいなら真上に付ける事だ」
「そう、まあ慣れの問題だから数をこなす事が1番ね、レンは銃の扱いには慣れてるかしら」
「一応小さな頃に一通り教わった」
「なんだ、金持ちの生まれか他にも学んでるのか」
「勉学は基礎知識から帝王学まで一通りだ」
レンは幼い頃から勉学を進めており独学で勉強する人を除き、普通の人ならば所謂初等教育のような基礎しか習わないところをその先またはそれ以上に学習させてもらっていた。
「はー、ガチの坊ちゃんか、それとも勉強好きなのか」
呆れともつかないような声音でそうガイルが言う
「好きでも嫌いでも無い、たださせられていただけだ」
「おっ増えてきたみたいだな、よし仕事だそんじゃあま坊ちゃんの腕前でも見してもらおうか」
案内に表示されたフェローシャスの増加を見てガイルが言い、三者は建物の外へ出る
☆
レン達は銃弾を避けながらバンッ バンッ と銃から打ち出されるパッチがフェローシャスに貼り付きガコッ と本物の獣のような動作を停止する
「言うだけはあるな」
「お前こそ」
「まあ伊達に20年もやってないからな」
フェローシャスは獣の姿から人間の姿まであり、銃などの遠距離武器を多く持っている。珍しい機体としては近距離武器や格闘技を使うものまで。敵は一見小型組み込みの銃しか持っていないように見えるが実際は拡張弾倉のため弾数が多く対処はそう簡単ではない。
そんなフェローシャスに三人は互いを補うようにしながら倒していく。極力被弾しないよう避けているが数が多いため時には武器を破壊し、時には本体の足を破壊し足止めをして捌いていく。
「ああいう小型は首を狙うのが1番簡単だ」
そうガイルが示すのは犬の見た目をしたフェローシャスでレンは言われた通りに首を狙った
「よし、後は近づけないよう狙う順番さえ考えとけば大きなミスはしない、まあ頑張れ」
面倒見の良いガイルがレンにアドバイスを贈る
「ありがとう」
レンが一言お礼を言う
☆
3時間ほどたった頃にフェローシャスは全て停止した。今回は小型動物系フェローシャスが大半だったおかげかパッチのみで抑えられた数が多く、然程苦労することなく殲滅することができた。
「まぁまぁだな」
殲滅後にレンは独りごちる
「そう、私的には上出来だと思うけど」
「俺もそう思うがなレンは今日が初日だろ、完璧主義なのか」
「違う、だがもう少し上手くできると思っていたからな」
「無愛想の完璧主義者なんて誰にも好まれないぞ」
「まあ頑張ろうとすることはいいんじゃない」
エレナがレンをそうフォローする
「そんじゃこれ運んだ後に一緒に飲もうぜ」
ガイルが飲みの話をして一人気分を上げた
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