WEDDING 3
ショートジャンプでタケの所へ。
「くおらっ!タケ!てめー何アス姉を色目で見てやがる!」
「うぉ、カエデ!お前のお姉たまか?よし、お前は今日から俺の可愛い
弟ちゃんだ。」
「んだとー!表出ろ!」 ゴイン、ゴイン!痛たぁー!
「何をやってるの!あんた達は!」
「アマテラス!タケがアス姉に色目をー!」
「ち、違う!あ、あまりの美しさに目が離せなかったんだ!」
「まあ、アス姉は美しいが・・・って、ちがーう!それを色目と言うんだ!」
「はぁ・・。元々、いい機会だから武御雷にアスカを紹介しようと
思ったの。」
「ほう・・アマテラス・・・俺に喧嘩を売る気だったわけか・・・。」
「違うわよ!これはバート君もマリアちゃんも知ってるわ。」
「へっ?」
「ああ、すまんカエデ。アマテラス様に頼まれてな。」
「は、初めまして義父様。私の事はタケとお呼び下さい。」
「お、お父様・・・。」
「てんめー!バート叔父さんが許しても俺が許さんぞー!」
「いいわよ。」
「はっ?」
そこには顔を真っ赤にしたアス姉が居た・・・ま、まさか・・・。
「一目惚れかしら・・・。」
「うそだろ!」
な、なんてこった・・・。僕は憔悴し自分の席に戻った。
バート叔父さんは真っ白になってたから。
「大変な事になったな。」
「アスカ様ってああいうのが好みなんだな。」
「僕もびっくりだよ。クロ兄とクジャクが結婚するってなった時クラスの
衝撃だ。」
「お似合いだと思いますよ。」
「ええ、ええ。」
女性陣には好評なようだ。ってか、タケってもてるんだよな・・・。
やたら強くて性格も悪くない、男気にあふれイケメンでもある・・・。
チックショー!お似合いじゃねーか!
「始まるようですね。」
まずバッコスとヒカミが作った創作料理だ。見た目も美しく華やかだ。
ゼウスが挨拶をする。
「昨日クロスとユーリーは結ばれた。ささやかではあるが皆も2柱を祝って
ほしい。そしてクロスは正式に儂の後継神となる。合わせて後継神の
決まっている神も伝えておく。」
ベル姉やアス姉、タケル兄だけではなく諭吉とシゲさんも紹介された。
2人とも立派になったなあ・・・。
「カエデ、お爺ちゃんの顔になってますよ。」
「いや~、2人は幼馴染みだからねえ。」
「それと武御雷とアスカの婚約も発表する。」
「速攻ですね・・・。」
「バート様、血の涙を流してますけど・・・。」
「僕もだよ・・・。」
ゼウスの乾杯の音頭で宴が始まった。
人間と違い神達は気まぐれで自由だ。ゼウス派の神じゃなくても出入り
オーケーのようだ。インドラやアテナ、もちろん月詠も楽しそうだ。
「まさか武御雷が身を固めるとはね。」
「俺は複雑だよ。」 夜叉が来た、今日も美しい。
「みんな、久しぶりね。」
「この間、会ったばかりですよ。師匠。」
「そうだったかしら。」
女性陣は夜叉の遊郭で修行してるんだったな。
「タケって日本に行ってるんじゃなかったのか?」
「戻ってきてるわよ。ほら、クロノスの分体が動き出してるから。」
「ああ。アフロディーテから聞いたよ。」
「ゼウス様側の中心はクロスで、天照様側の中心になるのはアスカかしら。」
「やれやれ・・・どっちも身内だよ。」
「結果論だけど、まんまとって感じね。」
「師匠、どういう事ですか?」
「スズメならわかるでしょう?」
「まあ・・・。クロス様やアスカ様に何かあったらカエデが激怒する。」
「あの夜叉様、俺達はクロノス様の事よく知らないんですがここにいる神達も
半端なく強いじゃないですか。」
「そうね。」
「前回の戦の教訓もあるでしょうし・・・。それでもカエデを巻き込もうとする
のは何故ですか?」
「保険かしら。」
「保険?」
「カエデは元々クロノスとの戦いに参戦してないから。」
「そりゃそうだよ。イカルガは人間だったし神の主体がオリンポスだろうと
ティーターンだろうと大差ないからね。」
「でもクロノス様を封印したのはカエデや箱庭だろう?」
クロノスが夜叉にちょっかい出したからとは言えんなあ・・・。
ヘリオポリスや仲間の犠牲も出てるし・・・。超個人的な理由だもんな。
「クロノス様の能力は聞いてる?」
「はい、時を止めると。」
「当時のオリンポスはそれに対抗する事ができなかったの。で、唯一対抗できた
のがイカルガだったの。」
「今は対抗できるんですか?」
「わからないわ。可能性がある神が居るってことくらいかしら。」
「それで保険としてカエデを転生させたと。」
「はぁ・・さっきも言ったけど僕は人間だし神々の戦いに興味はないからさ
言ってしまえばティーターンにつく可能性もある。」
「そういう事か・・・。」
「今となっては生理的にクロノスが嫌いだし、オリンポスサイドに友人が多いし
ティーターンサイドにつくなんて事はないけどね。」
「あら、余興が始まるわね。」
「余興なんてあるの?」
「ほら、あれ。」
「あっ。」
「あれは天使族ですね。」
「ミカエルか・・・。」
「ゼウス様、この婚姻に異議申し立てを。」
「何じゃ?」
「その神もどきはユーリーに相応しくございません。」
「ミカエルよ、そうは言うがなこやつらは互いに想いあっておるぞ。しかも
お前は1度クロスに負けておると聞いてたが。」
んっ?うちの一族がニコニコしてる・・・バート叔父さん以外・・・。
問題なしという事か。
「それはユーリーがその男に誑かされているからでございます。負けたのは
その男が不意打ちという卑怯な手を使ったからでございます。」
「どっちかと言うと逆なような・・・。」
「そうよねえ。クロスって思いっきりクジャクのタイプですもの。」
「師匠、そうなんですか?」
「ほら、クジャクって魅了を使ったりして力で何とかするっていうより策略で
神の仕事をしてたじゃない。そのせいでクロスみたいなふわっとしたのが
好きなのよ。」
「それはクロス様に癒しを求めたという事ですか?」
「そうねえ、しかもクジャクを守れるくらい強いから。あと本人が鳥の名前の
くせに羽根が苦手なのよねえ。」
「それは・・・付いてますね、6枚も。」
「成程のう・・・よし、じゃあお前ら勝負せよ。余興に丁度良いじゃろ。
勝った方がユーリーの夫となるが良い。神々の前で卑怯な事もできまいて。」
「ありがたき幸せ。」 ミカエルはニヤッと笑った。
「ああ、あれは何か企んでますね。」
「大天使って噛ませ犬か何かですか?」
「嚙ませ犬って言うかただの馬鹿じゃない?下でもやらかしてるのに、いくら
温厚なクロ兄でも怒るよ。」
「普段、温厚な方が怒ると怖いですよね。」
「ミカエルの黄金の剣、やばくないか?」
「ああ、パーシヴァルだね。」
「クロス様は剣ですか。」
「あれは・・・多分ケラウノスだね。」
「ケラウノスって杖じゃないんですね?」
「ケラウノスは雷の概念そのものだからね。使う神によっては形状が違うよ。
アテナも使えるけど盾型だし。」
「やっぱり雷を使う神って多いんですね、師匠。」
「やめて、コンペジターが多いのはわかってるわ。ただその中でもケラウノスは
頂点よ。使いこなせればだけど。」
「どうなんです?カエデ。」
「さあ?けどクロ兄が本気だす時は刀だね。」
「本気を出すまでもないと?」
「そりゃそうさ。ゼウスの後継神って事は神々の頂点っていう事だから。」
「カエデ、部下っぽいのが何かしてるぞ。」
へぇ、さすが諭吉。あれに気づくか。僕らで言うところのバフだな。
連れて来た天使たちは強化系の天使なんだろ。
「あれは卑怯じゃないのか?」
「いやまあ、別にルールなんてあるわけじゃないから。」
「クロス様からめんどくさいという雰囲気が駄々洩れです。やはり兄弟です。」
「失礼な。」
ミカエルがクロ兄に何か言ってるが丸無視。さっさと来いって感じだ。
おっ、ミカエルがモリモリの筋肉ダルマになった。
あれバーサーカーじゃないよね?
ドカンッ!パーシヴァルの1撃だ。クロ兄は涼しい顔して受け止めている。
まじか・・・あんなの受けたら僕は粉々になるぞ。しかもケラウノスは雷すら
帯びていない。いや、すげえなクロ兄。時止めさえなんとかすればクロノス相手
でもいけるんじゃね?
「なあカエデ、あれ物理的におかしくないか?」
「まあ神だしって事で済ませるしか・・・理屈としてはケラウノスが衝撃を
吸収して別次元に流したって感じかな。」
「そのエネルギーはどうすんだ?」
「ん~倍返しだろうね・・・。」
ドッカ~ン!案の定クロ兄は1振りで筋肉ミカエルを吹き飛ばした。
羽根もげてるしー!
ミカエルの奴、クロ兄を本当に神もどきだと思ってたのかな?
あっ、僕はミカエルに用事があったんだ。あちゃ~どこまで飛ばされたんだ?
ショートジャンプを繰り返しボロクソのミカエルの所へ。
「よう、ミカエル。ざまねえな。」
「クソッ!何なんだあいつは!っていうか誰だ貴様は!」
「クロ兄の可愛い弟ちゃんだ。」
「何!」
よれよれのミカエルが立ち上がろうとする。
「ああ、無理するな。とどめをさしにきた訳じゃない。
お前がアレクサンドル家に貸した天使族を預かってるから引き取ってくれ。
ついでにアレクサンドルの馬鹿2人も。」
「ぬぅ、貴様か!計画の邪魔をしたのは!」
「いや計画っていう程のもんでもなかっただろ。お前、帝都の事をよく調べて
なかっただろ?」
「インドラ様の加護持ちの男が皇帝をしてる程度の国だ。」
「はぁ・・お前の悪いとこだぞ、それ。確かに皇帝はそうだけどあれ雑魚だぞ。」
「ど、どういう事だ?」
「だからあ、今の帝都には天使族が束になってもかなわないって事。それに
クロ兄はゼウスの後継神なんだから強いに決まってるだろ。ユーリーは
あきらめろ。お前ならきっといい女が見つかるって・・・。」
「クソー!初恋だったのに・・・。」
「い、いや、ほら初恋って成就しないって言うじゃん。」
「確かに・・・じゃあ、夜叉で。」
バリバリバリ!
「あばばばば!」
魔神化した夜叉が仁王立ちで黒い雷をぶっ放していた。ミカエルよ生きてる?
「なぁーにが、じゃあ夜叉でよ!」
「あ、あの夜叉、気を失ってるけど・・・。」
「フンッ!こんな弱い電撃で気を失うなんて弱すぎるわ!」
いやいや、普通の電撃じゃなかったから!
部下の天使族が慌てて来たので黒焦げのミカエルと収容所の天使族の
事を頼む。お前らも馬鹿な上司を持つと大変だよな。
「戻りましょうか。」
「そうだね。」
ふぅ、これで収容所は撤去できる。
会場に戻ると僕の席で知らない子供が料理を食べている。はて?
「カエデッ!」
んっ?そう言えば会場の音が消えている。
「おや、なつかしい・・・。」
夜叉の動きが止まった・・・どうすっかな?俺も止まったふりをするか・・。
「ほう、みな止まったか。分身体でも俺様は強いな、当然だが。」
やっぱ、クロノスか・・・。
「これなら分身体でも勝てるか・・・いや、今回は慎重にいく。やはり
パーフェクトな俺様の方がカッコイイだろう。いい女も沢山居るしな。」
相変わらず過ぎて呆れる・・・。こいつには反省の2文字はない。
「そこの少年、料理が食べたいなら席を用意するよ。そこはカエデちゃんの
席だからね。」
「へぇ、動ける奴がいるとは・・・。まだ完全には使えてないか。」
おー!クロ兄、動けてるじゃん!
「何とか動いてるだけだよ。時止めか・・・面倒な権能だね。」
「まあ今回は挨拶だけのつもりだったが、お前だけは片付けておくか。
イカルガみたいに足元をすくわれても困る。」
「全く・・・戦えるほど動けないのに・・・。」
ありゃ、まずいな。どうする?消すか?う~ん、その前にひとつ試してみよう。
「フッちゃん。」
「はいな。」
「タケを動かせるかな?」
「そうでんな、短い時間なら。」
「そうか。フッちゃん、タケのところに戻ってくれるかな。」
「えー!ここがええなあ。」
「箱庭から通えばいいじゃん。」
「ええんか?」
「全然オーケー。」
「それなら、かまへんでえ。」
「んじゃ、よろしく。」
タケは日本と行き来してたんだから、時空の壁は越えれるだろう。




