WEDDING 2
雷帝派の貴族達が挨拶を始める。中には諭吉達も居る。
当たり前だが全員未婚の為、貴族の皆さんの目がやばい。ありゃハンターの目だ。
残念ながら諭吉もシゲさんも相手がいるからね。
女性陣は知らんが、あの親達を納得させるのはほぼ不可能だろう・・・。
まあ彼女達もいずれ神化すれば時間は無限になるし、ゆっくり探すといい。
挨拶は続いてるがダンススクールの舞が始まった。おお・・・酒吞の結婚式
以来だな。さすがに紅葉は来てないが代わりにアス姉が舞う。
神の舞だよ神の。たぶん火の神神楽になるんだろう。
んっ!結界に触れた奴がいるな・・・。やれやれ・・・。
「父さん、ちょっと席を外すね。」
「申し訳ないね、カエデちゃん。」
「様子を見て来るだけだから。」
姿を消して反応があった所に行ってみる。
1人の男が剣で結界を斬ろうとしている。あいつは・・・。
はぁ・・・ちょっかい出すなら神界の方にしてくれ。
「おい、何をしている。」
「んっ?何だ子供、ここに用があるのに結界が邪魔だ。」
「用?神のお前が何の用だ?」
「俺を知ってるのか?誰だお前?」
「誰でもいい。用があるなら神界での結婚式にしろ。ここには普通の人間達が
沢山居る。」
「知った事か!そうだな・・・まずこの街を消してからにするか。
その方がユーリーとゆっくり話ができるだろう。」
「やめておけ。ここはインドラの加護が強い土地だ。神とはいえ痛い目に
あうぞ。」
「むっ、インドラか・・・。そういえばタナトス達が怪我してたな。」
「インドラはオリンポスにもティーターンにも与してない。
正直、インドラを怒らせてオリンポスサイドについたらどうするんだ?」
「う~む、今はまずいか・・・。まっ、ユーリーも人間なんぞと婚姻を
結ぶはずないし。そうだとしても俺が目を覚まさせればいいしな。」
ティーターンサイドにはクロ兄やベル姉の事は秘密だ。
少々腹も立つが今日は素直に引いてもらった方がいいだろう。
ぶつぶつ言いながら消えていった。ふぅ・・・危なかった。
こんな所で神とタイマンしたくない。
すっと鈴音が現れた。
「良かったの?別に今の楓なら消せたわよ。」
「いや俺はティーターンと直接、事を構える気はない。それにこの結界は
神だろうが作用する。消滅するまではいかないが当分調子悪いだろう。」
「呪結ね。まあ、やる時は呼んで。」
「了解。明日、手に負えなくなったら皆に手伝ってもらうさ。」
「わかったわ。夕霧達も神相手でも大丈夫よ。」
「進化したの?」
「ええ。」
さて会場に戻ろう。後で一応クロ兄達には伝えておこう。
結婚式はその後、何事もなく無事に終わった。華やかでとても良い結婚式だった。
ふぅ・・・半分終わったな。明日は神界編だ。
どうせ神界に行くんだ、屋敷に行ってみるか。みなと一緒にガーネットの屋敷に
戻りカモナから神界に転位。
数回来ただけだが一応僕の屋敷だ。アフロディーテの敷地内にあるんだよね。
ここには管理する者もオートマタも居ない。
考えてみれば1人になりたい時なんてここはいいかも。
生活道具や食材は一式揃っている。コーヒーもあるよ。
自分でコーヒーを淹れリビングで寛いでいるとクジャ姉が来た。
リビングに突然現れた。
「うわっ!びっくりした。玄関あるから。」
「ごめんなさい、時間が無くて。」
「お疲れ、明日はいよいよ神界編だね。」
「編って言わないで。それよりコイオスが来たでしょ。」
「ああ。帝都がインドラのテリトリーだから暴れずに帰ったけど。」
「ごめんなさいね。」
「別にいいけど。元カレとか?」
「まさか!幼馴染みっていうやつよ。明日、来るかしら?」
「無理じゃない。結界に触れたから。」
「そういう結界だったのね。」
「クロ兄とベル姉の事はティーターンに知られたくないからね。
まあそのせいで、コイオスはクジャ姉が人間と結婚するって思ってる。」
「それはしょうがないわ。私としてもクロノスとの戦いでゼウス様が消滅して
クロスが全知全能の神になられてもねえ・・・。2人で過ごす時間が減る
から嫌だわ。」
「既に神じゃん。」
「ええ、ずっと一緒に居たかったから。」
「本人の希望だろうし、僕から言う事は何もないよ。」
「義父様や義母様、あなたも神になる気はないのね?」
「ないよ。後継者はクロ兄、ベル姉、アス姉、タケル兄で十分でしょ。それに
他も眷族といっても上位だからね、望めば神になれるでしょ。」
「そうねえ。戻らなくっちゃ、明日もよろしくね。」
「了解。」
両親はベル姉の屋敷、バート叔父さん達はアス姉の屋敷、シュリ叔父さん達は
タケル兄の屋敷に。よく考えるとうちの一族すげえな。
神界は僕にとって清浄すぎて居心地が悪い。
「居心地悪そうですね。」
「お疲れー、今日はありがとねスズメ。」
「とても素敵な結婚式でした。」
「どうも神界の空気が合わなくてね。」
「私もです。神部分の修行の時くらいしか来ませんし。」
「そっか、みんなはそれぞれの屋敷に?」
「そうですね。」
「結婚式とは関係ないんだけど、ガーネットに学園の分校ができるんだ。
来春から稼働だってさ。」
「そうですか。転校を考えてるんですか?」
「そうだね。帝都よりガーネットの方が好きだね。ばたばたが終わったら両親
に話すつもり。」
「私もそうします。」
「えっ、図書館とか屋敷があるじゃん。伯爵位だし。」
「私だけじゃありませんが、みな転位を使えるようになりました。
正直、どこに住んでも大差はありません。伯爵位に関しても国をまたいでの
引っ越しでなければ問題ないです。」
「まあそうか。任せるよ。」
「明日は神達が主導でしょうから私達は元の姿のままで。」
「そうだね。何かあってもシヴァ達が動くでしょ。」
「ユキチやシーゲルは手伝わされそうですが。」
「みんなはまじ神相手にどこまで動けるの?」
「実際、対峙してみないとわかりませんね。神の本気も見た事ありませんし。
カエデはどうなんですか?」
「う~ん、自覚は無かったんだけど鈴音が言うにはいけるらしいね。
もちろん戦う気はないけど。」
「さすがですね。ところで夕食どうです?お婆様から誘うようにと。」
「作るの面倒だし、伺うよ。」
という事でアフロディーテの城へ。ほぼ隣なんだけどね。
「ちわー、お邪魔します。」
「遠慮はいらないわ。ここはあなたの城みたいなものなんだから。」
「ちゃうわ!」
「前から気になってたんですが、お婆様は美以外は無関心だと思うんですけど
カエデに関しては別なのですね。」
「別に無関心じゃないわよ、娘も孫も気にしてるし。そうねえ・・カエデは
というかイカルガが特別かしら。エルも私も助けてもらった事があるの。」
「イカルガと僕は別人だけどね。」
「そうかしら?イカルガから無骨さを取ったらあなたになるわよ。」
「そうなの?」
「さあ?私はイカルガ様の事は本の中でしか知りませんので。」
「ここは神界で最も安全な所なんだから、ゆっくり出来るわよ。」
そうなのだ。だから僕は敷地内にも関わらず屋敷をもらったんだった。
アフロディーテはすすんで戦かう事はないが、というか戦う前に勝負はついてる
し、ある意味神界最強で誰も何かしようと思わない。あのクロノス達でさえ
アフロディーテにはちょっかいを出さない。
もちろん食事も極上だ。美は食事も非常に大切だと、よくわからんがバランス
重視の完全食らしい。
「良い結婚式だったわ。」
「見てたの?」
「ええ、みなで。ゼウスの神父は爆笑よ。ユーリーは合格ね。」
「僕は神界の結婚式って初めてなんだけど。」
「特に式って事はないわね。神界の親にあたるゼウスが他の神に紹介するって
感じで、あとは宴会ね。」
「喧嘩とかはあるの?」
「あるわよ。仲が悪い神も居るから。けど争うだけ無駄だからすぐに終わるわ。」
「そりゃそうか。ミカエルとコイオスの事は?」
「知ってるけどただの笑い話ね。」
まあ神からしたらその程度の認識だろうな。下手したら街がなくなるけど。
「わざわざあなたが動く必要もないでしょう。本人達がどうにかすればいいのよ。
クロスはもう神なのよ。あなたが動く方がリスクは大きいのよ。わかってる?」
「まあ、僕は人間だからね。」
「そういう事よ。過保護なのよあなたは。」
確かに単純な能力ならクロ兄やクジャ姉の方がはるかに高い。
「わかったよ。」
「たぶんゼウス達は今回、後継者達を発表するんじゃないかしら。」
「えっ、早くない?」
「早くないわ。」
「クロノスが復活するのか・・・。」
「完全にはしないけど分身体が動き出してるらしいわ。」
「めんどーだなあ。」
「まあクロノスも馬鹿じゃないし分身体でオリンポスに挑んでこないでしょう
完全復活までの準備期間といったところね。」
「成程ね。それで小競り合いが起こるからもう発表してしまうと。」
「クロスが中心になって準備を阻止するって事じゃない。」
「う~ん、がんばれクロ兄。」
「あなたも気を付けなさい。」
「えー!何でー!関わる気ないよ。」
「クロノスをボコボコにして封印したのは、あなたでしょ。」
「そうだった・・・恨まれてるかな?」
「逆恨みね。」
「迷惑!」
「今のあなたで戦えるのかしら?」
「そうだなあ・・箱庭は復活してるし分身体ぐらいなら瞬殺できるかな。
というかちょっかい出してきたらするし。」
「まあ、完全復活するまでちょっかい出してこないと思うけど。」
「どうかな?あの性格だよ。けどそのほうが身のためだね。」
「あなた、もう少し神界に顔を出しなさいな。」
「いやあんまり神界に居ると身体が神よりになっちゃうんだよ。神気がでても
困るしさ。」
「まだ死ぬのを諦めてないのね。」
「そりゃそうだよ。何のために転生したのかって話じゃない。
それに箱庭は僕の魔力がなくても稼働できてるからね。」
「後継者達が居たとしても今のオリンポスではクロノスに勝てないわよ。」
「う~ん、まだ時間はあるよ。お互いにって事だろうけど・・・。
それに後継者達がオリンポスの代理戦争をする必要はなくない?
ゼウス達やアマテラス達が戦うべきだ、結果彼等が消滅するならその時に
後継者達は動けばいい。」
「私はどちらにも加担しないわよ。」
「僕もだ。といいたいところだけど家族は大事だからね。もし、クロノスと
また戦う事になるなら今度こそ消滅させるさ。」
「やる気満々じゃない。」
「あくまで家族に何かあったらだよ。」
自分の屋敷に戻り風呂入って寝た。湯舟に色んな花が浮かんでるんだよね。
もちろん僕の趣味じゃなくこの風呂の機能だ。匂いで安眠させるらしい。
さて、明日は何事も無い事を祈ろう。誰にだ?
朝の目覚めは完璧だ。朝食は自分で用意。
1人暮らしを思い出すよ。
結婚の儀はゼウスの神殿で行われる。あれだよ朽ちてないパルテノン。
出かけようと思い外にでると丁度アフロディーテ達も向かう所だったので
一緒に乗せていってもらう事に。天馬じゃなく白鳥なんだよね。
つまり飛んでいくんだ。
会場に着いたらゼウスの眷族が案内してくれた。
僕は子供席。そばにはガーネットとタチバナの一族がいる。
母さんが手を振っている、さすがに泣き止んだようだ。
「ヒカミ以外は居るね。」
「ええ、昨夜のうちからバッコス様と仕込みをしてたようです。」
「それは楽しみだなあ。」
「お前はいつも通りだな。」
「えっ、何で?」
「神が沢山居るんだぞ。」
「まあそうだけど、別に戦うわけじゃないし。」
「俺は数柱しか見た事がない。」
「いや、僕達はただの学生だからね。そうそう神になんて出会わないよ。」
「いや、カエデに言われても・・・。」
「カエデ、武御雷様もいらっしゃいますよ。」
「えっ、タケが・・・。本当だ、バイトかな?」
「さっきからアスカ様をロックオンしてるような・・・。」
「なん・・・だと・・・・。」
いや待て、アス姉はアマテラスの後継者だ。つまりタケの上司にあたるわけ
だから尊敬の念を抱いてもおかしくはない。
「目がハートです。」




